「どうしたの?かわいい妖精さん、目を覚まして」


フレアがビックリして目を開けると、そこには優しそうな少女の姿がありました。
彼女は大きな耳と大きくて優しい瞳、そして嬉しい事に辺りを照らす明るい灯りを持っていました。


「ビックリさせちゃってごめんなさいね、私はノーラ、この辺りをいつも見回っているの。見回っていると言っても私にとってはお散歩みたいなものなのよ、だって私は夜の森が好きだから。・・・まぁ、ケガをしているのね、ちょっとまってて・・」


ノーラはポケットから不思議な入れ物に入った油のような液体を取りだし、フレアの体の傷ついている部分に塗り始めました。
とても優しくてとても暖かい手・・・と、フレアは思いました。


「はい、これでもう大丈夫♪」


ノーラにそう言われると、なんだかすっかり体の痛みが無くなったかのようでした。
ゆっくりと体を起こしノーラの優しい瞳を見つめました。
暖かい瞳、暖かい手、そして明るい灯・・・安心したせいかフレアは張りつめていたものが切れたかのように 泣きだしてしまいました。


フレアの頭を優しく撫でてあげるノーラ


「私・・・私・・・女神様に褒めていただきたくて・・・ウェーン・・・なのに、帰り道が見つからなくなっちゃって・・・、暗くなっちゃって・・・ヒック」


それを聞くとノーラはニッコリ笑って言いました。


「う〜んなるほど、迷子って訳ね。でももう大丈夫よ、森の中のことならまかしてちょうだい。妖精の森かぁ、ちょっと遠いけど帰れるわよ」






第六章
秘密?