個別改善編その二 |
個別改善の展開-1 |
[右手に自主保全、左手に個別改善 ] 自主保全の活動が軌道にのり、前章の設備、作業総合効率の把握でロス構造が明確になる、 いよいよ個別改善の展開となる。ところが自主保全活動で手いっぱいのところで個別改善はとても出来ないと現場からの反応がある。 そこで筆者は「右手に自主保全、左手に個別改善である片手落ちはだめ」と言っている。なぜならば自主保全の活動で設備の不具合を復元してくると、チョコ停や加工不良などの不具合は自主保全の活動だけでは行き詰まってくる。そこでこれらを個別改善の名のもとに現状把握と解析をきっちり行い改善する必要を感じる。また個別改善に取り組む事により、さらに設備の構造や加工の原理を学び、不具合の見方がより深くなり自主保全の活動にフイードバックされるからである。 自主保全は活動の工数の割りには成果が現れるのにかなり時間が掛かる。しかし平行して個別改善を実施することにより即成果が現れるため、全体の活動に拍車を掛けるきっかけにもなる。 |
[点、線、面、立体の改善 ] 設備総合効率を阻害する7大ロスや、人の能率阻害ロスの個別改善はそれぞれの工程そのものの改善すなわち「点の改善」である。さらに粗材納入から加工〜検査〜停滞〜組立〜停滞〜出荷とそれぞれのの点と点を結んだラインの流れを阻害するロスの改善、すなわち「線の改善」へと拡がりを持つ事になる。「線の改善」の改善の延長には工場全体の「面の改善」、さらには会社全体の「立体の改善」へと拡がりを持つ事になる。 以上の改善の拡がりと改善内容を表で現すと以下のようになる。 点の改善 加工・組立各工程 ・設備総合効率阻害ロス改善 ・直接作業能率阻害ロス改善 ・工法・検査方式改善 ・工程レイアウト改善 線の改善 納入〜加工〜出荷 ・管理ポイント削減 ・物流・在庫・生産改善 ・ラインレイアウト改善 ・準直業務効率化改善 面の改善 工 場 全 体 ・生産管理システム改善 ・工場レイアウト改善 ・資材・エネルギーロス改善 ・間接業務効率化改善 立体の改善 会 社 全 体 ・開発・営業・購買の改善 ・財務体質改善 ・組織の効率化改善 ・リストラクチャリング |
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