北アルプス3000m峰5座の登頂
北アルプスを楽しむにも色んなルートがあります。一般的には、山頂に上がり尾根を縦走するのが楽かもしれませんが(小屋泊りが主体になる)、テント泊を主体にするので、敢えて大キレットのリスクを回避する為にここを使わず夫々のピークを踏むとなれば、この選択はある意味ではかなり健脚向きで、体力勝負かもしれません。この斬新な発想、アルプスの全てを見る事からすればかなり贅沢な選択といえましょう!
尾根歩きと違い常に下から上からあらゆる角度で堪能できるし、北アルプスの容姿が常に頭に叩き込まれながらアルプスの麓をテントを移動させ、夫々アタックするのですからね〜。(^^)
こういう選択になった経緯は、お盆という山小屋の混雑が嫌で、しかも山行前に発生していた台風9号の動向も気になり大キレットを重い荷物を担いで縦走するには、少しリスクが大き過ぎるのではないかと判断したのも一つの要因です。
勿論、Eメールで三人が何度もプランを練り直し決めたのですから、絶対自信もあったし安全登山を心がけていたから、無事楽しい山行になったのは間違いありませんでした。しかも我々の計画を後押しするように台風9号も大きく急旋回して太平洋上に去ってしまい、その後山の天気も好天続きになったのは、云うまでもありません。
今回の山行計画や全て食材など手配して頂いた薫さん、本当に有り難う御座いました。そして紅一点のKemさん、とても楽しい山行になり、有り難うございましたm(__)m
今回四泊五日の山行だけに写真も沢山掲載したいので、レポートは2回に分けてします〜。(^^)
【山 名】北アルプス 北穂高岳槍ヶ岳南岳縦走
【日 程】H12.8.13(日)〜16(水)
【メンバー 】薫さん、Kemさん、森の音
【行 程】
8/12 阪急豊中駅20:30集合→名神吹田IC〜松本IC→
8/13沢渡2:30着→上高地6:15出発〜涸沢14:30着(テント泊)
8/14 涸沢5:30〜北穂高岳8:15〜涸沢11:15〜横尾14:50
〜槍沢ロッジ16:50〜槍沢テン場17:25着(テント泊)
8/15 槍沢5:15〜槍ヶ岳山荘8:30着〜槍ヶ岳9:10着〜大喰岳10:40
〜中岳11:35〜南岳13:10〜南岳小屋13:30(小屋泊)
8/16 南岳小屋5:45〜天狗原分岐7:52〜槍沢8:25〜横尾11:40
〜上高地13:25〜沢渡→入浴後帰阪21:30
【地 図】エアリアマップ 1/50,000 「上高地・槍・穂高」 昭文社

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8月12(土)〜13日(日) 涸沢までの移動
豊中駅に全員20時30分に集合。一路深夜の名神高速、中央道を交代で運転しながら沢渡に到着。
沢渡駐車場には数台の車が入っていた。上高地には直接入山できないので、ここからバスやタクシーで行かなければならない。しかも釜トンネルの通行は6時からなので時間待ちである。ここで仮眠とする。
突然、窓をコンコンと軽くたたく音がするので、寝ぼけ眼で外を見ると係りの人が、お帰りはいつですかと聞く。
16日と告げると、別の駐車場に移るからと誘導される。その駐車場から約2〜3分離れた民家の裏に駐車を変える。
駐車代四泊で2000円。まあ〜こんなものか(^^)
河童橋から明神岳を望む
この駐車場に入れた何組かのパーティーが特別仕立てのマイクロバスで直接上高地に入る。バス代一人1000円。
早朝にも関わらず朝の大正池からバスターミナルまでの散策道を歩く人達が大勢いた。気持ち良さそうだ。
上高地バスターミナルで荷物の配分を行い、いざ涸沢目指して出発。河童橋で少し記念撮影。
久し振りに担いだザックの重量約20キロ弱、最初は何とも無かったが歩くうち肩に食い込んでくるようだ。(^^)
勿論、最後までこの荷物ではなく、テン場にデポして山頂にはサブザックで登る為のものも用意している。
明神、徳沢まで明神岳の岩峰を仰ぎながら梓川を溯るような樹林の道が続く。ここまで約2時間。徳沢キャンプ場は賑わっていた。
前穂高岳を望む
更に横尾まで1時間10分、何ともはや長いアプローチだ。横尾からは涸沢に行くコースと槍ヶ岳に行くコースとの分岐点だ。
左に前穂や奥又白谷や屏風の耳が頭上大きく立ちはだかっている。この荒々しい岩峰を見ていると圧巻すら覚える。
我々はここから涸沢までの左のコースになる。やっとここからが登りに入る。前の時は雨だった。今回は天気良好(^^)
時折コオニユリやニッコウキスゲなどの花々がチラホラ見え隠れするようになる。左に屏風岩が大きく被さってくるようだ。
涸沢キャンプ地より後方は屏風の頭
見事な岩峰だ。ロッククライミングする人には魅力的そうだが、かなりレベルが高そうだ。誰も岩に取り付いていない。
本谷橋で軽く休息の後本格的な登りに入る。肩に食い込むザック、両ストックを操りながら何とか前進を続ける。
休息タイムも30分に1回取らないととても持たない。喘ぎながら足を前に進める。
やっとの思いで涸沢小屋テン場に着いた。一人500円のテン場代を払いテントを設置。
今日はうどん鍋のメニュー。以前この場所でこの味が忘れられないとの薫さんの希望でKemさんが早速作り始める。
夕暮れになり外はポツポツ雨が降り出したが、台風の影響でもなさそうだし、楽しい宴会が続く。

