名 称 | 構 造 式 | 用法・用量 | 作用・効能 | 副作用・注意 |
センナエキス センナ末 |
マメ科の植物Cassia angustifolia(センナ)の小葉からエタノールを用いて抽出したエキス。成分にはセンノシドA,B(下図)、センノシドC、Dなどが含まれている。なお、センノシドAとセンノシドBは下図の10と、10’の位置の立体異性。 大衆薬ではエキスでなく葉を粉末にしたセンナ末を使う場合が多い。 |
1回80mgを就寝前服用。 センナ末の場合1回就寝前0.4〜0.7g。 | 主としてセンナエキス中の、センノシドA,Bの作用による。大腸粘膜およびアウエルバッハ神経叢に作用して大腸の蠕動運動を促進、かつ水分の吸収を抑制して便通を促す。 |
ときに、嘔吐、腹痛など。 妊娠している女性は大量投与はさける。授乳は回避すること(乳児に下痢) 連用による耐性の増大などのため効果が減弱するため連用をさける。 |
センノシドA,B | ![]() | センノシドA・B(又はそのカルシウム塩)として1回12〜24mg。 | 大腸粘膜およびアウエルバッハ神経叢に作用して大腸の蠕動運動を促進、かつ水分の吸収を抑制して便通を促す。作用は、約8〜10時間後に発現。 |
ときに、嘔吐、腹痛など。 妊娠している女性は大量投与はさける。授乳は回避すること(乳児に下痢) 連用による耐性の増大などのため効果が減弱するため連用をさける。 |
硫酸マグネシウム | MgSO4・7H2O | 1回5〜15gを多量の水とともに服用。 | あまり吸収されない塩類で、内服すると、腸内水分及び分泌液の吸収を妨げ、また逆に腸内硫酸マグネシウム溶液と体液とが等張になるように水分を体内から腸内へと移動させる。その結果、腸管内に水分が貯留し、腸壁は刺激され、蠕動運動が亢進して下痢を起こす。 | 大量投与で、マグネシウム中毒(熱感、血圧降下、中枢神経抑制、呼吸麻痺等)。妊娠中の女性の場合吸収されたマグネシウムイオンは胎盤を通過するので新生児に高マグネシウム血症。 |
硫酸ナトリウム | Na2SO4・10H2O | 1日2〜6g程度。最大15g。 | 難吸収性で、硫酸マグネシウムと同様な作用で塩類下剤となる。効力は硫酸マグネシウムよりやや劣るが、不快味が少なく、吸収されにくいなどの利点がある。 | 悪心、腹痛、長期大量投与で心機能,腎機能障害など。 |
ヒマシ油 | トウゴマRichinus commnis Linneの種子を圧搾して得た脂肪油。 | 1日最大20ml。 | 小腸で胆汁酸共存下、脂肪酸分解酵素の作用を受けて一部加水分解され、グリセリンとリシノール酸ナトリウムになる。粘膜に対して著しく局所刺激作用をもち、そのため腸管の蠕動を亢進し瀉下作用を起こさせる。 |
悪心、嘔吐、腹痛など。 即効性ですので就寝前はさける。 妊娠している女性はさけること。 |
グリセリン | CH2OH−CHOH−CH2OH | 浣腸用。1回50%液30ml〜60ml。 | 直腸内の水分を吸収することに伴う刺激作用により腸管の蠕動を亢進させ、また、浸透作用により糞便を軟化、潤滑化させることにより排泄させると考えられている。 | 過敏症、腹痛、腹鳴、腹部膨満感、直腸不快感ほか。 |
ビサコジル | ![]() | 1回最大15mg。 | 主として、次の3つの作用による。結腸,直腸の粘膜に選択的に作用し、蠕動運動を促進する。腸粘膜への直接作用により、排便反射を刺激する。結腸腔内における水分の吸収を抑制し、内容積を増大する。 | 腹痛、腹部不快感、発疹ほか。 |
ピコスルファートナトリウム | ![]() | 1日1回5〜7.5mg。 | 胃・小腸ではほとんど作用せず、大腸細菌由来の酵素により加水分解を受け、活性化され腸管粘膜への腸管蠕動運動の亢進作用、水分吸収阻害作用により瀉下作用を示す。 | 虚血性大腸炎、腹痛、悪心、嘔吐、腹鳴、腹部膨満感、蕁麻疹、発疹ほか。 |