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東 隆幸
帰国記念リサイタル
2001.11.10(土曜日) 19:00開演
サントリーホール
written by 東さん はじめまして。先月の末にスペインから帰国した東と申します。王立音楽院で同期生だった坪川さんにこのページを紹介してもらいました。来月には帰国記念リサイタルを予定しているので皆様是非聴きに来てくださいませ。これからもがんばっていきますので宜しくお願いいたします。 プロフィール ===== 氏名 : 東 隆幸 (あずま たかゆき) 1972年生まれ。クラッシックギターを山本和男、七戸國夫、濱田三彦の 各氏に師事。 95年よりスペインに留学。 マヌエル・バビローニに現在に至るまで師事。 98年アリカンテ上級音楽院、2000年マドリード王立上級音楽院を 卒業し、上級プロフェッサーの資格を得る。 ホセ・トーマス、ミゲル・バルベラ、J.L. ゴンサレス、 マルガリータ・エスカルパ、J.ミゲル・モレーノ、 マヌエル・バビローニのマスタークラスを受講。 2000年10月から、9ヶ月間、スペイン政府奨学金を得て、 マドリード王立上級音楽院研究課程にてホルヘ・アリサに師事。 2001年3月、第一回サンティステバン・デル・プエルト国際 ギターコンクール(スペイン)に第3位 入賞。 日時 === @11月10日(土) 東京・六本木サントリーホール 18:30 開場 19:00 開演 曲目 === 序奏とロンド D.アグアド タレガ賛歌 J. トゥリーナ アラビア風奇想曲 F.タレガ 祈りと踊り J.ロドリーゴ 大聖堂 A. バリオス アストゥーリアス I. アルベニス ソナチネ F.M. トローバ A11月17日(土) 横浜・港南区民文化センター 「ひまわりの郷」ホール 19:30 開場 19:45 開演 曲目 === ファンシー J.ダウランド 大聖堂 A. バリオス アランブラ宮殿の想いで (この曲、有名です。みぽりんのドラマでかかってた、例の曲) マジョルカ I.アルベニス ファンダンゴ J.ロドリード ある貴紳のための協奏曲 J.ロドリーゴ 伴奏:川上理津子(チェンバロ) *全席自由 2500円 ご興味のある方、本場スペインのギターを聴いてみたい方は、ぜひ チケットぴあ(Tel: 5237-9999)、各ホール、全国有名楽器店でお求め下さい。 主催: ラ・ジョイア・エンターテインメント お問い合わせ: 東隆幸ギター教室 Tel: 045-773-7435 @「ひまわりの郷」ホールへは、京浜急行、市営地下鉄「上大岡駅」下車。 上大岡駅バスターミナルの上に位置する駅ビルの中にあります |
コンサートを聴いて 小雨の降る生憎の天気だったが、家内と二人で東さんのリサイタルを聴きに行く。サントリー小ホールは、フラットな作りだがシャンデリアがゴージャスで椅子も袖のある木製の立派なもの。最近GGサロンで聴きなれたせいかこういう立派な場所で聞くだけでもリッチな気分。やはりコンサートは入れ物(会場)も重要。 東さんのことは坪川さんから教えて頂いた。29歳、青学出身ということは我が師、鎌田さんの後輩にあたられる。スペインに留学された時の様子等、ご本人のHPにアップされている。大変興味深く読ませて頂いた。 今日は極めてオーソドックスなプログラムでスペインの作曲家の作品が中心。開演5分前の鐘の音が非常に大きく響き家内と二人でビックリ!舞台左から登場した東さんはやや太め(失礼)の容貌で誠実そうな印象のギタリスト。 最初のアグアドは、緊張のせいかタッチが浅めでギターも鳴っていなかった。後半徐々に調子を上げ、無難にまとめていた。 トウリーナはスペインの香りが漂う演奏ながら、まだ固い表現。続くアラビア奇想曲は落ち着いた表現が人柄を感じさせる。 ロドリーゴは前半最後を飾るに相応しい力演。中間部の低音の表情にセンスが光る。途中フラメンコを模した箇所を通常よりかなり遅めに弾いていたが細かいフレーズゆっくりではあるがキチンと弾いていたのに好感が持てた。トレモロは綺麗だったと家内のコメント。 第二部の大聖堂は素晴らしかった。特にプレリュード。ラミレスの美音が光っていた。音量も増し中間部の宗教的アンダンテは素晴らしい演奏だった。左手の動きは東さんの師であるバビローニのテクニックが随所に生かされていた。意外に手の大きい人だと思う。アレグロもやや音が小さくなったが綺麗にきちんと弾かれていて見事。 アストリアスは、表現に余裕が感じられるようになったがやや気持ちが走り過ぎた感じ。でも気持ちは良く伝わってきた。 ソナチネは、譜面に忠実な演奏。ともすれば単調にも聴こえがちだが終始徹底されていた。アレグロの途中で見失ってしまったミスがあったが、音楽は流れていた。最後はしっかり弾ききり帰国後初のリサイタルの幕を締めくくるに相応しい演奏だった。 アンコールは2曲。最初が意外にもラグリマ。この曲を一緒にスペインに留学していた友達の女性ピアニスト(名前は聞きそびれたが)に捧げるという説明。不幸にも彼女は1年前留学先で亡くなられてしまったらしい。もう数日で一周忌を迎えるとのこと。ご冥福をお祈りしたい。 続くアンコールはアルハンブラの思い出。しっとりとした丁寧な演奏で正統的なアルハンブラを聴いたという感じ。全体に楽譜に忠実な演奏をされる方でそれも東さんの人柄に通じるものがあると思う。 終了後、舞台裏でお会いしラグリマの演奏について触れ、中間部に通常弾かれない部分が挿入されていたことを質問、うっかり編曲者の名前を度忘れしてしまったが、主題の良さを引き立てていた。演奏スタイルはセゴビアを思わせる左右のタッチで最初か細く聴こえた音も次第に音量を増していた。ラグリマの主題では1弦の唄に思わず涙腺が緩みそうになってしまった。 客席後方にギタ菌さんと坪川さん、野辺さんの息子さん、同じく黒澤さんの息子さんらが来られていた。以前黒澤さんジュニアのギターをギタルラで弾かせて貰ったことがあるが素晴らしかった旨褒めた所、非常にシャイで、まだまだ駄目と謙遜していた。ところで前日のGGサロン(徳武さん)で、私は行けなかったのに何故か私とよく似た人が最前列で聴いていたらしい。てっきり私も来ていたと菌さんや坪川さんは勘違いされておられたようだ。 サントリーホールの周辺は休みということもあって人影も疎らだったが、全日空ホテルロビーのカフェを覗きながらのんびり家内と散策。やはりコンサート後の余韻を楽しめるような場所も重要だなと再認識した次第。別にGGサロンが悪いという訳ではないけどたまにはこうしたリッチな場所でコンサートを聞くのも悪くない。 |