経営分析のすすめ
創業社長ばかりでなく大学を出たはずの二世・三世社長たちにとっても、営業や商品開発ならともかく、どうも会社の数字を見るのが苦手だという人が多いようです。
詳伝社黄金文庫のベストセラー『黒字をつくる社長 赤字をつくる社長』(税理士林田俊一著)でも、赤字をつくる社長は「計数に弱い」と喝破しております。
数字は顧問税理士にまかせ、社長は営業に専念する、と割り切って考えるのも一法かとも思いますが、顧問税理士といえども、彼らには沢山の業種に顧問先がありますし、特定の業種に対しては、限られた、それもごく一般的な助言しかできないのが現状です。
しかし、いつ果てるともない不景気の時代こそ、企業として生き残り続けようとするなら「数字に弱いから」といってすまされるはずのものではないのです。
自己の経営の失敗のすべては、過去の営業報告書、損益計算書、貸借対照表、利益金処分・勘定明細書の中に胚胎されております。これまでの経営分析をしてみれば、自分が「最小の費用で、最大の利益をあげる」という経済学の常識をいかに無視して過ごしてきたかに気づくはずです。
そして、それが分かったら、初めて勘定科目ひとつひとつの明細にまで、吟味検討してみるのです。そして同業他社よりも高い付加価値を得るため、即ち参入障壁をできるだけ高めていくために、、「不必要なものを削り去る」ことと「必要なものを加える」という二つの操作を継続的に行っていくことから、はじめてこの不況を乗り切るための道筋が見えてくるのではないでしょうか。
私もかっては簿記がわかりませんでした。私の経営分析の手法は、税務署の監査や銀行の融資担当者との対応のなかで、「提出した決算書と付属明細書を見ているだけで、どうしてこの人たちはこんなことまで分かるのだろうか」という疑問を解きほぐす中からはぐくまれてきたものなのです。
運送会社の二世経営者として、これまで税務署査察官あるいは銀行融資担当者と対応してきた中で経験し会得した計数管理の手法を、このHPに関心をもたれたみなさまへ、内緒でお伝えたく思っています。