タイトル 燃えよ剣
放映年 1970年
放映話数 全26話
司馬遼太郎原作、土方歳三にスポットを当てた名作をドラマ化。主演は映画版でも主役を演じた栗塚旭。彼は、1965年の「新撰組血風録」でも土方歳三を演じ、土方歳三=栗塚旭というイメージが出来た

共演:島田順司、左右田一平、中野誠也、舟橋元、小田部通麿、亀石征一郎、御木本伸介、黒部進ほか

土方歳三といえば、栗塚旭さん。もそもそ話すクールガイ。渋いです

 司馬遼太郎さんはロマンチストに違いない。彼の作品には、どこか切なく、甘い雰囲気が漂っている。同じ新撰組を描いても、池波正太郎さんはどこか淡々と、冷めた眼で描いていた
 わたしがこの番組を好きだったのは母親の影響が大きい。母は栗塚さんの演じる土方歳三の大ファン。母親と一緒に見ているうちに、すっかり新撰組と土方歳三に惚れ込んだ。女性に人気ナンバーワンの沖田総司に走らなかったのは、本作の島田順司さんが好みでなかったからもしれない(笑)でも、彼はきっと史実に沿えば、一番沖田の実像に近いと思う。沖田総司は決して草刈正雄さんのような容姿ではなかったのだ
 男性で坂本龍馬が好きな人が多いように、女性は新撰組フリークが結構多い。たぶん、少女漫画<「天まであがれ!」「あさぎ色の伝説」など>で取り上げられたことも大きい。先日、久し振りに「天まであがれ!」を読んだが、恥ずかしいことに涙、涙であった(苦笑)また「ベルサイユのバラ」が流行っていたころ、女子生徒はみな、その時代のフランス史に詳しかったように、友達と新撰組関連の本を競って読みあさった。その時期「新選組始末記」が放映され(1977年 全26本)、友達と熱狂したことを覚えている。その時の土方歳三は古谷一行さん@金田一耕助だった。どちらかといえば、草刈さんの沖田総司が主役だったな。あんな彫りの深い端正な面ざしで、苦しげに血を吐くので、みんなでくらくらしながら見ていた。すごくイケ面の沖田総司だった
 土方歳三は母の故郷、函館で最後まで戦って散っていった。政府軍の幹部達は皆生き延び、死んだのは彼だけだった。不器用な生き様だが、だからこそ心魅かれる。もし、タイムマシンがあるなら、わたしは迷わず土方歳三に会いに行く。いつかそんな夢を小説に書こう