イルクーツク旅行記  2001.8.17---8.27  その9

8月25日(土)
 朝早く起きて外を見ると曇っている。今日は寒いのかと思っていたら、9時過ぎに青空になり、良い天気になった。お天気だと暑くなるので長袖のシャツだけで出かけることにした。今朝も昨日たくさん食べて飲んだので朝食は食べられない。10時にイーラと1階のロビーで待ち合わせていたので、5分くらい前に降りていったが、イーラはなかなか来ず、20分くらい遅れてきた。マーシャも付いて来たいと言わなかったかと聞いてみたら、1階の壁のペンキを塗っていて、そのペンキの臭いで咳をするようになったのでダーチャに行かせたそうだ。アンガラ川の川岸通りを散歩したが、川面から霧が立ち上っていて、対岸の建物が霧の中から建っているように見えて、幻想的だった。朝ということもあって、人通りは少なかった。川岸通りをカールマルクス通り曲がった角にある博物館のお土産やさんに寄って、顔の表情がそれぞれ違うマトリョーシカがあったのでおみやげに買った。その後、レーニン広場のそばにあるお土産屋さんに行き、イーラが妻にとマトリョーシカの顔の付いた塗り物の小箱を買ってくれた。カールマルクス通りを市場の方へ歩いて行き、コンピュータの店をのぞいたら東芝のノートパソコンが10万ルーブル(3300ドル)で売っていた。プリンターはキャノンやヒューレットパッカードのものが多くエプソンもあった。ディスプレイはNEC、ソニックのものがあった。次に本屋に入りチェブラーシュカの本を探したが「ゲーナの友達」という本1冊しかなかった。これをイーラが買ってくれた。次にCDを売っている店に行き、リンダとアカデーミヤのCD、そしてイーラのおすすめのものを買い、コンピュータで見るCD−ROMもロシアの道路地図、アカデーミヤ、シュフチンスキーなど計8枚買った。音楽CD60ルーブル、CD−ROM65ルーブル、日本円にすると250円くらいの安さだ。日本でCD−ROMを買うと4000円位するのに。あまりの安さにたくさん買ってしまった。昨日パイのようなクッキーを買った店を探していたが見つからず、市場に着いてしまった。市場でキャビア(450ルーブル=1800円)を1個とイクラ(100ルーブル=400円)を6個買い、イーラが税関で没収されるといけないのでと、証明書を書いてくれるように頼んだ。最初は証明書なしでも大丈夫だと言っていたが、イーラがしつこく粘るので、はんこを押した用紙だけをくれて自分で書いてくれと言われた。その用紙を店員が事務所にとりにいっている間に、イーラがチョウザメの薫製を一切れ買ってきて食べさせてくれた。ロシアで一番高い魚だそうだ。確かに美味しかった。
 イーラをお昼ご飯にどこかのレストランに招待したいと言い、私の知っているサーカスの中にあるレストランに行くことにした。市場から歩いてもそんなに遠くないところだった。階段を上ってレストランに行くと扉に鍵がかかっていた。休みかと聞くとやっているというので入った。もちろんお客は私たちだけである。木製の大きな王様が座るような椅子が特徴のレストランだ。大ジョッキのビールとクトゥーゾフ風サラダ、牛タンのキノコソースかけ、紅茶を頼んだ。イーラは大ジョッキのビール、チェレパーシュヌイサラダ、チキンを焼いた料理を頼んだ。クトゥーゾフ風サラダはキャベツ、肉の千切りの入ったものでまあまあだったが、牛タンのキノコソースかけは牛タンの柔らかさといい、キノコソースの味といい、最高だった。二人分で486ルーブル。チップも入れて500ルーブル払った。ロシアでは大変贅沢だと思うが、日本円で2000円だと思うと日本とロシアの物価の違い、為替格差を感じる。ここでウエイターに頼んで市場でもらった証明書の書き方を聞いて、イーラが書いた。美味しい食事に満足して外に出ると、らくだがいた。小さな女の子を乗せていて、聞くと1周するだけで30ルーブルだと言った。大人でも乗れるかと聞いたら、らくだがひざまずいて乗せてくれるので大丈夫だと言うので、乗ることにした。らくだに乗るのは初めてだ。まさかイルクーツクに来てらくだに乗るとは思わなかった。ひざまずいてくれたらくだに乗り、らくだが立ち上がるときは怖かった。らくだの背中の上は結構高く、周りの風景も高さが違うと全然変わって見える。ゆっくりと歩いてサーカスの前を1周してくれたが、高いところからの眺めはなかなか良いものだった。乗っているところをイーラに写真に撮ってもらい、降りてからイーラにらくだがキスをしているところを写真に撮った。よく仕込まれたらくだで好物は人参らしく、飼い主がたくさん人参を持っていた。天気も最高で今日のような秋の始まりに夏が戻ってきたような天気を「おばあさんの夏」と言うそうだ。ホテルまで送ってもらいイーラと別れた。

