タイトル 病院坂の首縊りの家
公開年 1979年
配給 東宝
市川崑監督、石坂浩二主演シリーズの最終作。「犬神家の一族」(1976年)本作まで、一貫して美しい映像で凄惨な事件が描かれた。どの作品も女優さんが本当に奇麗に映し出されている。特に本作の佐久間良子さんは美しい。日本女性の美の象徴のようだ

出演:石坂浩二、佐久間良子、桜田淳子、草刈正雄、あおい輝彦、小林昭二、加藤武、三条美紀ほか

佐久間さんは本当に奇麗。で、芝居の一つ一つに情念が感じられる。ぞくぞくするくらい妖艶

 CSで24時間金田一耕助を堪能していた。TVで放映されるときは、何度でも観ちゃうんだよね。筋も犯人も分かっているんだけど(笑)何度見ても、面白い。小説から入ったが、この映画シリーズと、古谷さんのTVシリーズには燃えたもんなあ
 本作は、唯一映画館で見損ねた作品。他の4作品も、他社の八つ墓村、悪霊島も映画館で観たのに。すごく心残りだったので、TVでやるとやたら観てしまう。佐久間さんの演じる弥生奥様が奇麗で、奇麗で。あああああっていう表情にくらくらしちゃう。連れ合いもくらくらしていたようだが。また、桜田淳子ちゃんがいいのだ。オカッパヘアの淳子ちゃん、こちらも、すごく奇麗。その二人に挟まれて不幸な一生を送る冬子を演じた萩尾みどりさんも奇麗。奇麗な人ばかりで、うはうは(笑)
 本シリーズは美しい女優が犯人役を演じるのでも話題になった(そのため獄門島などは原作と犯人を変更した。女王蜂はちょっと捻っているが)。高峰三枝子さんや、岸恵子さん、佐久間さんなどが血しぶきを浴びる、その様子がまたぞくぞくするくらいいいのだ。当時、主演の女優さんはいわば、大物、殺人犯の役などやったこともないため、ずいぶんと葛藤があったようだ。監督に説得されたとはいえ、最初におやりになった高峰さんはえらい。彼女が犯人を演じたことで、後に続く岸さんや、司葉子さん、佐久間さんは演じやすかったのではないだろうか
 2時間ドラマでも女性が犯人という設定はよくある。が、犯人に殺人の動機というものが曖昧なのだ。だが、本シリーズはそれそれの犯人に説得力のある理由付けがある。もちろん、殺人を容認するのではなく、そうしなければならなかった哀しさを観る方も感じられるのだ。ああ、そういえば、彼女たちは皆、自らの手で死を選ぶ。金田一耕助、名探偵の割に検挙率低し(笑)だって、犯人、みんな死んでますもの。毒物2、飛び降り、入水、ピストルでの無理心中…「しまった〜〜〜」といいつつも、彼は犯人の哀しみを受け止め、死を選ぶ手助けをしているような気がしてならない
 さて、2006年12月、リメイクされた「犬神家の一族」はどんなもんだろう。実はとても楽しみにしているのだ。久々に映画館に行こうかなあ
 ちなみに、同じ役者さんが違う役でご出演が多く、続けてみたときややこしかった。なので、チャートの小部屋に本シリーズに複数作出演された役者さんのリストを作ってみた。視聴のご参考にどうぞ(2006.11.5)