8月14日(月) 涸沢から北穂高岳への登頂、そして槍沢までテン場の移動
涸沢岳の夜明け
涸沢の夜明けは実に素晴らしい。前に聳える前穂高、涸沢岳、北穂、そして涸沢カールなどが段々色づいてくる。
素晴らしい絵になり、写真の被写体にはもってこいのところだ。余りにも大きくカメラ1枚には収容できないくらいだ。
4時起床で5時スタートの予定が少し遅れてしまった。5時30分スタート。
少し腹に入れておいた方が良いとの考えで、食べ物にチト時間を費やしたからかな〜(^^)
北穂までの登りは急登だ。荷物もサブザックに代え最低必要なものだけに絞っている。
だから、この急登もあまり応えない。昨夜サロンパスで足の手入れもしたお陰かな?(^^)
振り返れば涸沢テント村が小さくなっていく。朝の日差しが強くなってきた。Kemさんが日焼け止めクリームを急遽塗った時
うっかりと腕時計を岩場に置いたまま忘れてしまった。途中気がついたが引き返すにはあまりにロスタイムが大きいので
そのまま前進。帰り同じ場所を通るので期待をかけたお陰で無事残っていた(^^)
梯子や鎖場では、団体さんがいると少し渋滞するので軽い休息も取れる。
高山に咲くシナノキンバイの群生
どんどん高度を稼いで行く途中、奇麗なお花畑が随所に現れ、写真を撮る時間についつい掛かってしまった。
お二人さんには誠に申し訳なかったが、私にとってこのチャンスを逃す訳にはいかなかった。
出来るだけ素早く撮ったつもりでもやはり遅れがちになる。文句も言わず黙って撮らせてくれたお二人、本当に有り難う。
やはりこういった場合、少数のパーティーならではかも。いや優しい仲間で良かったm(__)m
北穂の山頂には、8時15分に着く。
一部ガスが掛かっていたけれど、おおむね良好。大キレットは迫力があった。残念ながら槍ヶ岳は最後まで顔をみせずじまい。
尖がった北峰・南峰も立派で、それに取り付いているクライマーもまた立派。でも恐そ〜〜!
北穂高岳山頂より大キレットを見下ろす
山頂で何枚もの写真を撮り、ゆっくりと一時を過ごす。
本来なれば、荷物が軽ければ大キレットを縦走しても大丈夫だろうが、やはり初日の荷物でここを通過するには、かなり岩場慣れしているか、腕力に自信なければ難しい。今回の選択が正しい事を痛感する。
上から臨む大キレットを岩場や梯子を通過している人達をはっきり肉眼で確認できたからだ。

この後、再度涸沢に下り、テントを撤収し次のテン場槍沢までエンヤコラヤと重たい荷物を下げて移動する。
食べ物が少しはなくなっているから軽くなったかな〜と思ったが、あまり変化なしのように思う。
涸沢の標高が2300mで横尾は1620m、槍沢が1900mそこそこなので割と平坦に近いと思っていたが結構長い。
横尾まで戻り、槍沢キャンプ場まで行くつもりが、結構時間がかかり槍沢ロッジに着いた時、既に16時50分。
かなりバテバテになっており、三人の合意で空いていたらここで小屋泊りしようとしたが、一杯のため土間に寝なければならないとの事。しかも素泊まり5500円。これに反発心が湧き却って元気を貰ったぞ〜。
ビール500L4本調達しそこから30分離れたキャンプ地まで最後の力を振り絞る。(ー_ー)

この続きの続編は、こちらをご覧くださいm(__)m

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