タイトル 仮面の忍者・赤影
放映年 1967〜68年
放映話数 全56話
各13話ずつ「金目教編」「卍党編」「根来編」「魔風編」で構成されている、特撮忍者物の傑作。「赤い仮面は謎の人…」の主題歌に子供心を躍らせた

出演:坂口祐三郎、牧冬吉、金子吉延、天津敏、里見浩太朗、汐路章

白影さんが鬼籍の人となったとき、すごく悲しかった。でも、映像では不滅です

 ヒーローに心魅かれることは少ないのだが(筋金入りの脇役好き)、赤影は好きだった。仮面を取った後の優しげな顔もナイスだったし(それがイマイチという人もいたが)、大好きな牧冬吉さん演じる明るい白影と、愛嬌のある青影の絶妙のコンビネーションが赤影のやや影のあるヒーロー性をいっそう引き立てていた
 妖術に、SFチックなメカや武器。赤影達を追いつめる敵がバラエティに富んでいて、個性的。時代劇スター里見浩太朗さんが竹中半兵衛役を演じたり、大部屋の俳優さんもごろごろ(川谷拓三さんもいたなあ)時代劇の東映が作っているのだから、殺陣や話もそれなりにきちんと作られている。だから、迫力がある
 中でも、金目教編と卍党編が印象深い。それは、敵役を天津敏さんが演じていたからだ。悪役が素晴らしいほど、主人公の輝きが増す。天津敏さん演じる甲賀幻妖斎、子供心になんて怖くて憎らしかったことだろう。金目教編で死んだと思われた幻妖斎が卍党編で生きていたと分かったときの驚きと、怖さ。<天津敏>という名前は強力にインプットされた。ヤクザ映画でも、時代劇でも、現代劇でも<天津敏>を見つけると、なんだか得した気がしたものだ
 水戸黄門の第五部で鉄羅漢玄竜を演じていたが、シリーズとしては秀逸ではないだろうか。鉄羅漢玄竜がひたすらご老公一行を追ってくる。それが不気味で、なんだか強そうだ。僧侶の格好をして、笠の下からあの眼でぎろりと見られた日には、テレビの前でびびったものである
 赤影は先日、DVDで全話発売された。せめて金目教編と卍党編は欲しいなあ…と財布と相談する毎日である(2002.8.11)