行って来ました北海道、今度は1人旅。(2)

3時間弱の乗車でやまびこ25号は盛岡駅に時刻通りに滑り込みました、2000年夏と全く同じスジに乗っているので車両も同じ、はつかり25号は交流直流両用の特急電車485系3000番台ニューリアル車、一部の列車は青函トンネルを抜けて函館まで足を延ばします、しかもトンネル内では140Km/hまで速度を上げます。
国鉄時代の車はしっかり作られているので整備をしていけばかなり長い期間使われます。
この車も種車の面影は残りますが客室内等は新車と同程度に仕上げられています。
右側は盛岡駅東北線ホーム、いま止まっている特急車両よりも昔懐かしい客車が似合いそうな雰囲気が残ります、屋根の支柱などは古いレールの再利用、左端の飲み物の自動販売機の明かりが妙にまぶしく感じます。



485系交直流特急電車、架線が有れば何処へでもと日本の架線電圧と周波数全てに対応、直流の1500V、交流の20000V50Hzと60Hzと3種類の方式に対応します。
もっともこのはつかりは直流区間に入ることは有りません、スーパーはつかり用のE751系車両は交流専用となっています。
画像の車は3000番台の車体番号を付けていますが元々は485系の寒冷地仕様1000番台の車でした、ニューリアル改造を受け2000番プラスされて3000番台の車体番号となりました。
ニューリアルされてデビューしたのは1996年の4月、6両編成で運用され、青森寄りの先頭車は半分がグリーン席となっています。
新車同様の姿ですが台車、主電動機(走行用モーター)、電動発電機やコンプレッサーなどは種車のままで、改良はされていますが構造上摺動部分、摩耗部分が有るのでメンテナンスには手間と時間がかかります。
直流区間では直接1500Vを用いますが、交流区間では自車に搭載している変圧器(トランス)で20000Vから降圧し整流器にて直流の1500Vに変換して用います。
直流直巻電動機を直並列組み合わせ抵抗制御、発電電気ブレーキ(減速ブレーキ時に運動エネルギーをモーターで発電し自車の抵抗器で消費させ熱エネルギーとして発散してブレーキとします)と言う、電車の教科書の様な構造の車で何か乗っていて安心出来るのですが、この辺りのバランスが今後も使用していく上での問題になると思われますね。

はつかりに揺られて約2時間、青森駅に到着、昔は青函連絡船に走ったのですが今では列車が結びます、2000年夏と同じく数少ない急行、しかも夜行列車”はまなす”夏の時ははつかりの遅れで乗り換え時間が短く機関車が撮影出来ませんでしたが今回はしっかりGet。
函館までは青函トンネル専用のED79に牽引されます、ご覧の通り正面には大きなドラえもんのイラスト、夏には客車の窓にもステッカーが貼ってありましたが流石にそれは剥がされていました、でも車体と天井にはイラストが残っています。
はまなすは急行ですが特急の北斗星よりも停車駅が少なく、所用時間もさほど変わりません、編成の中に2両B寝台の14系が連結されています、指定席はグリーン車のシートを設置したドリームシート車、1両はごろ寝ができるのびのびカーペット車、自由席は簡易リクライニングシートが付いた車両で通常は7両編成ですがシーズンにより増減出来るのが客車列車の良いところ。
ただ車両検査の関係でドリームカー、カーペットカーが組み込まれない時が有るので要注意、残念なことに時刻表では解りません。


函館で機関車をED79よりディーゼル機関車DD51に付け替えて進行方向も変わります、機関車は通称”星ガマ”と呼ばれる北斗星用塗装の機関車でブルーの塗装になっています。
客車の座席は青森出発時に進行方向に向いていますが函館からは逆になります、しかし夜間なので座席の向きを変える乗客は見られません。
はまなすは程良い速度で軽快に走っていきます、ただ加減速の時に発生する衝動には困りもの、ウトウトしていても目が覚めてしまいます。
札幌には翌朝の6時18分に到着、北斗星利用より4時間ほど所要時間が短いのは新幹線の威力でしょう。
北海道に入って明るくなった頃は雨模様だったのが札幌到着後に回復し明るくなって来ました、太陽がまぶしい!!。

