多摩モノレールのハード

多摩モノレール1000系車両

多摩モノレールは日本跨座型、アルウェーグ型と呼ばれ一番多く見られます。
車両性能は加速が3.0Km/h/s、減速が4.0Km/h/s、
非常ブレーキ時は減速4.5Km/h/s、最大登坂能力は60‰(パーミル)
車両設計速度は80Km/hですが通常の最高運転速度は65Km/hです。
105KWの交流3相誘導電動機を編成で12台、制御は電力回生ブレーキ付きの
VVVFインバーターで架線から直流1500Vの電源を受けて駆動します。
ブレーキは回生ブレーキ付き電気指令式電磁直通空気ブレーキ、
空気ブレーキはディスクブレーキを採用。
保安装置はATC(自動列車制御装置、車内信号機付き)で運転は
ワンマンによる左手ワンハンドルマスコンによる手動運転も可能ですが、
通常はATO(自動列車運転装置)による自動運転です。

多摩モノレールの運転装置、通常は自動運転で乗降扉を閉めて安全を確認後
画像右下の丸い緑色のボタン2つを同時に押すことで発車、加速して行きます。
路線の速度制限で自動的に加減速制御され次の駅の停止位置にピタリと停車します。
ディスクブレーキが走行タイヤ軸ではなく、減速ギャのモーター側に付いているためか
停止後に少しボョヨ〜ン・・と車体が前後するのはご愛敬。(^_^;)

駆動用タイヤの上に乗っているのは当時の私の電話機。
多摩モノレール車両のタイヤ、大きい方が車体重量を支えると共に駆動用のタイヤです。

寸法はE13.50/85R16、直径1006mm、幅341mmのチューブレス・スチールラジアル、モノレール専用、一本で5.5tの耐荷重。

小さい方が案内、安定輪用でE2.00−15の18PR、こちらはバイアスタイヤ。
モノレールの軌道はPC(プレストレスト・コンクリート)で標準は22m。
画像は駅構内の物で鉄製の桁です、走行面のすぐ脇のパイプにATC関係の信号線が通して有ります。
その下の途中で切れている板状のレールは接地レールで、駅構内に入ってきた車両の接地端子と接触し、車両に電位が乗るのを防いでいます。
そのすぐ下は電源供給用の架線で両側に有ります。
軌道桁のジョイント部分、コンクリートと言えども温度変化で伸縮しますのでジョイント部でそれを吸収するのは通常の鉄道と同じです。
左がコンクリート製の桁、右が鉄製の桁です。
コンクリート桁はATCの信号線が桁内部に引き通されていて露出していません。
狭く見えますが桁(レール)の幅は800mmあります。

母線から架線への給電部
給電用の架線は耐摩耗性も必要ですが、その分材質により電気抵抗が大きくなり末端では電圧が落ちてしまいます。
その為軌道のしたに平行して給電用の電線(母線と言います)を配線して所々で画像の様に架線に給電します。
架線の支持部と絶縁碍子です。
画像は展示見本ですが、これがコンクリート桁の両面に設置されています。
この架線に直流1500Vの電流が流れます。
架線の断面、実際に車両の集電パンタグラフが接触するのは左の銅色の部分です。
支えはアルミ合金で、見本は斜めですが実際には水平に付いています。
比較のため私の電話を乗せてみたのですが、側で見ると大きい物です。
跨座式モノレールのスイッチ(ポイント)です、通常の鉄道用に比べて動きが大きく構造も複雑です。
営業線では画像のタイプ可撓型(連続的に緩やかに曲がる)を使用。
車庫構内では段階的に曲がる多関節型が用いられます。
これは冬季の間連結器に取り付けられる雪かき用のブラシです。
通常はレール走行面より少し離れていますが、降雪時には運転室からの空気圧操作によりエアシリンダーでブラシを下げ、走行面に積もった雪を排除します。

現在はコンパクトになり連結器の下に納められています。

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