[TPM活動推進全般]

TPM活動の特色
日本プラントメンテナンス協会の提唱するTPM活動の定義、理念に基づいて、筆者の見方でTPM活動の特色を整理すると,以下のようになる。 
1.生産活動における“全てのロスをゼロにする”目標で取組み、さらにロスを未然に防止し、極限効率化を目指す活動である。 
2.活動の考え方と手順(ステップ)が明確になっている。 
3.トップから一線オペレーターまで全員参加の活動であり、各階層で物の見方、考え方が変わる企業の体質革命である。 
4.活動の目標レベルが高く、あらゆる技能と生産技術が格段に向上する。 
5.現場・現物・現実的現状把握・原理・原則の6ゲン主義である。
 以上の特色をもつTPM活動は、生産現場の設備保全を基盤として、オペレーターの技能を向上させ、災害ゼロ、不良ゼロ、故障ゼロを目標に、生産活動のあらゆるロスをゼロにする活動として生まれた。具体的には8本の活動柱(自主保全、個別改善、計画保全、初期管理、品質保全、教育訓練、間接部門効率化、安全衛生)をシステマチックに展開する生産部門の総合活動として発展してきた。その活動の特徴が従来の運動体にない現場、現物、現実的であることから多くの企業に受け入れられた。
しかし,TPM活動が全てではない。TQCの特色である管理技術面や、製造の現場管理面、また世に言うJIT活動面、などについてはTPMの活動領域から弱点であると言える。 
TQC活動の管理技術をベースにして、TPM活動で固有技術のレベルを上げることと,JIT活動を組み合わせて活動することによって、さらに相乗効果が生まれる。 さらにTPM活動のパート1(TPM優秀賞の受審まで)で約3年の期間を費やすことから、最初の1〜2年は改善成果が薄く、活動経費が掛かるため, 例え3年目は大きな費用対効果が生まれると分かっていても、厳しい客先原価低減要請のなかで、正直なところ目先の経費節減でなかなかTPMの導入にふん切れないという弱点もあるが、経費をかけないで大きな成果を上げられる活動があったら教えて頂きたいものだ。
 いづれにしても、いろいろな思いでTPMを導入し,TPM優秀賞やさらに継続賞特別賞をとられた会社は素晴らしい成果を上げて、まさに日本的もの作りの代表する
工場になっている。TPM活動は世界に誇れる日本的生産を作り上げる運動体といえる。       

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