夜行列車も良い旅の雰囲気を醸し出してくれますがせっかくの車窓が楽しめません、次回は明るい時の海峡線を楽しみたい物です。
かなり海沿いを走っていると思えるのですが・・。



ED79型交流電気機関車、海峡線青函トンネル用のATC−L信号システムを搭載した機関車でJR貨物所有の車両を除き、同じ交流電気機関車のED75−700番台から改造された車両です。
最高運転速度は110Km/h、交流型機関車の滑らかな制御を生かしD型(動輪4軸)の出力1900KWながら直流電気機関車のF型(動輪6軸)に匹敵する牽引力を発揮します。
本務機の0番台と重連補機用の100番台、JR貨物に所属する機関車は新造車で50番台の車体番号、塗装もJR貨物色になっています。
本来は海峡線専用ですがJR貨物の機関車は運用の効率化の為盛岡まで走る事も有ります。
100番台の機関車はATCの関係で単独での海峡線走行は無く、必ず重連の函館寄りに連結され使用します。



DD51型ディーゼル機関車、各地の未電化幹線で蒸気機関車を淘汰するために作られた感じの機関車です、重連総括制御(先頭車の運転操作で重連された補機をリモートコントロール)も可能で最高運転速度は95Km/h、凸型の車体で両端にはDML61Z型機関、排気量61000cc、V型12気筒ツインターボ、インタークーラー付きの1100馬力/1500回転のエンジンをそれぞれ1台、計2200馬力の出力を持ちます。
この機関車もバリエーションが多く旅客用にSG(簡単に言うと蒸気暖房の湯沸かし器)を搭載した物、貨物用でそれが無い物、細かく分けると大変。
変速機は液体変速機(トルクコンバーター)ですが、面白いのは速度のコントロール方法で、変速速度特性の違う低速用、中速用、高速用3種類の変速コンバーターを持ち、走行速度によりどの変速機にコンバーターオイルを入れるかで変速します。
停止中は全てのコンバータは空の状態で、走り出すときには低速用コンバーターにオイルを充填、エンジンを吹かして起動、速度が上がっていくと低速用のコンバーターから中速用、高速用のコンバーターにオイルを移して加速して行きます。



急行はまなす、座席車、寝台車共に14系客車で運用されます、14系座席車を寒冷地向けに改造し500番台の車体番号となっています、外観上は乗降口の扉が原型のバス型折り戸から雪の噛み込みの少ない引き戸に改造されています、他にも暖房の強化なども。
14系座席車は元々多客期(お盆、正月など)の臨時列車増発用(波動用)に作られた様な車両です、製造当初は簡易リクライニングシートを設置し特急車両と同等の客室でした。
同じ様に急行用として12系座席車もあります、こちらは座席が4人向きあわせの固定クロス(BOX)シートとなり、14系の固定窓に対しユニットサッシで開閉が可能な窓です。
どちらの車両も牽引する機関車を選ばなくても良い様に緩急車(乗務員室の有る車)床下に編成の暖房、冷房、照明用のサービス電源用発電エンジンを搭載しています、常時定格回転で回っているため車外では騒々しいです。
はまなすは青函トンネルが営業開始し、青函連絡船の夜行便と同じ様なイメージで設定された夜行急行で、B寝台が2両、ごろ寝が出来るカーペットカー、グリーン車用のシートを設置したドリームカー(座席指定車)、簡易リクライニングの自由席車と多彩な編成で運転されます。
この列車は上りとして青森到着後B寝台車を切り離し、快速海峡号として2往復運転されるのでカーペットカーとドリームカーには快速海峡の「ドラえもん」キャラクターシールが車体、車内、窓たくさん貼ってあります。
カーペットカーは指定席料金の300円だけでカーペットで横になれるのでB寝台よりお勧めなのですが、人気が有るため直ぐ満席に、指定席には中古ながらグリーン車のシートを装備していますので自由席よりは座り心地がよいでしょう。
急行列車ですので、残念ながら青春18きっぷでの利用は出来ません。



ライラック号に乗り換えです。