抗炎症薬(1)
医薬品名
構  造  式
用法・用量
作用・効能
副作用
ブフェキサマク
(非ステロイド性)
軟膏、クリーム5%。
大衆薬では2.5%。1日数回患部に塗布。
非ステロイド系で抗炎症効果を示す。ウイルス系の皮膚炎症の場合にはステロイド系では好ましくない場合があるので使用する。また、アトピーのステロイド減量療法にも用いる。発赤、丘疹、浮腫、腫脹、局所刺激感、熱感ほか。
グリチルレチン酸
(非ステロイド性)
軟膏1〜2%。
配合薬として広く使われている。1日数回塗布。
湿疹。神経皮膚炎。皮膚そう痒症。
抗アレルギー作用、抗炎症作用。これらは、ヒドロコルチゾンと似た構造のため同様の作用が現れると考えられるが、非ステロイド性抗炎症薬に分類される。
皮膚の刺激感など。
ヒドロコルチゾン
軟膏、液剤1%。1日2〜3回塗布。副腎皮質ホルモン剤として、湿疹、皮膚炎群、そう痒などに用いる。真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱など。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
酢酸ヒドロコルチゾン
1%クリーム。1日2〜3回。 副腎皮質ホルモン剤として、湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。
真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱など。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
酪酸(らくさん)ヒドロコルチゾン
軟膏、クリーム0.1%。
大衆薬は0.05%。1日1〜数回。
接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ほか各種湿疹。ヒドロコルチゾンより強力な抗炎症作用を有している。真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫班、皮膚刺激感、口囲皮膚炎ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
デキサメタゾン
軟膏、クリーム0.05〜0.1%。大衆薬は0.025%。1日1〜数回。副腎皮質ホルモン剤として、湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
酢酸デキサメタゾン
軟膏、クリーム0.05〜1%。大衆薬は0.025%。1日1〜数回。 副腎皮質ホルモン剤として、湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。抗アレルギー作用もある。
抗炎症作用はヒドロコルチゾンより強力。
真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
プレドニゾロン
軟膏、クリーム0.5%。
抗生物質が配合されているクロマイ−P中では0.3%。
接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、ほか各種湿疹。ヒドロコルチゾンよりやや強力。 真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
酢酸プレドニゾロン
医療用では眼軟膏として0.25〜0.5%。大衆薬では皮膚炎薬として0.125%。副腎皮質ホルモン剤として、湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
吉草酸酢酸プレドニゾロン
軟膏、クリーム0.3%。大衆薬では0.15%。1日1〜数回塗布。副腎皮質ホルモン剤として、湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。酪酸ヒドロコルチゾンよりやや強力で、吉草酸ベタメタゾンと同等の効果がある。 真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
トリアムシノロンアセトニド
軟膏、クリーム0.1%。
大衆薬では、口内炎など口腔粘膜に使用。1日1〜数回塗布。
副腎皮質ホルモン剤として、抗炎症、抗アレルギー作用が強力。口腔の真菌性、細菌性感染症の誘発。口腔に感染を伴う場合は使用しない。口腔に付着させて使用する製剤の場合は、飲み込まないこと。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
フルオシノロンアセトニド
軟膏、クリーム0.025%。1日1〜数回塗布。抗生物質配合の場合(フルコートF)も0.025%。副腎皮質ホルモン剤として、抗炎症作用が強力。各種湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。 真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹、皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫班、口囲皮膚炎ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
吉草酸ベタメタゾン
軟膏、クリーム0.12%。副腎皮質ホルモン剤として、抗炎症作用が強力。各種湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹、皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫班、口囲皮膚炎ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。
プロピオン酸ベクロメタゾン
軟膏、クリーム0.025%。1日数回塗布。 副腎皮質ホルモン剤として、抗炎症作用が強力。各種湿疹、皮膚炎群、そう痒、虫さされなどに用いる。
真菌性・細菌性・ウイルス性感染症の誘発。眼瞼皮膚への使用で眼圧亢進、緑内障。皮膚の刺激、発疹、皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫班、口囲皮膚炎ほか。大量、長期使用をさける(2週間以内)。

注意1)副腎皮質ホルモンは、すべて同じような副作用があると考えてよいので、次のことに注意してください。
   1)化粧下、ひげそり後に使用することのないように。
   2)長期連用により、紅班、丘疹、毛細血管拡張が現れることがあるので、とくに顔面への使用には注意する。また、漫然と使用しないこと。
注意2)顔面に使用する場合は、分子構造中にフッ素(F)が含まれてないもをつかうこと。


抗炎症薬分子立体構造

副腎皮質ホルモンとは

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