AOMとは何?


AOMは、Acousto-Optic Modulator、の略です。音響光学素子と呼ばれています。

<基本動作>
AOMに入射した光の周波数(f)をAOMに加えられた周波数(F)だけシフトして、出射します。原理的には、ブラッグ回折などによっています。(その詳細に関しては、説明資料を参照ください)。出射される光は、f+F,f+2F..,f−F,f−2F...とFの整数倍だけシフトします。通常はf+Fまたはf−Fの周波数の光を用います。

<導入の理由>
HeNeレーザの場合、f=473THz。AOMは製品に差はありますが、大体100MHz付近です。この差はきわめて大きく、6桁も違います。しかし、100MHzは通常の電子回路で処理できる周波数です。この点がAOMが導入される理由です。シフトした光とシフトしない光を合波しますと、ビート信号を得ますが、その周波数が100MHzです。光の持っていた情報を電子信号処理できるのです。
更に、2台使うと、一方の一次回折光の周波数が、f+F1、もう一台の一次回折光の周波数を、f+F2、とすることが出来ます。この二つの一次回折光を干渉させると、|F1−F2|、の周波数で信号が得られます。(干渉結果は、引き算ばかりではなく、足し算も発生しますが、fの信号自体検出できないので、無視できます)。この周波数は、かなり小さく出来ます。その結果、通常の電子回路で処理できるようになります。この方法があるので、通常は2台のAOMを用います。もちろん、3台以上の構成もあります。

<動作させるためのドライバについて>
AOMごとに中心周波数が示されていますので、その値の周波数を加えなければなりません。通常1W程度の強度です。このパワーはこの種の光部品では大きな値です。したがって、専用のドライバが必要です。
この約1W出力はノイズの問題を引き起こします。100MHz近くの高周波を1W出力した場合、放射エネルギーの規格値を下回るか否かチェックが必要になります。特にアメリカの規格は厳しいです。製作される場合は注意が必要です。

<シフタ構成>
2つのAOMを用いることで、シフタ構成になります。ビート周波数を下げることができるとともに、ノイズに対して強くなります。弊社ではビート周波数25kHzまで有しています。


光学部品の項目説明でも補足しました。


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