冬のカムチャッカ(その3)
  1999.12.23--12.30
 

12月25日(土)
 朝目が覚めると8時半だったが外はまだ真っ暗。時計を見間違えたかと思い、
明かりをつけてもう一度見るが間違っていない。日本より東にあるのだが、緯
度が高いし、何よりも時差が3時間もあるためだ。9時過ぎにようやく明るく
なり始める。日本との時差3時間を引くと6時頃から明るくなり始める日本と
あまり変わらない。朝起きてトイレに行くが、またすぐに何回も行きたくなる。
ロシアに来るとついつい食べ過ぎてしまうためと、料理が脂っこいのでおなか
をこわしやすい。でも朝食はちゃんととっておこうと2階のカフェに朝食券を
持っていく。(宿泊料金に朝食代も含まれているので、事前にフロントで日数
分の朝食券をもらっておいた)

 9時半に2階のカフェに行くと、誰もいない。カウンターの中にいた女の子
に朝食券を渡すと、それから作り始め、パン、両目の目玉焼きのついたベーコ
ンエッグ、ブリヌイ(クレープみたいなもので、生地に砂糖が少しいれてある
ので中には何も入っていない)。そして紅茶というメニューだった。紅茶はテ
ィーバッグが入って出てきたが、ティーバッグを出して飲んでみると甘い。お
かしいなと思いながら最後まで飲んでみて、カップを見てみると、なんと底に
砂糖が固まっていたのである。食事を終えてガスなしのミネラルウォーター(
もちろんカムチャッカ産、1.5リットル入り)を21ルーブル(105円)で買っ
て部屋で飲んだ。昨日、飲み過ぎでのどがカラカラだったので一層美味しく感
じられた。ついつい飲み過ぎてまたまたトイレへ。こんなふうで今日は大丈夫
だろうかと不安になりながら正露丸を飲む。

 10時半にスヴェータに電話すると、アンドレイは今、車の修理をしていて
5分くらいで迎えに行くからとのことだった。11時15分にアンドレイが部
屋まで迎えにきてくれて、彼の家へ行った。スヴェトラーナは今日は仕事だと
行っていたが、まだ家にいた。今日は12月31日が休みになるので、土曜日
だけどその代わりの出勤だということで1時から5時まで仕事だそうだ。

 今日はスキーに行こうということで、スキーウェアなど持っていない私はア
ャと3人で出かけた。車で1時間半くらいのところにスキー場があり、なんと
レンタルスキーの店まであった。足のサイズを言って、スキーの上手さで板の
長さを決めてもらって(もちろん私は下手なので短めのものを借りた)、いよ
いよゲレンデへ。リフトは2本しかなく、2本乗り継げば山の頂上まで行ける。
1回券が20ルーブル(100円)、子どもは10ルーブル(50円)。一日券や
半日券はない。日本人にとっては安いがロシア人にとっては安い額ではない。
とりあえず4回分買ってリフトに乗る。ところがこのリフト、昔日本にもあっ
たと言われるお尻に板をあてて、スキーを地面につけたままワイヤーで引っ張
ってもらうという形のもので、知らない私はそれに座ろうとして、「ちがう、
ちがう」と言われ、何とか出発できたが、初めての経験で緊張してスキーで滑
るよりリフトに乗る方が恐かった。何回か乗るうちに慣れてきたが、ここに来
ない限り、日本ではもうこんなリフトに乗ることはないだろう。

 Tバーのリフト 

 リフト乗り場、手前の小屋がリフト券売場
 

  2度、下のリフトに乗った後、次は山の頂上まで登り、降りてきたが、急な
斜面にもかかわらず、こぶやアイスバーンはないし、パウダースノーだし、人
はいないし、今年スキーを始めたばかりというアンドレイも斜滑降とボーゲン
で上手に滑っている。自分も上手くなったような気がする。日本の混雑して人
を避けながら滑らなければならいスキー場に較べるとほとんど貸し切り状態で
ある。

