行って来ました北海道、今度は1人旅。(3)


さて、6時18分定刻に急行はまなすは札幌に到着、2000年夏にはその後札幌の地下鉄(ゴムタイヤ方式)に乗ったのですが今回は逆コースをたどる事として特急のライラック号に乗車、指定券は取らずに自由席に収まる事に、早朝の列車なので車内販売は望めそうもないので駅の売店で朝食を仕入れておいた・・この判断は正解だった。
乗車して気が付いたのは学生さんの利用客が多い事・・しかも女子、定期券で乗れる事、短区間なら手頃な特急料金が設定されているのだろうか?、快適な車内である人はパンをほおばり、またある人は教科書やノートに目を通す・・。

急行はまなすで札幌到着時には天気も回復し晴れ間も見えていたのだが、特急ライラックで東に向けて走っていたら雨に追いついてしまったのか雲行きが怪しくなり窓ガラスに水滴が。
ほとんど飛び乗りに近い状態で乗り込みましたが、車内検札もフリー切符を見せて”滝川まで利用します・・”と伝えるだけでOK、何となく得した気分に・・。
ライラック1号は軽快に飛ばし1時間弱で乗り換え駅の滝川に到着しました。

今回この特急ライラックに乗って驚いたのは車体番号900番台が示す試作車だったこと、2000年夏に逆コースで滝川から札幌まで皆さんと乗車した編成と同じだった・・まさに再会である。
ライラックの運転本数は多く、編成も多く有るので1編成しかない試作車に2度も当たるのはかなりの偶然と言えるでしょう。
(厳密に言うと先頭車は試作車ではない可能性があります、点検整備の関係で編成中の車両を組み替える事が有るからです。)



781系特急電車、交流区間専用で試作車は昭和53年に作られ激寒地仕様として作られ北海道で色々な試験が行われました。
以前の特急車両は本州で使われていた485系交直流電車を耐寒地改造(改造後は車体番号に1000番をプラス)して用いたのですが、やはり力不足で冬はトラブルが多く専用の車両を開発、今回も私が乗ったのはそれの試作車でした。
車体番号に781−901の様に900番の数字が付き量産車と区別されます、試作車を製作して色々な環境でテスト、試運転を繰り返しその時に発生した問題点を解決し、量産車にそのデータをフィードバックさせる役目が有ります、役目が終わると量産改造と言われる改造を施して後の量産車と仕様を合わて同じように運用されます。


ライラックも定刻に滝川駅到着、ここからは1両のディーゼルカー、快速のキハ40系のお世話に。
滝川駅8時06分発、20分程度の待ち合わせは列車本数から見れば短い方でしょう、私が乗った時はガラガラだったのが発車間際になったら高校生がどっと乗り込んできた、丁度通学の時間帯になっているのだ、車内に男子生徒の太い声?が飛び交う、姿は皆さんトレーナー(ジャージとも言う?)・・制服と言うのが無いのかそう言う日なのか・・。
ほぼ満席の状態で滝川駅を滑り出す、車体重量の割にエンジン出力が小さいので加速は鈍いが変速段から直結になるとスー・・と速度が出ていく、北海道のキハ40は空気バネの台車を履いているので乗り心地は良い、レールは細めでジョイント音も大きいが私としてはその方が列車に乗っていると言うのが実感できて良いのだけど、この様なローカル線でもロングレールが増えたのでちょっと寂しい、しかし乗り心地や騒音、メンテナンスを考えればローングレール化の方が良いでしょう。

帯広方面への快速狩勝号は日に2往復有りますが1往復はこのキハ40が、もう1往復は軽快型気動車のキハ150が運用に入ります上りの1本は釧路始発の普通列車が直通し308.4Kmを走り通します、2000年夏に乗ったのはそのスジでした。
逆に夕方の下りは帯広泊まりの快速で上りと下りでは運転区間が違います。
今回乗ったのは同じ快速でも富良野止まりで、富良野にて旭川から富良野線を走ってきたキハ150に乗り換えて帯広まで向かいます。

以前の国鉄時代にはこのキハ40や普通列車一般型の気動車は橙色一色に塗装されていました、その名残か窓のサッシの隙間からその橙色の塗装が見えます、今のカラーはJRになってからコーポレートカラーにもなっている黄緑色のラインを入れた塗装になりました。



キハ40系気動車、車体は大型でバリエーションが多く日本各地のローカル用として走っていますが、ここのは北海道仕様で、窓は2重、デッキ付き出入り台を装備。
客室内は出入り口付近がロングシート、中程が固定ボックスタイプのクロスシートで”セミクロス”と呼ばれている構造。
本州のキハ40は台車にコイルバネを用いた物が使われていますが、北海道のキハ40は雪の噛み込みを防ぐ為空気バネの台車を履きます、車軸のバネにはコイルバネが用いられていますがやはり冬の雪をかみこまない様に薄いゴムのカバーが巻かれています、空気バネの為乗り心地は上々。
この気動車キハ40系ですが、それまで国鉄型気動車は日本全国で標準ながら設計の古いDMH17H型(排気量17000cc、水平置き8気筒)と言う180馬力のエンジンを普通列車から特急までが使っていました、確かに安定し使い慣れたエンジンですが180馬力では力不足・・。
それで新型の軽量で馬力をアップしたDMF14H型(排気量14000cc、横置き6気筒)エンジンを開発しました、出力は220馬力。
それを40系気動車に搭載したのですが、車両を重装備にした関係で車体重量が重くなってしまい、かえって機関出力に対しての車体重量が旧型気動車に比べて小さくなると言う結果に。
その為勾配に弱いと言う欠点が・・起動してからの中間加速もちょいと怠い、しかし変速段から直結段に入り
ると高速域までスーッと伸びて行きます。
国鉄時代からの気動車は変速操作は運転手が手動で行う方式で、変速段(トルクコンバーターで変速)で発車し速度が35〜40Km/h程度まで加速したら直結段に切り換えます。
直結段はコンバーターを使わずエンジンの駆動軸がそのまま推進軸に繋がれます、エンジンの回転数が低い内はあまり効率が良くありません。



軽快気動車キハ150に乗り換えです。