無線エントランスシステムにより中継されている基地局。


無線エントランスシステムって?
WILLCOMの基地局は基本的にNTTのISDN回線(I’ライン)に接続されています、そのため市街地では良いのですが山間部の高速道路や幹線道路、リゾート地のスキー場やレジャースポットなど地形的にISDNを引き込むには費用がかかりすぎると言う場合に無線で中継してしまうシステムです。
別名、Radio Bypass System・・・RBSと呼ばれる事も有り、町中のロケーションが良い所にエントランスシステムのベース局を設置しそこから指向性の強い電波でISDN回線が引けない離れた所の基地局と通信のやりとりをします。
設置されている機器を見ると通常の基地局本体と同じ物が使われているため使用する周波数もPHSと同じ帯域と見られます、伝達可能な距離は9Km以下・・実際にはもっと遠くまで電波は飛ばせるのですが位相の問題で抑えている模様です。
ベース局には通常のアンテナも併設された物、ベース局単体の物、伝達距離を稼ぐため中継に専念する物と種類がありますが、まだベース付き基地局と中継専用局は撮影に行っていません・・ちっょと遠いので・・。(^^;
下の絵では矢印が片方のみに描かれていますが実際には通話や通信なので上り下りがあり双方向のやりとりになります

下の画像はWILLCOMの基地局でよく見かけるタイプですが直ぐ下まで近づいてみるとマスト(アンテナを支えるパイプ)の所に他の基地局では見られないお弁当箱の様な箱が付いています。




この基地局は仕事でよく利用する高速道路沿いに設置されていた物です。

画像はそのお弁当箱のアップ、この箱がエントランスシステムと言う無線中継器・・基地局側になります。
上の図の文と重複しますがWILLCOMの基地局はNTTのISDN回線に接続し運用されますが高速道路沿いなど人家から離れた所までISDNの回線を引っ張るのは大変・・その様な時はこの中継器を用いて電波で繋いでしまう様です。
ちょっと見ると一箱に見えますが実際にはPOCKETと書かれた箱の後ろにもう一箱有ります、アンテナ部と無線部の電気回路が別になっています。
中継器の実用到達距離は約9Kmまで・・実際にはもっと届くのですが電波と言えども進む速度が有り長い距離を飛ばすと電波位相のズレが問題になってくるのです。
推測ですがこの箱の中には4回線分の中継機器とアンテナが仕込まれているのでしょう。
通常基地局はは電源と通信回線2組の電線が接続されているのですがこの基地局を見ると電源用の電線しか配線されていません。(左上の画像)


上の画像は基地局本体(F型)、よく見かける”クッキー缶”タイプです、銘板を見ないと解りませんが、京セラの従動型(接続型)G3アダプティブアレータイプと見られます。


高感度指向性アンテナを用いた
無線エントランスシステム採用局。

 

自立柱、リフレクタ付き高感度指向性基地局、エントランスシステムタイプ・・長々と書いてしまいましたが無線中継式の基地局です、甲府盆地のレジャー施設の片隅に設置され、甲府の市街に向けてありました。
指向性型でエントランスシステムを利用した物は携帯電話基地局鉄塔に設置された例は以前に紹介しましたが自立柱タイプは初めて見た物で基地局本体は京セラ製接続型(F型)でした、ISDNのラインが来ていそうな地域なのですが・・。
右の基地局も同じく高感度指向性基地局エントランスシステムタイプ、上の基地局から1Kmほど離れた住宅地の中に設置してありました、同じく甲府盆地の市街に向けて有りました。
エントランスシステムの送受信ユニットは共に同じ方向にセットされ、その方向の延長線上に中継用の基地局がある物と推測されます。
その方向を車で探って見たのですが最大9Kmも離れている事も有るので残念ながら発見は出来ませんでした・・。
しかし・・。

(温泉に行った帰り道に設置場所への案内はDさん、有り難うございました。)


無線エントランスシステムの発信元と思われるベース基地局。

 

中継局の付いた基地局を発見できず、その帰り道に渋滞している高速道路を避け一般道を走っていて偶然見つけたエントランスシステムのベース局です。
天辺に付けられた小型パネルアンテナ、一組は少し下に向けられています、この中継局は住宅地を離れた谷の端に設置されアンテナはその谷の開けた住宅地に向けて有ります。
車で走っていてエントランスシステムタイプの基地局を見ることが出来ました、ベース局の発見は半ば諦めていたのですが思わぬ所での発見となりました。
アンテナ本体は以前に紹介した駅ホームで見た物と同じと思われます、推測ですが舞浜駅に設置された物もエントランスシステムの中継元局かも知れません。

聞いた話では通常の基地局に併設される場合が多いとの事でしたが今回発見した局は通常の通信機能は無くベース専用の局と見られます、見慣れた4本アンテナが設置されていませんので。
そこで気になるのはGPSマスター局からの同期信号はどの様に受信しているのかな?・・。

中継元局の支柱には3社製型のコンパクトな基地局本体(L型)が2台設置されていました、通常の基地局と同じ外観でおそらく動作そのものも同じと推測されます。
残念ながら設置場所が高く製造銘板を見ることは出来ませんでした。

←の画像はこの中継用アンテナが向いていた方向です、この方向に笹子の住宅地が有ります。


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