友人の串田さんと初のギター二重奏のコンサート  
   

  2000年3月25日 神奈川県座間市の喫茶店ベルジュにて

 ベルジュは、オーナーが音楽好きで週末はプロ・セミプロの演奏の場として良く利用されています。
たまたま所属するギターアンサンブル「アルペジオ」の打ち上げ場所等として利用していましたが、オーナーのご好意により今回のコンサートが実現しました。
当日は、二人とも早めにベルジュに着き、2階で練習をみっちりやりました。
社会人ですから土曜日のコンサートというのは結構きついです。最初は指がなかなか回りません。
ベルジュは、そんなに大きな店ではないので、30人も入れば一杯というスペースにも関わらず、当日はアルペジオの紅二点、田沢さん、小熊さんのPRが行き届いたのか、50名近い観客で店内は熱気で溢れていました。私の身内は、家内が和太鼓の集まりがあった為、長女一人だけ、串田さんは奥さんとお母様がいらしてました。
アルペジオのメンバーからは、紅二点のお二人のほか、鰐川さん、鴇田さんが来てくれました。ご来場どうもありがとうございました。

プログラム   
                                             
  
構成は、二重奏、ソロ、二重奏の3部構成で、二重奏中心のプログラムとなっています。   

・ひだまりの詩 日向敏文作曲
 コンサートのオープニングは、ル・クプルの大ヒット曲。串田さんの二重奏用編曲で幕を開けました。
 当日はドリンクor軽食をオーダーしてからの開演だった為、調理場からの湿気がひどくギターには
 最悪のコンディションでした。演奏の方は、まずは無難な滑り出し。

・風の丘 久石譲 作曲
 宮崎駿夫アニメ「魔女の宅急便」のテーマとして良く知られた名曲ですが、いつもあがらない二人に
 してはなぜか緊張していました。串田さんは司会をしながらの演奏でしたので尚更でしょう。

・愛のフィナーレ 宮川泰作曲
 昭和43年に作曲され、ザ・ピーナッツが歌ったという懐かしい曲。
 ギタリスト大谷環の編曲で洒落た雰囲気のリズミカルな曲に仕上がっています。
 弾きなれた曲ですが、珍しく途中で止まりそうになりました。(^^;)

・不良少年 武満徹作曲
 羽仁進監督の映画「不良少年」(1961)の為に書かれた映画音楽を、2台のギター用に編曲した
 もので、大変ロマンチックなメロディーを持っています。二人ともこの曲だけは暗譜しました。
 まあ無難にまとめたという所でしょうか。それにしても店内の湿度が高く響きが悪かった。

・アンクラージュマン F.ソル作曲
 ギター二重奏の代表的なレパートリーで、串田さんお気に入りのこの曲で前半を終了しました。序奏
 終了と同時に観客から拍手が入るハプニングがありましたが、エンディングまでどうにか止まらずに
 弾き終えました。(ヤレヤレ)
                                                    
 ここまでの感想は、レストランのような環境でギターを弾くのはステージとはまた違ったプレッシャー
 がかかるということ。観客と目線が一緒で、しかもかなり近い所から常に視線を感じながら演奏する
 のは想像以上にきついものでした。それと店内のスペースが一杯だったため完全に真横に並んで
 演奏せざる得ず、二重奏の良さである相手の表情や全身を見ながらの演奏が極めてしずらかった
 事が挙げられます。完全に平行に座ってしまった為、二重奏なのにソロを弾いているような孤独感
 すら感じられました。
 今まで二重奏であがったり緊張した経験が二人とも無かった上、上記の状況からお互い軌道修正
 するだけの余裕が最後まで生まれなかったということです。

・大聖堂、最後のトレモロ〜A.バリオス、序奏&サンバースト〜A.ヨーク     
                                                       
 中盤は、二人の独奏で、チューニングの関係からまず私が大聖堂を弾き、串田さんが最後のトレ
 モロを、最後に私が序奏とサンバーストを演奏しました。
 大聖堂のプレリュードは、自分としては、気持ちが入った良い演奏が出来たと思います。続くアン
 ダンテとアレグロは、とにかく一気に駆け抜けたという感じです。ただ右手、左手とも宙を泳ぐという
 感覚で普段のようにギターの弦をしっかりとらえることが出来ませんでした。多分緊張が原因だと
 思います。私の娘は良かったといってくれましたが、自分としてはアレグロの右手のタッチの浅さ
 が不満足で、演奏終了後、串田さんが、最後のトレモロを引き始める前にサンバースト用にチュー
 ニングを変えておくのを忘れてしまう程、気持ちに余裕を無くしていました。
  一方串田さんも私のアガリが伝染したのか右手のトレモロのタッチが浅くなっていたようです。
 最後のサンバーストでは、出だしのテンポを早く弾きすぎた為、見せ場でスラーが空振りし途中
 でストップするというここ何年も経験したことの無い程不出来(?)な演奏でした。

 まあこれも自分の実力、ゴルフの空振りで頭が真っ白になった経験が思わず脳裏にダブりました。
                                                     
後半に入り再び二重奏のプログラムです。

・ロンドンの町々 マックテル作曲
 Dチューニングのこの曲は、練習時にも正直なところなかなか苦労した曲で、本番は不本意な
 独奏の直後の割には、無難に弾き終えました。

・さよなら アサド作曲
 なぜか串田さんが、譜面を置き間違え演奏をやり直すというアクシデントに見舞われ、気持ちの
 入らぬまま演奏を終えました。ここら辺りから多少開き直り?

・ミロンガ〜カンシオン モンテス作曲
・ジョンゴ ベリナティ作曲

 後半の3曲ミロンガ、カンシオンそしてジョンゴまでは、昨年秋のアルペジオのコンサートでも
 演奏し、お互い練習を重ねた曲だけに悪コンディションの中でもどうにかそれなりに弾き切る
 事が出来ました。串田さんは、演奏終了後、いつ途中で止まるかとひやひやしながら弾いて
 いたとおっしゃってましたが、やはり最後は練習量が物を言う事は確かなようです。
           
 まあこうして振り返ってみると第一回ギターデュオコンサートは、演奏自体には満足しては
 いませんが、色々収穫の多い演奏会だったと思います。特に演奏会前の二重奏の練習は
 とても楽しい思い出です。
 練習時の録音(カンシオン、ミロンガ、ジョンゴ)を本HPのWeb concertで紹介しています。

 今度こそ演奏会終了後に美味しいお酒を飲めるよう頑張りましょう! 串田さん。
 またお近くにお住まいの方、次回コンサートが決まりましたらご案内しますので
 是非私達の演奏を聴きにいらして下さい。