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第3回レッスン

今回は、前回のレッスンから1週間しかたっておらず、平日も宿泊出張等が入り余りギターの練習が出来なかった。
結局レッスンは昨年アルペジオのコンサートで演奏したイルマルのジャズ組曲を選曲した。
いつものように自分のレッスン開始の30分前に河合楽器に到着、てっきり大井さんのレッスン中だと思っていたら大井君の前の方(名前を伺わなかった)が、ディアンスのタンゴアンスカイのレッスンを受けていた。
後で聞いたら明日上野で行われる学生ギターコンクールに出場する女性のレッスンが長引いたせいで後になる程
開始時間が遅れたようだ。まあそのお陰でタンゴアンスカイのレッスンが見学出来たのは好運だった。
特にアドリブのような、遊びが縦横無尽に入る鎌田先生の演奏はおおいに参考になった。
今日は今年一番の暑さ(埼玉で39.7度)と睡眠不足のせいで大井さんのレッスン見学中は殆ど睡魔との戦いだった。おまけに肩こりがひどくギター練習も長く弾くと身体に堪える。
とりあえずお二人のレッスンで参考になった点は以下の通り

出だしの6弦のスラーの装飾音(前打音)を鎌田先生はタンゴのリズムを崩さない為グリッサンドで弾かれていた。また出だしのハーモニックスもタンゴのリズムにのって演奏するようにとの指摘有り。
右手の練習方法としてバランスの悪い右手指をアルペジオと和音を交互に繰り返す基礎練習で矯正する方法とアルハンブラの思い出を教材に右手のトレモロパターンをpimi、pmim、piai、paia、pmam,pamaの6つのパターンで演奏する基礎練習が紹介された。

ジャズ組曲〜イルマル作曲

昨年コンサートで弾いた曲だが直前の練習が殆ど出来ず暗譜に自信がなかったが、譜読みを今日朝からやりどうにかこうにか通した(途中とちったけど)。鎌田さんは作曲者のイルマルがこの曲を捧げたギタリストウラジミールミクルカ本人の演奏を聴いたことがあるらしい。

SIMPLICITAS
メロディのビブラートのかけ方についてアドバイス。特に歌わせたい音でビブラートをかける時、メロディだけに神経がいってしまい伴奏部分の入り方が遅れ気味にならないよう注意する。二つのことと同時にやろうとするとどうしても片方がおろそかになってしまうが、練習で克服せねばなるまい。結局この伴奏部分の遅れがメロディラインのフレージングにも悪影響を及ぼしていた事に後になって気づいた。
装飾音が(アポヤンドのせいか)強調され過ぎるのでメロディラインが凸凹にならないよう(なるべくアルアイレで)弾く。
22小節目のフレーズの区切りについて〜4分音符で2拍半目のラの音と8分音符のシの間。同様のフレーズの区切りが38小節にも有り。
テンポボサノバの部分に入ってから2ページ目3〜6小節目まで各小節内の2拍目、4拍目のアクセントをはっきりつけて弾く。

BERCEUSE
ザンブラのリズムの子守唄(BERCEUSEはフランス語で子守唄の意味)
SIMPLICITASはどういう意味か聞いておけばよかった。英語のSimplicityに似ているけど日本語では意味は何なのかな?
2小節単位で表と裏、問いかけと答えが繰り返されることを意識して演奏する。
20小節目の1拍目で取り合えずメロディは終わる。22小節からまたテーマが始まり35小節の3拍目の和音が重要。

RONDO LA SAMBA
スフォルツアンドで弾かれる和音のラスゲアードの音量と音色に注意。強すぎないように決して耳障りな音にならないよう気をつけて弾く。右手の爪の裏側で弾く意識。なかなかこれが上手く弾けず苦戦。
2ページ目23小節目の8分音符で2拍目の和音(7フレットセーハ)を切らずに音を延ばす。
エンディングの最後から3小節前の2拍目のシ(4弦)を弾いてすぐに下降グリッサンド。
面白いアイディアでココを上手く弾いて、続く最後の小節のグリッサンド(ラ→ミ→ラ)部の音を外さなければかなりカッコ良くなりそう。

この後バッハのプレリュードのフレージングとアポジャトゥーラの復習。
ビラロボスのエチュード6番の例の和音ドレソであることが判明。なんでも二種類の楽譜が存在しているそうで私の持っている大学時代先輩からコピーさせてもらった譜面は、かなり古い物らしい。おそらく演奏不可能(?)の和音(ドレファソの四声)であることから3声(ドレソ)に変更され改訂出版された経緯があるようだ。

最後にようやく手に入れたディアンスのリブラソナチネのエンディングの演奏法を教えていただく。
バルトークピチカートは判ったが何しろフランス語がまるで判らない為、適当に弾いていたが、今回鎌田先生に実演していただき複雑さに唖然。
鎌田先生曰く、この曲を練習する際は、まず楽器を(ハウザーから他の楽器に)変えなさいとの事。
要は楽器を傷つける可能性が高い演奏方法が続く為。
6弦のバルトークピチカート→指板上を右手第1間接で6本の弦をつぶす感じで叩く→miでダウンアップのラスゲアード→左手スラー(シ→ラ)→右手親指脇でタンボーラの様にブリッジよりの6弦を叩いて音を出す〜のパターンをまさに高速で繰り返す。右手の動きを見ているだけで圧倒された。
尚、作曲者のディアンスの指定によればバルトークピチカートは右手人差し指と親指でつまんで弾くようにとのことだがとてもそうした弾き方をしていたのではテンポ通りには弾けなくなってしまう。鎌田先生も親指1本でここは弾かれていた。ただエンディングのバルトークピチカートはディアンスの指定通り人差し指と親指をつまんで弾いた方がソレらしい音が出て良いと思った。

おまけ

鎌田さんが持ってこられた11弦ギターを目の前で弾いて(当たり前だが)頂いた。奥行きの有る立体的な音がしてバロック音楽の演奏にはまさにもってこいのギターだ。星野さんの85年の作。作るのが通常のギターに比べて極めて作業が大変なことから星野さんも二度と作らないと仰っておられるらしい。
高音部の調弦が高くなっており1から6弦のフレット数が通常のギターより少ないように見えた。
1弦の開放がソの音(鎌田さんはあえて半音下げてファの♯にされていた)で通常のギターの3フレットセーハであるから3フレット分少ない事になるのかな。7弦以降はファ、ミ、レ、ド、シ(鎌田さんのチューニングでは、全て半音低いミ、レ、ド、シ、ラになっていたようだ)
豊かな低音の響きとリュートを思わせる古風な響きの高音が素晴らしい。ただ弾くには相当な技量が要求されそう。
練習中というリュート組曲4番のプレリュードやバッハのプレリュードフーガアレグロを一部弾いていただいた。
11弦ギターでは、高フレット部は殆ど使用しないようだ。リュート組曲4番のプレリュードはニ長調で演奏されたが左手の運指はヘ長調の運指。出てくる音と押さえる指が通常のギターと全く異なる上、弦が多いことから相当混乱しそう。その上鎌田先生はかなり低音の音を増やしておられ響きは素晴らしいが、演奏は極めて難しくなる。