H゛、feelH゛、AirH゛、AirH"Phone、EDGEやPHSって何だろう?


PHSとはパーソナル・ハンディフォン・システムと呼ばれている携帯電話のシステムです。
元々は家庭用デジタルコードレス電話機の子機としてスタートした物、それまでの家庭用電話機親、子機間の通話はアナログのためノイズが混じってしまったり音質も今一なのと受令機(受信専用の無線機)等により簡単にモニターされてしまう問題が有りました。
そこで盗聴されにくいデジタル方式のコードレス電話機が出てきたのですがこの電話機の子機を野外・・表に持ち出して使えたら便利で良いのでは・・が現在のPHSのスタートになりました。
最近では公衆で使う方が主となり家庭用のPHS用親電話機となる機種が無くなってしまったのが残念、しかも現在市販されている電話端末ではα-PHSの規格から外れディスプレイから公衆、家庭の文字も消え家庭用子機やトランシーバーとして使えない機種になってしまいました。
サービスを開始したのはDDIポケットとして1995年の7月に東京と北海道で、同じ年の10月に全国的にサービスをスタートさせました。
その後2002年に128kbpsパケットによるデータ通信サービスも開始されました、データ通信は従量式の64K/bpsの回線交換方式をはじめ、Eメールが使い放題になるタイプや32kbps(×1)パケット通信や128kbps(×4)パケット、256kbps(×8)が定額で使い放題になるコースも登場・・さらにブラウザ搭載の電話機も発売され画面は小さいですがパソコン向けページもしっかり閲覧出来るなど進歩を続けています、特に月額2900円でWILLCOM同士の音声通話が無料、Eメールも使い放題と言うコースは携帯電話世界では画期的な出来事だったかも知れません。

現在の電話機は
H゛と呼ばれる規格から始まりダイバシティアンテナやツインウェーブと言う機能と基地局の増強もあり移動中の通信に弱いと言われたPHSの問題点も無くなり高速のデータ通信と共に非常に快適なものとなりました。
その後発売された
feelH゛では画像は小さい物の専用カメラ”トレバ”にて撮影をした画像をその場からEメールにて転送する事も可能となりメールにも面白みを持たせる事が出来ました、今ではカメラを本体に内蔵し液晶ディスプレイの発色数や解像度も上がりカメラの性能も向上しました、現在では経営がWILLCOMに移ってからH゛では海外で解りにくいと言うことでEDGEと表記を改められました。
着信音も単音で鳴った知らせる・・から聞かせる物へ100種類を超える音色を用い16音〜32音の同時発音によるfeelサウンドとなり、最近の機種ではMIDIデータファイルをそのまま再生、着信音として使えたり端末のマイクにて録音した音を着信音として設定出来る機種も出てきました。
MP3データを専用サイトよりダウンロードしてMD並の音質で音楽を楽しめる端末も登場しましたが現在では音楽のダウンロードサービスが終了してしまい残念な所です、SDメモリーカードにより画像、サウンドの保存(機種により機能に差があります。)出来る機能を備えた電話機も有りましたが現在そのメーカーは業務統合で無くなってしまい同時に端末の新型も出なくなってしまいました、これも残念な事です。
PHS電話機が登場した当時に大手電話会社のコマーシャルで電話ボックスの後ろに並んでいる人達に「みんなを電話にしてあげよう・・」と言うキャッチフレーズの物がありました、電話機を気軽に持ち歩き公衆電話に並ばなくても良い・・と言うイメージでした。
通話料金で見ても”携帯型公衆電話”のイメージに近い感じで、表示部に出る”公衆”の文字がその名残だったのですがAir-H"Phoneではその”公衆”の文字も消えてしまい家庭用親機には登録出来なくなりPHSの特徴も消えつつあります。
データ通信が表に出てきたCMも多く見られますが通話用電話機としての基本性能、通話品質もさらに向上し、より良い音質で安定した通話も忘れてはいません。



さてそのH゛、feelH゛、AirH゛、AirH"Phone、EDGEやPHSの特徴と言うと。
PHS、H゛、feelH゛(フィールエッジ)、AirH"Phone、EDGEも携帯電話の一つなのですが何故かPDC(パーソナル・デジタル・セルラー、一般的な携帯電話)に比べて一つ下に見られてしまう感じが有りました。
確かに
PDCに比べると扱う電波は弱出力ですが”電波が弱い=通話品質が悪い”でしょうか?、では私が使って感じたPHS、H゛、feelH゛AirH゛、AirH"PhoneEDGEの特徴は・・。

1.通話時の音質が良くPDC特有の通話音声の遅延も無い。
人の声などアナログ音声をデジタルに変換(A−D変換)する時にサンプリングと言う方法を取りますが、カタログなどではPHSの場合32k
bps程度のサンプリング周波数だと言われています。
PDCで経験する通話音声の遅れも無く話しやすいのも良いですね。
(サンプリング周波数が高い程原音に忠実と言われ、音楽用CDで44.1k
bps、PDCでは5.5k〜11k程度と言われます、”ハード編”にも一部説明をしています。)
ただし、マイクの拾う音を何でもかんでも取り込んでしまうと”雑音”もきれいに?送ってしまうので、人の声を中心にフィルターをかけ余分な周波数を押さえる様になっています。