 誰も滑っていないゲレンデ

 スノーボードで滑っている若者もいたが、やはりここに来れるのはかなり裕
福な人たちなのだろうと思った。2、3度転んだが、2度頂上から気持ちよく
滑りおりたが、帽子を持っていなかったので耳が冷たくなり、足も疲れてきた
のでもうやめることにして、靴と板を返しに行った。1時間30ルーブル
(150円)で2時間借りていたので60ルーブル(300円)払った。サーシャは
指導員に教えてもらっていた。

 指導員とサーシャ

 1時間ほど教えてもらった後、自分でゆっくり滑っていた。トイレに行くと、
なんとあの恐ろしいロシア式トイレであった。小の方だからよかったけど、ト
イレの入り口を開けると板の床の上に四角に穴が二つあいているというだけの
トイレ。穴が二つというのがよくわからない。二人並んで用を足すとでもいう
のだろうか?一人がしゃがんで用を足している横で立って小便をするわけにも
いかないだろうし。

 スキー場を後にし、次はガルバーヤラグーナ(青い潟)という温泉へ行く。
いわゆる日本のクアハウスである。5年前に建てられたというこの施設、なか
なか立派である。受け付けでコートを預け、ロッカーの鍵をもらい更衣室で着
替えた後、外に出るとちょっと熱め(といっても日本人にはちょうど良い)の
小さな温泉があり、さらに奥に50メートルプールくらいの温泉(プール?)
がある。さらに奥に行くとスパイラルコースターのあるプールがある。日本で
は夏のプールなどによくあるもので大、小二つあり小さい方は屋根がないので
雪が積もって冬場は使われていない。大きい方だけが使われていたが、日本で
もこの手のものは私は嫌いでやったことがないのに、サーシャに誘われついつ
いついて行ってしまった。なんとサーシャは頭から勢いをつけて飛び出すので
ある。私はおそるおそる滑り出すが途中で止まってしまい、必死で手でこいで
しまった。二度目からはやはり勢いをつけて寝て滑らないと動かないというこ
とがわかり、うまくいったが、最後にプールに飛び出す前がかなり急斜面で思
わず息を止めてしまうのだった。このプールも人はそんなにおらずプールにい
る人達は50人に満たないくらいだった。

 サウナもあるというので入ることにしたが、予約制で1グループごとに入る
でソーセージの乗ったパンとビール、ジュースを買ってサウナで食べた。カム
チャッカのビールはまずい。何が入っているか見てみると何と砂糖が入ってい
るし、ほかにも何かいろいろと入っている。ホップと麦芽だけのビールなんか
無いようだ。サウナ室に入ると、まず応接セットがあり、ここでパンを食べビ
ールを飲む。その先にシャワーがありシャンプーをくれるので、ここで頭も洗
える。次に水風呂があり、サウナの後にはいるとすっきりする。そしていよい
よ突き当たりにサウナがある。日本のどこにでもあるサウナと一緒で、温度は
90度。貸し切りなので気兼ね無く入れる。2回サウナに入り、その後水風呂に
入りすっきりしたが疲れた。帰りに料金を払ったが、入場料60ルーブル=300円、
サウナ90ルーブル=450円、日本人にとっては安いがロシア人にとっては高い。
お客が少ないのもよくわかる。でもアンドレイはここはすごく儲かっていると
言っていた。

 受付のところに3歳くらいの子どもを連れた女性がいて、受付の人にこの人
雪道を70〜80キロくらいでとばして町まで帰った。途中、携帯電話であと30分
くらいで着くからと電話していた。おかげで8時過ぎに家に戻るとスヴェータ
が夕食を用意していてくれた。今日はカツレツ(日本のハンバーグ)とポテト
(じゃがいもを裏ごししたものに何かソースをかけていた)がメインディッシ
ュだった。ロシアのカツレツは美味しいのでお代わりをして2つも食べてしま
った。

 カツレツとポテト

 魚の塩漬け(これは美味しかった)
 アーニャは友達とディスコに行くと言っていた。友達のサーシャが来ていて、
一緒に夕食も食べた。アーニャの友達がもう一人やって来て、彼女の名前もア
ーニャだった。カムチャッカではアーニャと言う名前の女の子が多くて、今ア
ーニャのクラスには7人もアーニャがいるということだった。

 11時頃ホテルまで送ってもらった。

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