解熱鎮痛薬

医薬品名
構 造 式
常用量
作用
副作用
特徴
アセトアミノフェン
アセトアミノフェン
1回量300mg
1日量900mg
視床下部の体温中枢に直接作用して、皮膚血管を拡張し、熱放散を増大して体温を下降させる。また、中枢性の鎮痛作用がある。 過量投与で肝臓、腎臓、心筋の細胞が壊死との報告。アナフィラキシー様症状、血液疾患。Stevens-Johnson症候群、ライエルLyell症候群。
長期投与はさけること。
大衆薬の小児の風邪薬は、ほとんどの場合解熱鎮痛薬としてこれを使用。
アスピリン
アスピリン
1回500mg
1日2〜3回
細胞内でのプロスタグランジンの合成を阻害し、その固有の作用(発熱)を抑え、薬効を発揮すると考えられている。ショック、アナフィラキシー様症状、Stevens-Johnson症候群、ライエル(lyell)症候群、喘息発作の誘発、消化管出血他。 よく用いられるバファリンは、アスピリンに合成ヒドロタルサイト等を配合したもの。
医療用では、血小板凝集阻害作用を治療に利用している。
エテンザミド
エテンザミド
1回50-200mg
1日2〜3回
アスピリンと同様の作用によると考えられている。
長期・大量投与で腎臓肝臓障害。発疹・浮腫・喘息発作。食欲不振、悪心、嘔吐Stevens-Johnson症候群、ライエル(lyell)症候群、他。大衆薬では、単独で用いられることはなく、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどと配合され、解熱鎮痛効果が高まることが知られている。
イブプロフェン
イブプロフェン
1回150mg
1日量
450mg
プロスタグランジンの産生を抑制し、その作用を抑えて効果を発揮する。ショック症状、血液疾患、Stevens-Johnson症候群、ライエル(lyell)症候群、腎不全、消化器疾患、肝機能低下、喘息発作誘発他。特に炎症初期に効果が大きい。子宮付属器炎や、月経困難症にも適用される。
イソプロピルアンチピリン
イソプロピルアンチピリン
1回150mg
1日300mg
(他の鎮痛剤と配合される場合)
プロスタグランジンの産生を抑制し、その作用を抑えて効果を発揮する。
ショック症状、発疹、浮腫、Stevens-Johnson症候群、ライエル(lyell)症候群、血液疾患他。大衆薬領域では、単品で用いられることはなくアセトアミノフェンなどの鎮痛薬やアリルイソプロピルアセチル尿素などの鎮静薬と配合されている。

注意(1)ここで示した常用量は大衆薬領域で普通に用いられる量で、医療用に用いられる薬用量というわけではありません。
注意(2)Stevens-Johnson症候群とは皮膚粘膜眼症候群ともよばれ、皮膚の典型的な滲出性紅班のみならず、口腔粘膜、外陰、眼粘膜を同時におかすことを言う。
注意(3)ライエル(Lyell)症候群(又はライ症候群)は、中毒性表皮剥離症といわれ、はじめ、顔、体幹、四肢に突然痛みを伴ってびまん性の潮紅または紅班を生ずる。皮膚のみならず、内臓器官を同時に犯すこともある。


プロスタグランジンとは


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