2.秘話性が良い
PHSの場合通話内容を秘話信号に変換していますが、その秘話信号は各通話ごとにランダムなスクランブルをかけるため、万一電波を傍受されても内容を聞き取ることはまず不可能では。(ただし、途中N社の回線を利用しているので万全とは言えませんが・・)
まあ、電話でそんなにアブナイ話はしないと思いますが聞かれずに済むにこしたことはありませんね。

3.データ通信が速い。
携帯端末(PHS、H゛、PDC電話機)を携帯型パソコンに繋ぎ野外でデータ通信をした場合(世に言うモバイル?)PDCの9.6k
bps(一部28.8Kのサービスも有ります)に比べ、今までのPHS端末で32kbps、H゛端末で64kbpsの通信速度をもちます、現在では128kbps(×4)、256kbps(×8)パケットの定額料金データ通信と、32kbpsの定額料金でのNet繋ぎ放題のコースも有ります。
9.6kでも
パケット通信でのEメール程度なら良いのですが・・・。

ブロードバンド全盛の世の中ですがモバイル機器で実際に使って見ると回線交換の32kbpsではメール、インターネトのブラウジングで音声やフラッシュなど動画が入っていなければ描画にそれほど速度のストレスは感じません、H゛の64k接続は家庭用のISDNとほぼ同じになるので快適さも増します、パケット方式ですが128kbps(×4)、256kbps(×8)しかもW-OAMの利用が可能な地域で対応端末を用いると最大408kbpsまで上がるとか、モバイルでは十分の速度だと思われます。(パソコンに繋ぐ為には別途PCMCIAのデータカードや機種によりUSBケーブルが必要、カード型のPHSやH゛端末も有り、パソコンにデータ通信機能を内蔵し端末を繋がなくても良いタイプも有ります。)

4.バッテリーが長持ち
親局、端末共にPDCに比べて送信出力が小さく、その分バッテリーが長持ちします。
待ち受けで600〜700時間以上(中には1000時間以上のタイプも)、連続通話も5時間以上可能な機種が殆どです。
ただ、電源を入れたまま端末を持ち歩く(移動する)と移動中に親局と電波のやり取りを繰り返しますので待ち受け可能時間は短くなります、私は毎日14Kmの距離を通勤で往復していますが10日間以上は十分に持続ちました、ただブラウザ内蔵の機種では電話機の消費電流が増えたのと小型化のためバッテリー容量が小さくなり待ち受け時間が少し短くなった様な・・。

5.自宅での子機として使用可能。
元々はデジタルコードレスフォンとして考えられたPHS、端末に記憶した電話帳もそのまま使え子機専用として使うとこれまた長い待ち受け時間と連続通話が可能に。
親機の設置場所にもよりますが、半径50m程度が家庭用の圏内になります。
ただ、現在ではPHSの親機として使えるデジタルコードレスフォンが無くなってしまったのと、α-PHSの規格から外れたAirH"Phoneでは子機登録も出来なくなってしまいました。
(私は親機を持っているので機種変更で余った端末を子機として各部屋に転がして有ります、庭先でも使えて便利!。)

6.トランシーバーにもなります。
ただし同じ親機に登録する事が必要ですが使って見るとこれまた便利、通話可能な距離は見通し距離で100m〜150m程度、100mなら一般道を複数の車で走っている時などでも連絡が十分にとれます。
「駐車場こっちに空きが有るよー・・」なんて言う連絡も・・。
もちろん通話料はかかりません、ただトランシーバーとして使うとバッテリーの持続時間がかなり短くなります。(それでも80時間程度は持続しますが・・。)
AirH"Phoneではこのトランシーバー機能もなくなりましたが代わりにグループモードと言う機能があり一部の機種を除いてこのグループモードにてトランシーバー的な使い方が出来ます。

7.現在位置の通知。
PHSは親局1機の通話可能範囲が小さい事を逆に利用し、端末を持った方が今どの辺に居るが調べられたり、いま自分がいる所から近くに有るお店、駅などが検索出来ると言う物、N社のPHSを使った”今ドコサービス”と言う物も有りました。
これは移動した先で親局、端末間で”位置登録”と言う電波のやり取りが行われる事と一つの基地局のエリアが小さい為可能な事、今この電話番号の電話機がどこの親局の電波が届く所に居るかをリアルタイムにサーチしているのです
現在はH゛と一部のPHS端末でこの機能を使った便利なサービスも有り、特にfeelH゛では地図によるナビゲーション機能も有ります。
複数の基地局とやり取りをして三角測量の様なイメージで位置を特定出来る様になり精度も向上しました、ただエリアの端など基地局密度が低くなると精度が落ちてしまいますが・・。
一部の電話機ではこの位置情報を使った簡単なゲームを楽しむ事も出来ます。

