「私の背中に掴まって」


そう言うとノーラは背中をフレアに向けてしゃがみ込みました。


「いいの?」


「もちろんよ、さぁ早く掴まって、夜が明けるまでに送ってあげるわ」


ノーラの背中はとても暖かくて柔らかくてすっかり気に入ってしまったフレアでした。


「ねぇノーラ、あなたはどうして私の事が見つけれたのかしら?普通の人には妖精は見えないはずなのに・・・」


「うふふ、何故かしらね。私も妖精を見つけたのは始めてよ。でもきっとこういう事じゃないかしら。つまりあなたと私は同じ種類って事」


あったかくって優しいノーラの背中


「同じ種類?」


「そう、でもこれ以上は話せないわ。秘密なのよ」


「・・・・・」


秘密と言う言葉の意味をしばらく考えていたフレアでしたが、ノーラ背中の温もりの中ですっかり安心したのか再び眠ってしまいました。
だいぶ傾いた月の光にノーラと背中のフレアの影がくっきりと浮かびあがります。
ノーラの持ってきた灯りがノーラの足並と一緒に上下して森の中へと消えていきました。






第七章
クリスマスプレゼント