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GGサロンコンサート

東西実力奈派ギタリストの邂逅

出 演

金 庸太&金谷幸三

 
2002.4.20(土曜日)18:00 開演  

GGサロン



プログラム
    

第一部

二重奏

アンクラージュマン



ソル
作曲

ソロ : 金谷幸三

風景の中で

ベトナムの子守唄


ケージ
作曲

戸島美喜夫作曲

二重奏

アラベスク、月の光、ゴリウォークのケークウォーク



ドビュッシー作曲




第二部



ソロ : 金谷幸三

ブルーコスミックガーデン



北爪道夫作曲

ソロ : 金 庸太

ヴァリアンテス
1.Ostinato
2.Burleso
3.Sonasonete
4.Jazzta


2つのリディア調の歌



ベッロ作曲





ダンジェロ作曲
二重奏 

サーカスミュージック
1.アルゼンチンのナイフ投げ
2.乗馬曲芸(スペイン代表団のみなさんとギリシャ産馬による)
3.ろう人形館
4.あひるレース
5.アンデスの蚤
6.ウラル地方の奇跡の声、ドン・コザック
7.氷の上の消防団
8.ヨガ行者による鍵穴通り抜け
9.オーケストラでさようなら (訳:金谷幸三)


ドメニコーニ作曲

アンコール

ロンドンの街々       マックテル作曲

アラベスク         ドビュッシー作曲



待ちに待ったKKデュオコンサート。ギタルラに寄ってからいつもより少し早めにGGサロンに向かう。要町の地下鉄出口を上がったところでバッタリ桜井社長とお会いし、GGサロンへ。道すがら桜井社長のお住まいの話から、工房の話へ。河野ギター工房はもともと池袋にあったが、回りに住宅が立て込んできて止む無く現在の狭山に移転したのだそうだ。
現代ギター社前の道路工事(首都高速)現場を見ながら今夜のコンサートうるさくなければいいねとポツリ・・。幸いコンサート中は沿道の騒音も少なく静かだった。

GGショップで4回通し券を当日券に変えてもらい、出たばかりのGG5月号を購入。イギリス在住のOさんから送っていただいたフェルナンデスの技巧教本が入荷していた。(ちなみに3800円/冊也) 以前GGショップで確認した時は置いていないと言われた本だったが、菅原編集長から私が問い合わせた3日後ぐらいに入荷したとの話を伺った。菅原さんから会社用にもう一冊どう?なんて薦められたけどいくらなんでも・・・ね。(^_^;) 欲しかったディアンスのアレンジ集も入荷していた。版権の問題で日本では発売されていなかった貴重な楽譜らしいが買うなら今がチャンスかも。実は直前に立ち寄ったギタルラ社でこの楽譜のことを聞き、一足先に購入していたのだ。楽譜を見た感じでは思ったより優しいアレンジ。フェリシダードを早く弾いてみたい。

GGサロン開場直後は、人影もまばらだったが開演前にはほぼ満席状態に。菅原さんも打ち上げで仰っていたが金さんや金谷さんのような実力有るギタリストのコンサートが聴衆で一杯になるのは何よりも嬉しい。
それと印象的だったのが聴衆の拍手。おざなりでなく良い演奏に対して送られる心地良い拍手だったことも付け加えておきたい。良い演奏には良い拍手で応えるというお手本のようなコンサートだった。現代作品を並べた意欲的なプログラムの中身を考えると演奏のレベルが余程高くなくては聴き手もついていけない。打ち上げでどなたかが感想を述べられていたが演奏者の集中力が素晴らしかったというコメント通り、二人のギタリストがずっと高い緊張感を維持していたからだろう。

オープニングはソルのアンクラージュマン、プログラムにはランクラージュマンと書かれていたが日本語表記だとどちらが正しいのだろうか。何はともあれ演奏はオープニングに相応しくとても格調高い演奏だった。金谷さんの演奏を生で聴くのは今回が初めてだが、想像していたのとは少し印象が違っていた。もっと豪放らい落なイメージを持っていたのだが演奏はとても繊細なものだった。金さんとは勿論演奏スタイルは異なるが、金さんも言われていた通り、二人の志向している音楽の方向性は割りと近いのかもしれない。デュオとしてもなかなか良い組み合わせだと思う。
それにしても金谷さん、演奏中ずっと口をヘの字にされて機嫌が悪そうな表情だったが、時折みせる恥かしげな笑顔がなんとも言えずチャーミングだった。(笑)金さんのこれまたシャイな(爆)MCとのコンビネーションが絶妙でした。これは生で聴かない(見ない)と残念ながら説明出来ません。お二人のDVDでも発売されることを期待!

