湘南モノレール
大船・江の島間を結ぶサフェージュの実用路線。

車 両


湘南モノレールの主力500系
湘南モノレールはサフェージュ式(懸垂型)モノレールとして昭和45年3月に大船・江の島間(6.6Km)で営業運転を開始しました、懸垂型のモノレールとしてはパイオニア的存在と言えるでしょう。
三菱関連会社(沿線に三菱電機の工場も有り)と京浜急行等が合同で会社を昭和41年4月に設立したとのこと、路線は当初試験線的な考えで作られた様です。
現在の主力は500系、3両編成で先頭車も中間車も12.75mと同じ、これは新型の5000系も同じ長さで車体の幅も共に2.65m・・千葉モノレールより少し広め、400系は先頭車が13mと少し長いですが中間車は10.17mと短め、登場当初は2両編成だったとか。。
5000系の入線で1編成残っていた400系車両は定期運用を離れて予備車的な存在になった模様、400系500系は直並列と弱め界磁制御の抵抗制御と電車の教科書的な構造、5000系はVVVFインバーター制御・・主電動機出力は構造の違いは有りますが同じ55Kw、400系はちょっと出力が高く70Kw・・これは500系と5000系が全車両電導車なのに対し400系は中間車が電動機の無い付随車だからなのかも知れません。
大船駅に入ってくる湘南モノレール500系車両、編成は3両編成、路線は全線単線で運転されます。
400系車両もまだ1編成在籍していますが5000系の入線により予備車的な存在に。
500系の運転台、ちょっと年代を感じさせますがマスコンとブレーキの2ハンドル、鉄道車両そのものと言った感じの運転機器ですね、ブレーキは全電気指令式、5000系は右手操作のワンハンドル式の模様、今度撮影したい所です。
保安装置はATSで、加減速のポイント、運転速度の制御は運転手に委ねられます。

制限は75Km/h程度と見られ通常70Km/h付近まで加速します、乗ってみると路線に高低差やカーブも多く変化があり結構豪快に走ります・・、遊園地の下手なアトラクションより面白いかも。
500系の客室、懸垂型なので車体の下側がすぼまっていますが座席はセミクロスタイプ、出入り口横はロングシートになっています。

貫通路は有りますが乗客は非常時以外通行禁止で渡り板も中間に隙間があります。
もっとも走行時の揺れ方、車体の動きを見ていると走行中に渡る気にはなりません・・(^^;)。
列車は全て2マンで車掌さんは駅(無人駅)での切符回収の為頻繁に渡りますが・・。
始点終点は自動改札ですが途中駅は全て無人駅になっています、駅の出入り口は駅により違うので車掌さんは忙しく動き回ります。
台車部分を撮影したかったのですがホームからではこれが限度、主電動機の一部と案内輪、台車と車体を結ぶリンクが見えます。

案内輪の横に見えるレール状の物は帰線側の架線です、+側の架線はレールの真上に設置してあります、架線電圧は直流1500V。

後から解ったのですが反対側の先頭車は行き止まり部より正面からの画像が撮れる模様です
車体の連結面、棒状連結器で半永久連結、車体間の横揺れ防止の為のローリングダンパは付いていません。
その為大きく揺れる事が有るのかも・・。
制御方式は直流直巻き電動機の抵抗制御。
画像は屋根上に設置されている抵抗器、一応カバーが付いていて、レールの下なので直接雨は当たらないと思いますが殆ど丸出し・・主制御器やエアータンク、コンプレッサ等も屋根上に有り普通の鉄道車両を裏返しにした様な構造です。

抵抗器右横の赤いキャップは元ダメエアータンクの安全弁と見られます。
冷房装置はもちろん屋根上・・。
湘南深沢と西鎌倉の間にある車両管理所、点検修繕も行っている車庫、右側は500系、左側は400系。

各駅のホームには400系用と思われる乗車位置表示も有る事からラッシュ時には出てきたのでしょう、5000系の登場で姿を見ることは出来なくなったと思われます。
400系の全面、運転席の窓の大きさや、赤いラインの塗り分けに違いが見られます。
湘南モノレールの事業用車、路線の点検、補修に使われている物と見られます、左に同タイプの車両がもう一台あり、マフラー(消音器)が見える事からエンジンを動力源として走行、架線を停電させての修繕などを行うのでしょう。
沿線風景
大船駅を出るとしばらくは道路の上を走ります、規定の高さは確保されているとは思うのですが高さが低く感じられます、路線バスなどが来ると屋根をかすめて通る感じ・・直線区間では80Km/h位の速度を出しちょっとスリルが楽しめます。
路線の始点からの距離、勾配、曲線半径はレールの支柱に書かれています。
走ってくるモノレール車両を道路から見るとこんな感じに・・やはり低く感じますね。
下を走る道路、信号機も車両に干渉しない様かなり低い位置に設置されています、見慣れていない為違和感がありました。
列車交換(列車の行き違い)設備が有る中間駅の例、真下に道路が走りこの駅は相対型ホーム。
ホームからの床?がペラペラに薄く見えますが直接荷重が加わる訳では無いのでこれで良いのでしょう。

この駅は対面型ホームですがどちらかと言うと島型ホームの駅が多く見られます。
アルウェーグ式と違いホーム下の床が近いので防護柵は有りません。
単線の途中駅の例、中間駅は全て無人駅で車掌と運転手が協力して集札(切符の回収)に当たります。
発券は自動発券機が設置されていますが乗客のモラルに任されている部分も多く感じました。
路線にはこんな区間も・・地面すれすれで住宅の軒先をかすめて走ります、途中切り通しを抜けたり道路のカーブ、勾配に沿って走るので右に左に上に下にと路線に変化があり乗っていて興味が尽きません。
路線には2ヶ所トンネルが有ります、画像は大船から見て一つ目、湘南深沢駅とと西鎌倉駅の間に有るトンネルに飛び込んだ所。
結構な速度でカーブを曲がりトンネルに入るため画像のように大きく揺れます。
レールの支柱と車両の貫通扉の角度で傾きが解ると思います、ただ台車のダンパーが効いているので何時までもブラブラ揺れることは無くスッっと落ち着きます。
目白山下駅を出て直ぐに有る二つ目のトンネル、トンネル内の下り勾配を一気に下ると終点の江ノ島駅に滑り込みます。
  江ノ島駅から大船方向を見るとトンネルが口を開けているのが見えます、割と高速で下り一気に減速・・そのまま駅へ、ちょっとスリルがあります。
湘南モノレールを乗り歩いていて気が付いたのはホームの下3ヶ所に必ず有ったコレ。
この時は解らず後で知ったのですが、コレはクーラーのドレーン受けとの事でした。
クーラー使用時に出る水を垂れ流すと路線の構造上道路にまき散らす事になり、車はまだしも歩行者にかかる事もあり得ます。
そこで走行中は車体側に溜めておき、駅に到着するたびにここへ排出する様になっているのです。
推測ですが排出バルブの開閉は乗降扉の動作に連動しているのでは?。
湘南に行くことが有りましたら利用してみてはいかがでしょう・・片道全線で300円、ちょっと料金は割高ですが・・。
往復するのであれば一日乗車券を買うと良いでしょう、途中下車も自由に出来ますので・・。

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