1986年2月20日
カザフ共和国内バイコヌール宇宙基地ロケット発射台。




この日、1基のプロトンロケットがこの乾燥地帯の中、静かに天に向けてその視線をのばしていました。


10・・・9・・・8・・・7・・・、


ロケットの中に積み込まれているのは・・・大きな「平和」。
ロシア名・・・「ミール」

平和・世界を示すその言葉をつけられた人類初の宇宙滞在用モジュール。
アメリカとロシアの宇宙開発競争から産まれた産物。
これから15年間もの長い間、地球の周りを飛び続けるミール宇宙ステーションの心臓・・・基幹モジュールが眠っています。


6・・・5・・・4・・・、


けれど・・・2国間の争いから産まれたミールが、この後「ロシア」・「アメリカ」・「フランス」・「ドイツ」・「シリア」・「カナダ」・「ブルガリア」・「アフガニスタン」・「イギリス」・「カザフスタン」・「オーストリア」・「スバロキア」・・・・・・そして「日本」。
様々な国の人たちの心をつなげる場所となるなんて誰が想像したでしょう?


3・・・2・・・1・・・0!


地を震わす轟音。
激しく吹き出される水蒸気の雲。
高さ44mのロケットがゆっくりと加速しながら、晴れ渡った空へと打ち上げられました。
その先にある、暗黒の世界へ向けて。



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