VC++5.0入門3
基礎知識3 97/7/28

こんにちは。そろそろ、コードが見たいと思っているでしょうか。ほんと、ゆっくりペースですね。でも、まあ、ウサギとカメの話もあるじゃないですか。
前回の最後に、VC/MFCがいろいろなことを自動でやってくれる、という意味のことを書きました。もう少し、詳しく言うと、

 1.MFCという他人の書いてくれたクラスを使える。
 2.VCが定型のコードを自動で書いてくれる。


ということです。ここで、初心者にとって、特に良くわからない気がするのは、VCが書いてくれるコードの方です。(もちろん、本当は、MFCの方がずっと奥が深いのですが、、。)
私は、まず、はじめに、VCが書いてくれるコード(の要点)を理解することからはじめようと思います。
ここまで、「VCが自動でコードを生成してくれる」という言い方をしてきましたが、マイクロソフトの用語では、「VCのAppWizard(アプリケーション・ウイザード)が自動でコードを生成してくれる」となります。このAppWizardという「機能」の使い方は後でゆっくりやりましょう。(これが、まさにチュートリアルの中身です。)ここでは、AppWizardの生成するコード理解するために、はじめは、わざとAppWizardを使いません。こういう使い方をする人はあまりいないと思います。つまり、これは「教育的使い方」です。
もう能書きはやめましょう。以下でVC5.0を使ってみます。ただ、VC4.0のみなさん、以下のことはVC4.0でもほぼ同様にできます。私はVC4.0はもうデリートしてしまっていて、細かい使い方は完全に忘れています。(私は忘却力に関しては人後に落ちません。)それで、ここに使い方は書けませんが、慌ててVC5.0にすることはありません。(たぶん、この講座がそれなりに終わる頃には、VC6.0が出ていると思いますので、そこでアップグレードした方が良いかもしれません。^^)ちょっと工夫してやって見てください。たぶん、良い勉強になると思います。また、VC1.0の方は、ちょっと違うので戸惑うかもしれませんが、これも何とかなると思います。(VC1.0の方は完璧に忘れましたが、以下のことができることは確かです。ただ、いわゆるダイアログボックスベースのアプリケーションはたぶんできないと思います。)
能書きはやめると言っておいて、、、はい、はい、はい、ではVCを立ち上げてください。まず、「ワンポイント」というアドバイスがでたら、それはクローズしてください。メニューにある「ファイル」で「新規作成」を選んでください。そうすると(プロジェクトタブの所に)選択項目が出てきます。これはどのようなプログラムを作りたいか聞いてきているのです。ちなみに、Console Applicationを選べば、「C++入門」にあるプログラムを書くスペースが用意されます。また、AppWizardを選べば、今までさんざん言ったようにある程度のコードが自動で生成されます。ここでは、Win32 Applicationを選択してください。
その横上にはプロジェクトの名前をいれます。「プロジェクト」とは、簡単に言えば今まで言ってきた「プログラム」に相当します。ただ、大規模なプログラムを想定しているので、「プロジェクト」などと言うわけです。(より、正確には、プロジェクトは「プログラム・ファイル」を入れる(まとめておく)入れ物のようです。)その言葉の雰囲気はすぐわかると思います。私は一応、「first」とします。「first.cpp」のように拡張子はつけません。
そして、「位置」のところには、その「プロジェクト」を置くパスを指定します。これはみなさんのお好みに任せます。

(どうも記憶があいまいで申し訳ないのですが、VC4.0の人は「MFCを使わない」という表示がどこかで出ると思います。これが出たら、そこをクリックして「MFCを使う」に直してください。とても大事です。どこだったか忘れてしまってすみません。後で調べます。)

では、「OKボタン」を押してください。これで、「プログラム」を入力する準備がほぼできたのです。さて、Microsoft Developer Studioのウインドウの左には、Class View(クラスビュー、クラスを見る窓)、File View(ファイルビュー、ファイルを見る窓)、Info View(インフォビュー、要するにヘルプ)のタブがあるでしょう。試みに、File Viewのタブをクリックすると、firstファイルというアイコン(?)が見えます。これを(ダブル)クリックすると何か起きそうですが、実は何もおきません。それは、まだ、プログラムが入力されていないからです。
それでは、次に、メニューの「プロジェクト」の「設定」を選んでください。ダイアログボックスが開きます。右の方で「MFCのスタティックライブラリを使用」を選択してください。これは重要です。これが、この講座の目的なのですから。
さて、ようやく入力です。まず、入力するファイルを作らなければなりません。それで、メニューの「プロジェクト」の「プロジェクトへの追加」、そして「新規作成」(または「ファイル」から「新規作成」)を選択してください。今度は、ファイルのタブのところで、「C++ソースファイル」を選択してください。また、右の方には「プロジェクトへの追加」がチェックされていることを確認して、ファイル名を入力します。ここでは「プロジェクト」と同じ「first」としましょう。「OK」ボタンを押すと、「first.cpp」という空のファイルが開かれていると思います。ここに、
#include "afxwin.h"

class CMyWindow:public CFrameWnd
{
public:
    CMyWindow();
};

class CMyApp:public CWinApp
{
public:
    virtual BOOL InitInstance();
};

CMyWindow::CMyWindow()
{
    Create(NULL, "Hello!", WS_OVERLAPPEDWINDOW);
}

BOOL CMyApp::InitInstance()
{
    m_pMainWnd=new CMyWindow();
    m_pMainWnd->ShowWindow(m_nCmdShow);
    m_pMainWnd->UpdateWindow();
    return TRUE;
}

CMyApp theApp;

と入力してください。
できたら、メニューの「ファイル」の「上書き保存」で保存してください。これで、もう一度File View(以後、ファイルビューと呼びます。)を見ると、first.cppが含まれていることがわかると思います。
これで、メニューの「ビルド」の「実行」を選んでください。これは、この「プロジェクト」に含まれるすべてのファイル(今はひとつだけですね)をコンパイルし必要なものをリンク(結び付けるという意味です)し、実行可能ファイルを作って、さらにそれを実行してくれるのです。ただし、その前に、「ファイルが存在しません。ビルドしますか?」と聞いてきますから、「はい」を選んでください。後はすべて自動です。
かなり待った後にあなたのはじめての「ウインドウズアプリケーション」の「ウインドウ」が開いたと思います。真っ白な、ふるさとを思い出させるような、ポカンとしたウインドウです。これが、「ウインドウズアプリケーション」だと言うのは、ちゃんと「タイトルやボタン」のあるウインドウを開いたからです。終了も普通のウインドウズアプリケーションのやり方で終了できます。あまり、おもしろくないかも知れませんが、今までの解説を読んだ人は、本当はとても大変なことを30行位でやってしまったのだ、と気が付くでしょう。
まあ、とりあえず、最初のプログラムはできましたが、説明する時間と気力がなくなりました。それは次回にさせてください。遅くてすみません。
賢明なみなさんはもうお気づきのように、私は図は書きません。そこまでする気力も体力も無いからです。でも、ゆっくり読んでもらえれば、わかると思います。また、そうやっていろいろやってみるのは、必ず、良い勉強になります。「図が無いために理解できない」ということは無いと思いますので、そんな気がしたら、もう一度考えてみてくださいね。^^;)
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