メモ書き(1980年頃のもの)


焦点を絞って詳細な描写を。
 作文はカメラに似ている

事実を事実として書くこと

知らないことは書くな

バイキング式はご免だ。洋食の順番(構成を考えて)で。

○大切なのはものの見方
 自分と他人の違いを書け。
 パターン化してはいけない。
 見たり感じたりしたことの中から、何を書くか。
 自分の考え、感じを整理して、個性的なものを選び出す。
 新味のあること

まとまっているが叫びがない。

スッパリ割り切った作文を。

説教調、覚悟調はさける
 結末というのは、いわば「さようなら」の挨拶。
 何で覚悟や決心がいるのだろう

思い出は思い出でいいのだけれど、またこの場合継続した思い出を
 大切なのは今であり、過去はすべて今の説明でしかない

考えていること、感じていることを精一杯に書く
 他人が読んでいて、嬉しくなってしまうような文章

○課題作文とは、他人とは違う自分独自の考えを、分かりやすく書いて、これが私でございますと示す文章。
 人柄を知る
 特異なテーマを探す おざなりのテーマではいけない
 ぶつ切れの文章を

書き出しと結末のバランス

ピント合わせ。ピントが合ったら、なるべく深く絞る。
 文章のテーマとは被写体。被写体が悪くてはいい写真はできない

一般論でなく、君自身の具体的な議論で。
 無駄でも損でも、考えたり感じたりして、その中から試行錯誤を繰り返す。そのひとこまを文章にするのが作文

○とにかく自分の頭で考えること。
 何を考える? まず自分のことだ。人生だ。人間いかに生きるべきかだ。
 自分を書くこと。
 可能な限り自分の意見、自分の経験と即するようにする

○事実を具体的に
 誰が、いつ、どこで、何をしたかを的確に。
 具体的事実を的確に書く
 デッサンをしっかり

大切なのは君自身の、あるいは君の家族の歴史である
 君が一番知っているには、身の回りのことだ。
 人様に語れるようなことは、年に一度あるかなしかも知れない。
 そんなことは誰も承知。堂々と些細なことを書いたらいい。
 人生は悩み多い。
 そんな雑多な考えや悩みをふんだんに盛り込めばいいのだ

○省略して十分用が足りることを知っているくせに、文章になると省略がすくない
 例えばこんな書き方。
 「左手に茶碗を持ち、右手の箸を使って、米を炊いてできた飯を食べる」

「ファッション」の課題なら、「ファッション」を通したものの見方。
 「雨」といったら何を感じ、何を考えるか?
 そのバラエティの中に、君自身がある。
 君自身の頭の働きやら、人柄やら、好みやら、すべてが現れる。
 それを読み手は知りたいのだ

管理者注
『読む技法 書く技法』(島内景二:講談社現代新書)から

文章が「立ち上がる」ためには、どうしても「具体例」が必要なのである。ひとつでも多い方がいい。
 抽象的論理を読み手に納得してもらうためには、具体的な事例に即して説明したほうがよいのである。

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