「午前中、空調が寒すぎると苦情があったんだから確認しに来たと言えばいい」
「でも、どうせ本人には会えなくて部屋の前にいるマネージャーと話をするだけだろう」
そんな会話をしつつ部屋を移動していき、5階のVIP用エレベーターホールへと続く扉の前までたどり着きました。
「大丈夫っすよね?」
「・・・あきらめる?」
やっばり戸惑ってしまったんですが、意を決してI君がその扉を開けてホールへと出た・・・んですが、次の瞬間に意外な出来事が私達を襲いました。
「あっ・・・・・」(I君&KAMIU)
「・・・・・・・」(スタッフ)
私達がホールへと出た瞬間、目の前にスタッフの人が居て目が合ってしまったんです。
そのスタッフの人は私達2人の姿を見るなりいきなり、
「こっちですよ」
と奥の控え室の方へと誘導してくださいました。
あの2人の情けないほどのためらいはなんだったんでしょう・・・。(恥)
2人して顔をあわせながらスタッフの後へと続きました。
「あの・・・空調の確認に・・」と言うI君の言葉を聞いて、「今ちょうど連絡するところだったんですよ」と返事が。
どうやら直接防災センターへと電話しないでスタッフの間で空調の温度を上げるよう連絡をとっていた最中だったらしく、その時ちょうどいいタイミングで私達2人が現われた・・・ということらしいです。
「室内に入っても平気ですか?」と言うI君の言葉で私達2人はスタッフの人が開けてくれた扉をくぐり抜けてKiroroのいる控え室の中に入る事ができました。
「係りの人がちょうど来てくれました」
スタッフの人の言葉にあわせるように私は、
「午前中に空調が寒すぎると電話を受けて温度変更したんですけど、その後はいかがですか?」と話を切り出します。
こう言ったその場に適切な話をする私の会話を聞いて、別の設備要員のD君は「KAMIUって営業に向いてるね」と言う。
私は営業職って嫌いなんですけどねぇ。(^^;;
部屋の中には黒っぽいスーツを着た男の人が1人、メイクアップをする女性が1人、鏡の前でメイクしてもらっている女性が1人、男の前でお菓子を食べている女性が1人・・・計4人いました。
悲しい事にKiroroの顔さえ知らなかった私は入った時点では誰が誰だがまっっったく分からなかったんです。
後でゆっくりと考えると、スーツの人がマネージャー、鏡の前でメイクしてもらっている人とお菓子を食べていたのがKiroro、もう1人はメイクさんだろうと判断できました。
まだ寒いという男の人の言葉を聞いて
「一応設定温度の方は26度になっているんですけど・・・、どれぐらい上げますか?」
と聞くと、男の人は奥の鏡の前でメイクの最中だったKiroroの1人に向かって、
「綾乃ちゃん、綾乃ちゃん、空調どのぐらいまであげる? 何度がいい?」
け・れ・ど、全く返事はなし。
こっちを見るそぶりさえしなかったんです。
「どうする? あと1・2度ぐらい上げてもらおうか?」
「・・・・・・・・」
・・・再度返事がなし。
男の人のそばにいた女性も相変わらずポリポリとお菓子を食べ続けながら私達の方をチラット見ただけでした。
「なんだ、こいつらは??? (怒)」
ピクリとも反応しない2人にそう思いました。
まあ、メイク中なんだから仕方がないけど、一言の返事さえない態度に頭にきました。
普通なら「もう2・3度上げて」とか「××度ぐらい」とか「もうちょっとあったかくして」と返事がかえってきます。
以前、サッカーのオールスター戦の時にゲストとして来ていた島崎俊郎さんでさえちゃんと返事をしてくれましたよっ。
「室温のチェックで回っているんですけど、どうですか?」
「えっ、ああ・・・うん、大丈夫」
って。
なんとも傲慢な態度・・・。
3・4回は男の人が話し掛けたんですが全くの無視!!
結局、返事のないまま男の人が話をすすめて「じゃあ、28度設定にして下さい」と決まりましたけど・・・。
私とI君は控え室に案内してくれたスタッフの人に防災センターの内線電話を伝えてその場を後にしました。
「KAMIUさん、なんっすか、あの態度?」(-_-#)
「なに、あいつらのあの態度、ひとっことも口きかないじゃない」
「しょせん、設備要員には口さえきけないって事ですかね?」
「やだねぇ、芸能人って」
防災センターへの帰り道、私達2人の口から出たのはそんな言葉ばかり。
会うまでは期待と憧れから興奮していたI君だが、帰りは絶望と裏切られた気持ちから不満ばっかり・・・。
こんな事なら行かなきゃよかった・・・・・・、そんな意見もでました。
芸能人や歌手はテレビに写らなければみんなあんな感じ・・・とは思いたくはないけど私とI君にとってはなんとも嫌な体験となってしまいました。
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