続く金谷さんのソロでは2曲目のベトナムの子守唄が良かった。前奏後、sfの和音の後に響くハーモニックスがとても美しく響いた。原曲はピアノらしいが、ギターのオリジナルであるかのよう、編曲の妙だろう。
1部最後は再び二重奏でドビュッシーの作品から3曲演奏された。
最初のアラベスクの2ndを弾かれた金谷さんのアルペジオが躍動感が溢れていてとても素晴らしかった。アンコール2曲目に金谷さんがこれをやろうと言われたのもうなづける。ピアノで昔良く弾いた曲だが決してピアノだけの曲では無いと感じた。昨年アサド兄弟で聴いた演奏よりも今日の二人の演奏の方が心に残った。月の光も美しく、ケークウォークは完璧。

第二部の最初は金谷さんのソロで今回始めて聴くブルーコスミックガーデン。この曲はギターオリジナルのようだが、これまた金谷さんの集中力が素晴らしい演奏だった。最初の内はやや緊張されているようだったが、落ち着いてどっしりとした音楽を聞かせてくれた。
続いて今度は金さんのソロで2曲。最初のバリアンテスは昨年10月横浜の現代音楽のフェスティバルで金さんが3曲抜粋、初演された作品。私もGG社で彼の練習を聞かせてもらっていたが無窮動で技巧的な大変難しい曲。
全曲という意味では、今回が本邦初演になる。演奏前に作曲者のベッロ氏のマメなメールについてエピソードが紹介されていたが、金さんのコメントに場内大爆笑。差しさわりがあるといけないんでここには書きません。(笑)
演奏は、1曲目やや左手に力みが感じられたが徐々に乗ってきて、この難曲を鮮やかに弾ききっていた。暗譜するだけでも大変そうな曲なのにあんな難しいフレーズをよくスラスラ弾けちゃうもんだと感心。本当に凄いです。ちなみにこのバリアンテスは今年の(キューバの?)コンクールの課題曲にもなるらしい。金さんは、受けないのかな。(^^ゞ
続いてオイラの大好きなダンジェロ。何度聴いてもこの曲は良い。金さんのリディア調の歌の演奏は、元々殆どケチをつけるところ等無いのだが、今回は特に1曲目が音色に深みが感じられ曲の持つ陰影をさらに増していたように思う。開演前、弦がボロボロと言っていたが、高音も低音もどちらも美しく良く鳴っていた。

いよいよフィナーレのドメニコーニ作曲サーカスミュージック。題名も変わっているが全部で9曲あるタイトル一つ一つがまた凝っている。翻訳されたのは金谷さんとのことだが、つぼにはまった名訳。
二人の演奏はそれまでと打って変わって砕けたとても楽しいもの。まあ音楽自体がそれまでの曲と全く内容が違っていたことが大きいんだけど。最後にこの曲を選んだ金さんの目論見はバッチリ成功していたと思う。
笑ってくれないと立場が無いという金さんのMCにも沸いたがそれ以上に楽しい演奏と金谷氏と金さんのなんとも言えない表情に場内が沸いた。第一部の時もそうだったが拍手がいつものコンサートに比べてとてもリズミカル?でいかにも演奏者に対して良かったからまた弾いてくれって催促しているのが感じられアットホームな雰囲気で終始した。
アンコールは、ジョンウィリアムスの多重録音で有名なロンドンの街々。金谷さんのチョイスらしいが金谷さんはアラベスクといい二重奏のアルペジオパートがとてもお好きな方のようだ。この曲でも実に上手く演奏されていた。
鳴り止まぬ拍手に促され再度ステージへ。アンコール曲をもう一曲用意してなかったらしく、金谷さんの選曲でアラベスクが再度演奏された。よりによって一番難しいの選ばなくても・・って金さんがぼやいていたけど・・でも一部の時よりさらに良かったです。(笑)
それから金さんの「金谷さん、楽しんでいただけましたか?」っていう一言最高でした。是非また二人でコンサートやって欲しいです。今度はもっとでかいホールで満員の聴衆を前にして・・・大いに期待してます!
                     


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