タイトル ルパン三世カリオストロの城
公開年 1979年
配給 東宝
ルパンVSクローンに続く、映画版第二弾。アニメファンの間では評判が高かったが、興行収入的にはイマイチだった。だが、旧ルパンと同じく、じわじわと人気が出てきて、今や不朽の名作となる。DVDも近年、やっと発売された

声の出演:山田康雄、納谷悟朗、小林清志、島本須美、井上真樹夫、増山江威子ほか

永遠のヒロイン、クラリス。可愛くて、芯が強くて、でも儚げ。ルパンもノックアウトの美少女ぶり

 そういえば取り上げてなかったな、カリオストロ…あまりにも想い出が詰まり過ぎている本作。作画監督の大塚康生さんからセル画や資料をいただいた経緯は[カリオストの城博物館]をご覧いただきたい。そう、わたしにとっての青春の一作は、迷わずこれ。なにせ、いろいろ想い出が多すぎるのだ
 当時、友人のつてで五右衛門役の井上真樹夫さんと親しくさせていただいていた。同人誌をやっていたこともあり、井上さんにカリオストロのアテレコの模様を伺った。喫茶店でお茶をしながら(それも井上さんにご馳走していただいて)楽しいお話を聞かせていただいて…日比谷映画で行われた有料試写会の時にもお見かけして、手を振っていただいたり。う〜ん、アニメオタク最高潮の頃、ものすごく楽しい想い出。また、その数年後、映画館でバイトしたご縁で、そこの支配人さんに「なんかオールナイトの面白い企画ない?」と言われ、本作を推薦。ならばルパン繋がりでVSクローン、大塚さん繋がりでじゃりん子チエ、何故か翔んだカップル、ねらわれた学園の5本立てとなり、上映。それが満員御礼となってえらく感謝された。もちろん、その晩は映画館で。企画協力のお礼として友人たちも無料で見させていただき、楽しい夜を過ごした(もはや、わたしにはオールナイト上映に堪えうる体力はない・笑)
 有料試写会の場では入場者にセル画を配布していた。そう、当時、セル画はおまけ感覚。あまりプレミアなんかついていなかったのだ。もちろん、ぼちぼちセル画収集を熱心にする人々も出ていたが、いたってのんびりしたものであった。そうじゃなかったら、わたしがあんなにいただけるはずがないものね
 本作を見ると、当時のあの何とも言えない甘酸っぱい気持ちが甦ってくる。若くて、思慮が浅くて、でも勢いはあった当時の自分。それが恥ずかしくもあり、懐かしくもある。なんだか、想い出コラムになってしまったが、もしも本作をご覧になっていない方がいたら、ぜひ見ていただきたい。漫画映画の楽しさをぎゅっと詰め込んだ、笑えて、どきどきして、そして切ない秀作。見て損はないと思うよ(2005.4.30)