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GGサロンコンサート
スペインの近現代作品を集めて
出 演
坪川 真理子
岡川 若菜(Pf)
2002.9.7(土曜日)18:00 開演
GGサロン
プログラム
第一部 ギターソロ |
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アルハンブラの小川 <エボカシオン/トナディーリャ> |
アンヘルバリオス作曲 |
5つのエボカシオン T.空気を抱いた、響く8(ギター) U.ギターは夢を泣かせる V.唄え、はるかな小鳥よ・・・ W.今日は常にここにある X.あなたが私の夢を抱き、海へと運ぶ水・・・・ |
アブリル作曲 |
ギター&ピアノ |
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ソナチネ <アレグレット/アンダンテ/アレグロ> |
M=トローバ作曲 |
第二部 ギターソロ |
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「タロット」より 皇帝、力、世界 |
トマス・マルコ作曲 |
プレリュードT(日本初演) |
アリシア・サントス作曲 |
ソレア、ペテネーラ、サパテアード |
デラマーサ作曲 |
ギター&ピアノ |
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ある貴紳の為の幻想曲 T.ビリャーノとリチェルカーレ U.エスパニョレッタとナポリ騎兵隊のファンファーレ V.たいまつの踊り W.カナリオ |
ロドリーゴ作曲 |
生憎の雨模様の天気にもかかわらず、GGサロンは満員の聴衆で途中補助椅子が追加される程の盛況。 しばらくGGサロンから足が遠ざかっていたせいで知らなかったのだが、地下鉄要町駅出口を出た途端、GGサロンまでの道が地下鉄工事のせいで塞がっていた。道路沿いの迂回路を巨大なクレーンと円形の掘削?機とおぼしき機械を横目に見ながら歩く。工事の騒音が心配されたが幸い演奏中は騒音も振動も無く杞憂に終わった。 今日のコンサートで使用されたギターだが、打ち上げ時、聴衆の1人宮林氏(現代ギターでも評論等でおなじみ)より明らかにされたのだが、坪川さんご自身のギターではなくなんと宮林氏所有のアントニオマリンを借りて演奏された由。彼女はスペイン留学時代にマリンをオーダーされ新作を手に入れられたばかりだが、宮林氏所有のマリンが弦長が645と短く楽器本体も小ぶりに作られていて小柄な彼女にはとても弾きやすいらしい。しばらく彼女から貸して欲しいといわれているらしく、持ち主の手元には当分戻りそうにない雰囲気(笑) また坪川さんのギターの師である今野有二氏が再三に渡り、宮林氏の楽器を坪川さんに相応しいギターだと力説されていたのが他の参加者の笑いを誘っていた。 実は第一部の演奏中、私自身の睡眠不足のせいで(ごめんなさい、真理子さん・・・ m(__)m)最前列席に座ったにもかかわらず、ピアノ伴奏によるソナチネが始まるまで意識が朦朧として演奏に集中出来なかった。5つのエボカシオンでは彼女にしては珍しいミスも散見されたものの、ソナチネから演奏者の周りの空気が変わり後半のプログラムへと期待が膨らむ。特にソナチネのアンダンテからいつもの彼女らしいしっかりしたタッチに艶が加わり、最終楽章は表題通りアレグロで華やかに締めくくられた。 休憩中、スペイン在住の大谷定広氏の奥様poohさんにはじめてお逢いした。(^o^) HPやBBSでの書き込みから想像していた彼女とは印象が全く違っていたが、しっかりした意思の強い女性だと感じました。(笑)残念ながらmasahiro君やマリアちゃんには会えませんでしたがいつかスペインに遊びに行く機会があったら是非現地でお会いしたいものです。 後半一曲目は、オペラシティでの帰国デビューコンサートで聴いて以来となるタロットから3曲。あの時初めてこの曲を聴いて面白い曲だと思ったが今回の彼女の演奏を聴いてますますその意を強くした。オペラシティでの演奏よりさらに速めのテンポで弾かれていて(多分・・(^^ゞ)、細かい音の洪水の中に独特の和声が色彩感を持って浮かび上がりとても楽しめた。 第一部でアブリルのエボカシオンが、彼女にしてはやや不本意な出来だったこともあったのだろう。後半吹っ切れたのかタッチにも気負いが無くなって音がストレートに前に出てくるようになった。 続く日本初演のアリシア・サントス作のプレリュードは、ハーモニクスが印象的な小品。二回、三回と繰り返し聞くうちに印象が変わってくるような気がした。 ソロ最後のデラマーサは、まじかで聴いて(見て)あらためてその難しさを実感。彼女は力強いタッチで最後まで緊張感が途切れることなく一気に弾ききった。 彼女のギターの音は、いわゆるセゴビアに代表されるような歌わせるタイプというよりピアノのタッチのような音の出し方を意識しているように感じられる。ピアノとのアンサンブルではそうした音の出し方がピアノとギターの音色の差による違和感を減らし、アンサンブルとしての一体感を醸し出すのに成功していた。あえて注文をつけるならば、曲中、ギター的な音、ビブラート等がより効果的に配置されると演奏がさらに良くなると思うのだが他の方はどう感じられただろうか。 ある貴紳を生で、聴いたのは今回が初めての経験。オケと違ってピアノ伴奏では、和音の細部がはっきりと見え、今まで気づかなかった不協和音の発見がいくつかありとても面白かった。音量の非力なギターがピアノの大音量の前に埋没することなくしっかりとしたアンサンブルを聞かせてくれた。ピアノ伴奏者の岡川さんのサポートも功を奏したのだろう。坪川さんの右手のタッチがとても凛々しく、大曲が短く感じられる素晴らしい内容だった。 アンコールは坪川さん自身の編曲によるファリャのスペイン舞曲。オーケストラ版をピアノ伴奏にアレンジされたとのことで13日のムジカフィクタでは、ギター5重奏「はかなき人生」藤井眞吾編曲で再度演奏されるらしい。 久しぶりの打ち上げにも参加し、いつものようにデジカメ三昧。予想通り彼女の誠実な人柄と演奏に対して暖かいコメントが打ち上げ参加者から数多く寄せられた。真理子さんから打ち上げ参加者だけにと丸秘発表(笑)があり、和気藹々とした雰囲気で打ち上げも幕を閉じた。 BANTEN君、2日早いけどハッピーバースデー♪。 ギタ菌さん、新井君、山村君それからまた・・・・さん(笑)13日の金曜日ムジカフィクタ頑張って下さいね。 |
Photography
若いっていいな・・(^^ゞ