人間一人が一日に吐き出した二酸化炭素(g)は、木材何sに固定されたか?(試論)

 1人の人間が1日に吐き出している二酸化炭素の量は約480gで、生木を焼いてできる炭(炭素)の量は、全体の重さの約25%であることが知られています。

 またppmとは、1000000分の1即ち0.000001、百分率に直せば、0.0001%を意味します。現在大気中の二酸化炭素量は370ppm

 それでは早速、上に上げた3つのキーワードをたよりに、1人の人間が1日に吐き出した二酸化炭素が、木材何sに固定されたかの計算をしてみましょう。下の表がその計算式です


 計算に入る前に、もう一度、前にも述べました「化学の約束ごと」を確認しておきましょうね。

 @いかなる種類の物質も、その1mol(1グラム分子)は(6.02×10^23)個の分子を含みます
  例えば、酸素分子Oは、酸素原子2原子から成るから、その分子量(分子の重さ)は32(16×2)で、これを1molといって(6.02×10^23)個の分子を含んでいることになります。
  
 酸素も、炭素も、二酸化炭素も、1molの個数はどれも同じく(6.02×10^23)個。違うのは重さ、炭素は12g、酸素(O
)は16g×2、二酸化炭素は44gといった具合です。

 Aすべての物質の1mol同数(6.02×10^23)の分子からできていて、それが気体であれば、どの気体でも0℃、1気圧でほぼ22.4 を占めています。
 
 この「化学の約束事」さえしっかり頭に入っていれば下の表は簡単に読みくだすことができます。
 
 

化学反応式 CO
分子数関係 1分子 1分子 1分子
物質量関係 1mol 1mol 1mol
(1×6.0×10^23) (1×6.0×10^23) (1×6.0×10^23)
質量(g)関係 1mol×12g/mol 1mol×32g/mol 1mol×44g/mol
12 32 44
体積(g)関係 1mol×22.4/mol 1mol×22.4/mol 1mol×22.4/mol
22.4 22.4 22.4
体積(g)関係(人間1日) 480 480 480
物質量関係(mol)   
 (体積÷分子質量22.4)
21.4 21.4 21.4
質量関係(g)    
(質量×物質量)
257 686 943
木材炭素含有量(%) 25
木材量(g)      
((質量×100)÷炭素含有量)
1,029
木材量(Kg)  1
(木材材木1sに含まれる炭素は、大気中のどのくらいの二酸化炭素量から固定されたのか?)
ppm 二酸化炭素量(L) 大気の量(L) (1L) 大気の量(m^3) 一辺の長さ
370 0.00037 480 1,297,297 (0.1m*0.1m*0.1m) 1,297 10.9


 
 370ppmの二酸化炭素が存在するということは、大気中に二酸化炭素が0.00037%(百分率では0.037%)含まれているということになります。

 上記化学反応式は、結論として、木材1kgには二酸化炭素480gが固定されたことを表しています。

 したがって求める大気の量(g)は129729g(480g÷0.00037%)で、これを立方b(1gは10p×10p×10p)へ換算すれば1297立方bという

ことになります。

 1297立方bの立方根を計算すれば、約10.9bが一辺の長さ。 つまり一辺が10.9bの立方体の大気中から、植物が光合成によって、二酸化炭素(9

43g)を使って木材1sに含まれる炭素量(257g)を固定したことになります。

 あわせて686gの酸素を生み出していることにも注目してください。

 ある方がHPで「1000立方メートル中(辺の長さ10b の立方体)の炭酸ガスを固定している」との説明がありましたので、「10.9bではないか」との、我な

がらいささかマニアックな質問をしたところ、「都会の人達になるべくわかりやすく説明したいと思い 大雑把な数値を使用しています。11mでも10mでも大し

た違いはないという感覚です。」とのごお返事をいただきました。

 でもね、 一片が10.9bの立方体なら1297立方b。10bだと1000立方b。この1000立方bで木材1kgに固定された二酸化 炭素の量を再計算する

と、480gではなく300gになり、11mと10m、たった1mの違うだけで、ここまで大きな差がでてしまうのですが……。


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