*情報提供のお願い*
熊井基氏の曾祖父は越前藩士田中五右衛門といい、上野の山の戦で敗れ、祖父長吉の代から会津藩士の出であった曾祖母の熊井姓を名乗ったそうです。曾祖父五右衛門は祖父長吉に、「江戸屋敷で生まれたこと」・「越前国には田中家代々の立派な墓があること」・「同じ田中家に代々庄屋を務める一族がいた」ことを言話されていた。その戸籍簿を昭和8年頃に福井県役場で閲覧したが、「田中家の当主は小学校教員で、台湾に赴任」されていて、その後の消息がいまなを分からないとのこと。福井県の田中家で、台湾に教員として赴任されていたことのあるご先祖をお持ちの方がおられましたら、熊井禎臣宛までご一報ください。

(管理者注) 『田中姓に隠された謎』という「全国の田中家」に関するホームページを発見しました。しかし越前藩士田中五右衛門に関する記載はありませんでした。


拝復
貴下の11月7日付けのお便り大変に興味深く拝見いたしました。
お送り頂いた熊井姓市町村分布一覧表をみて、長野県北部や北九州の小笠原藩に熊井姓が多い理由は、塩尻熊井合戦の敗北で北に移った人々と、破れた小笠原藩に従って北九州に渡った人々の後裔であると、歴史は語っているように思いました。
清悦物語(「熊井姓の由来」熊井太郎忠基の項を参照してください)による熊井太郎の記録についても歴史的事実であって、虚構ではないように想像しています。
日本に幾つか熊井の地名があります。東南アジアのボルネオ島南部の港にKmai(南緯3.23東経112.33と南緯2.44東経111.43と南緯3.00東経111.43の三地点:禎臣調べ)の地名があります。徳川時代にご朱印船が通っていた港です。関ヶ原の後に海外で活躍した武士達の名残ではないかと想像しています。
スマトラの古い地図にKumai RiverやKmaiという地名がありました。私が北海道大学理学部中谷宇吉郎研究室にいたころ、「Kumai Riverの研究」というセミナーがあり、戦争中私がスマトラにいたので、「心当たりはないか」と教授から尋ねられたことがあります。徳川時代初期に活躍した熊井武士の名残のように思っています。私たちの戦争体験を同封します(『満ソ国境とスマトラの防衛』熊井基著 国立国会図書館GB554−G1290)。
米国の熊井姓はBeatrice Bayley著「The Kumai Family Heritage Book」によると、カリフォルニア州に18家族、ハワイ5家族、アラスカ1家族、バージニア州1家族、及び我が家のニュ−ヨ−ク州1家族です。この本には氏名住所も記載されています。
米国や日本で開かれる国際学会で、私は熊井姓の研究者に会うことがあり、お互いに先祖の地を尋ね、歓談することがあります。私と同姓同名の研究者がいて、ボストンはMITの私の娘の研究室を訪れました。娘が「あなたは私の父と同姓同名です」と語ると、「なるほど、国際学会の席上で、あなたは雪の研究をしていますか、と尋ねられたはずだ」と奇遇に驚いていました。
私の本籍地は長野市松代で、昨年帰国した折に長野市に赴き、熊井貞勇さんのご案内で、熊井恒次さん及び弟猛とともに、大岡村川口の墓地に参り、感無量でした。
熊井太郎忠基が仁平2年(1152)に生まれ、それから850年余、この間にその子孫がいかに増加して、世界に広まり今日に至ったか、その歴史に大変興味があります。
今朝当地に雪が降りました。寒さに向かう折、ご自愛のほど願いあげます。敬具


拝復
札幌と同緯度の当地はようやく新緑の美しい季節になりました。ただいまライラックの花が満開です。
昨日お葉書を拝見いたし、貴下にはお元気で、熊井姓が多い埼玉県と福岡県の資料を収集している由、夢は各地の熊井家一族が一堂に会して情報を交換しあう全国大会を開きたい趣き承りました。
かって、私は文藝春秋でベンジャミン・フランクリンの子孫たちが胸に名札を付けて世界から米国に集まり、一堂に会したという記事を読んだことを思い出しました。筆者は、その子孫の一人である日本人で、800人が集まり、楽しい会合であったと記してありました。
知人のアメリカ人が、アメリカに集団で移住してきた一族郎党に手紙を出したら、300人が一堂に会して、楽しい思い出になったと私に語りました。どこに集まりましたかと尋ねると、キリスト教会ですといいました。長い歴史を持つ熊井一族の交流は盛んになるであろうと想像しています。
先に貴下より送って頂いた父上様、御祖父様、御曾祖父様方々の写真を拝見いたし、身近な感じがいたしました。熊井太郎忠基系図に大変興味がありました。「清悦物語」と「深瀬のでくまわし」は初めて読みました。
最近、弟から郵送してきた”熊井一族”のコピーをお送りいたします。敬具                     2004年5月15日    Burnt Hills、NYにて  熊井 基






戻る