タイトル 長崎犯科帳
放映年 1975年
放映話数 全26話
新任の長崎奉行、平松忠四郎は、女好きで賄賂も受け取る無能な奉行。だが、白装束を纏い、悪を裏で裁く闇奉行であった。 スペシャルコーナーはこちらから(キャラ紹介、解説など)

出演:萬屋錦之介、田中邦衛、杉本美樹、火野正平、小沢栄太郎、新克利ほか

日本一イカ頭巾が似合うのは錦之介さんだと思う。黒も白もとても素敵

 秀次郎さんのご好意のおかげで、やっと見ることが出来た<長崎犯科帳>。菓子箱に詰められた切り餅(小判)を前に、「へえ〜これがカステ〜ラかい」と言いながら小判の紙を切り、じゃらじゃらと小判をばらまきつつ、「これなら江戸にもあるよ」とニヤリ。カステ〜ラは大好きだと言っては受け取り、女も好きだと言っては遊廓で接待を受け…普段はオランダ凧ばかりあげている長崎奉行、平松忠四郎…う〜ん、素敵…錦之介さんってこういう役、本当に上手い。悪を退治に行くときは真っ白の頭巾にお着物。闇夜には目立って仕方ないな(笑)悪人を斬るときに指をぱちりと鳴らすと、さっと悪人の顔色が変わる。そう、長崎奉行の癖が指を鳴らすことなのだ
 わたしの好きな<破れ奉行>の速水右近と少し設定は似ている、右近は単独で斬り込み、忠四郎は仲間と斬り込む。仲間も個性派揃い。なにせ、何を演じても<田中邦衛>の邦衛さんが、和蘭シーボルト門下の蘭方医、武器はメスと力技(笑)杉本美樹さんは手品のように花を出しながらブスリ。火野正平さんは本作では情報収集だけでなく珍しく殺しも担当している。それにしても、火野さん。髪形も着ているものも、また、その行動パターンも、<痛快・河内山宗俊>の丑松や<長七郎江戸日記>の辰三郎、<新必殺仕置人>の正八などかぶるキャラが多い。ふと、あれ、これって誰だっけ?と解らなくなってしまうくらいだ(かなりな作品にご出演されているのである)
 錦之介さんの時代劇は痛快だがどこか物悲しい。凄みがあって軽さがあり、狂気があって正気がある。こういうスターはもう出てこないのだろうか?錦兄イのTV時代劇をリアルタイムで見られたのは幸せなことであったし(「て〜め〜ら人間じゃねえ、たたっ斬ったる」なんて真似していた)、また、こうして未見の作品をCSで見られるのも幸せである(2003.9.19)