8.低料金。
(音声通話、メールの場合)
携帯電話も色々なコースが出来て以前に比べれば通話料も安くなりました、そこにWILLCOMは
定額2900円WILLCOMの電話同士、他社の070から始まるPHSでもお互いの距離に関係なく通話料無料、Eメールライトメールも無制限にどうぞと言うコースを設定しました、これは携帯電話業界にかなりのインパクトを与えたのでは?、しかも2回線目からは2200円の定額料金になり電話機が2台バックされて販売するパターンも出てきました、その為今使っている携帯電話はそのままでカップル間の通話専用に買う方も増えたとか・・用途に合わせて電話も使い分ける・・そんな時代が来たようです、結果的に2台持った方が出費を抑えられるとか、安くなったとは言えまだまだ携帯電話は通話料が割高なのですね。
ここで補足なのですが携帯電話の定額コースの場合は今契約している”基本料金”に定額料を上乗せして使うパターンになっていますがWILLCOMの場合は
基本料も消費税も全て込みの2900円です、この辺りが凄い所ですね。
またこのコースにデータ通信用の定額料金2100円をプラスすると32kbpsパケット通信ですがウェブ閲覧なども全てパケット料金が無料になるオプションも有り合計5000円の定額で通話、メール、ウェブ閲覧がそれこそやりたい放題?・・。

上記の定額コース出現で影が薄くなってしまいましたが定額コース以外では長期割引や、年間契約割引、複数回線割引をフルに活用してスーパーパックL(基本は5000円、その中に無料通話3000円が含まれています。)に契約すると基本料が数百円程度(でも無料通話3000円は変わりません)に換算できますね、私はデータ通信にパケットではなく64K/bpsでの回線交換方式(通信時間で課金される従量式)を利用しているのでこのコースで使っています。
他にはスーパーパックLLは12000円の定額で10000円分の無料通話が含まれます、しかもこのLL、長期割引、年間契約の割引を入れると9000円台になってしまいます、それでも無料通話は10000円のまま・・という変なコース。(^^;)
(ただし、通話料が定額なので少ししか使わなくても一定の金額が請求されますが。)
参考までに割引無しの標準コースで基本料が2700円/月、通話料は同一地域の場合で時間帯の制限を気にせず1分10円、ただ一回の通話ごとにあと10円かかりますが・・3分40円と言う所が目安でしょうか、スーパーパックLやLLのコースに契約している場合で相手もDDIポケットの場合は9円/分となります。
また、最近H゛、PHSから携帯電話への通話料も値下げされ1分40円程度になりました、下手をすると携帯電話のコースによってはH゛から携帯電話への通話の方が安くなったりして・・。
詳しくは私がどうこう言うよりも
WILLCOMのホームページをご覧になった方が早いでしょうか?、最近は料金コース設定が多く自分に合ったコースを探すのも大変かな・・。

9.地下街に強い。
H゛、feelH゛、PHSは親局の機器がコンパクトなので地下街や地下鉄構内にも設置しやすく、最近は他社の携帯電話も大分地下でも使えるようになりましたが、それ以上に地下ではPHSは使える所が多いです。
ともすると走行中の地下鉄車内でも着信する事も有りますので
マナーにご注意を・・。

良いところばかり書いてしまいましたが、親局の電波の出力が小さいが為、建物の奥の方では通話しにくい、出来ないと言う事も考えられます。(大きなスーパーの奥鮮魚コーナーが弱いですね)
ただ、最近は建物の中に小出力の基地局を設置し快適に使える施設も増えています。
また指向性の有る高感度アンテナの登場でPDCより建物の中でもしっかり使える場合も有ります。
H゛、feelH゛や既にPHSとは言えなくなってしまった
AirH"Phone、EDGEと言えども親局等のインフラ・・設備はPHSの物を使用して通話通信しますのでエリアはPHSと変わりませんが、高速道路沿い、レジャー施設も含めどんどんエリアが広がりより便利になりました。
山の中や富士山で使える電話と地下街で使える電話・・道具ですから使う目的にもよりますがどちらを選びますか?。

以前は移動しながらの通話に制限が有りました、親局の渡り歩き(
ハンドオーバーと言われます)が出来ない事も有り、これが”PHSは切れやすい”と言われる原因にも。(伝言程度の通話は十分できましたが。)
現在はその辺りを改良されたと端末と新型基地局、高感度タイプを含めた基地局の増備により移動中の通話、
ハンドオーバーも可能になりました、また親局システムの改良により今までのPHS端末でもH゛にはかなわない物の実用的に問題ない程度に通話が出来ます。(公共交通機関の中や運転中の通話はダメですよ。)

10.医療機器にも安全。
PHSやH゛電話機は扱う電波が弱いため電磁波も弱い、そのためPDC等の携帯電話で問題にななった医療機器への悪影響が殆ど有りません。
現在では看護士、お医者さんの連絡用に病院内の内線電話としてPHSが使われています、しかし一般には携帯電話との見分けが付かないので赤いストラップに
”医療用”と目立つように表記されたPHS端末をぶら下げているとか。
私たちはPHS、H゛だからと電源を入れたままにせず病院、医院に入る時は
”必ず電源を切りましょう”、無駄なトラブルも防げます。


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