          
      らくだに乗る             イーラにキスするらくだ

 キャビアとイクラを冷蔵庫に入れ、買い残していたお土産を買いに出かけた。本屋さんの隣のお土産屋さんにおばあさんへのお土産を買いに行った。私の前に陶器を買っている人がいて、贈り物にするらしくラッピングしてもらいリボンをかけてもらっていた。それを待っていたので長いこと待たされたが、透明のフィルムで包み、リボンを作って、ひもをカールさせていく様子を見ているのも面白かった。午前中見つけられなかったクッキーを売っている店を探しにカールマルクス通りを市場の方へ歩いていくと、その店は思っていたよりも先の方にあった。パイ風のクッキー(200g入り)を4個とウエハースの間にクリームの入ったケーキ2種類を2個ずつ買おうとしたが、クッキーの大きい袋は1つしかないということで、仕方なく大1つと小(150g入り)4個を買った。意外だったのはケーキの重さだった。買ってしまってから後悔した。1箱500gはあると思われる。もっと軽いケーキだと思っていたのに。これでリュックは一杯になり、ホテルの方へ向かう。ホテルの近くのタバコを売っているキオスクでマイルドセブン(1個30ルーブル=120円)1カートンとロシアンスタイルというロシアのタバコを5個買って、隣のアイスクリーム屋のキオスクでバニラアイス(4ルーブル=16円)を買って食べた。ホテルに戻ってお土産をスーツケースに詰めてみたが、結構重たくなってしまい、20キロ以上はあるようだ。
 夕食をとりがてらアンガラ川の川岸を散歩してこようとTシャツに着替えて出かける。5時過ぎとはいえ、日差しは強く歩いていると暑くなる。川岸に座っている人、川の中に足をつけている人、友達、アベック、夫婦で散歩している人などたくさんの人がのんびりとした時間を過ごしていた。船着き場のそばでシャシリークを売っている店があったので、そこで生ビール(13ルーブル=52円)を買い、シャシリークを焼いているおじさんのところに行くと店の方に行ってくれと言うので、店の中で50ルーブル(200円)払い、おじさんの所へ行くと、持っていくからと言って焼けた肉を暖め始めた。テントの中でビールを飲みながら待っていると、パンとタマネギを付け合わせにつけられた鶏肉のシャシリークが目の前に出てきた。でもそのときにはもうビールが残り少なくなっていて前のとは違う「スヴェトーラエ」というちょっと高いビール(20ルーブル=80円)を買った。このビールはよく冷えていて、味も良かった。シャシリークを食べ始めるとどこからか片目の犬がやってきて物欲しそうな目で下の方から見上げるので、食べ終わった鶏肉の骨をやったら喜んで食べていた。他の人がパイみたいなものをやっていたがそれはあまり好きではないらしく食べてはいたが、また別の人が鶏肉の骨をやるとそちらの方をかじっていた。ビールを2杯飲んですっかりいい気分になり、また散歩に出かけた。川の中に噴水がありきれいな水しぶきを上げていた。アンガラ川遊覧のモーターボートも走っていたし、反対側の流れのない池みたいになったところでは足こぎボートが数艘走っていた。更に奥に行くと川原で水着姿の人たちがバレーボールをしていた。日本の休日の過ごし方とは違うようだ。町中にも自然が残っている。ロシアではいろんな木の実や種を道端で売っている。松の実、ひまわりの種、ピーナツetc.ピーナツを1カップ7ルーブル(28円)で買い、食べながら歩いた。先程2杯も飲んだビールのせいでトイレに行きたくなり、並木道に白い大きくてきれいな移動トイレがあったので入ったら有料で4ルーブル(16円)だった。有料でもきれいなトイレの方がいい。ホテルまで戻る途中またメロンアイスクリームを食べる。
 今朝、トイレでお湯の栓をひねったら生ぬるい水が出たので、今日はシャワーを浴びれると思い、バスタブにお湯を溜め始めたが、ちっとも温かくならない。結局冷たい水ではないという程度のものしか出ず、シャワーはやめにして、髪だけを洗った。翌日は朝6時15分にワレーラが車で迎えに来てくれるので9時過ぎにベッドに入ったが、外はまだ明るく眠れない。しばらくテレビを見ていると眠たくなったので寝たら、イーラから電話がかかってきた。明日、空港まで見送るつもりだったが荷物が一杯でワレーラの車に乗れないと言うので、イーラが大学卒業の時に作ったイルクーツク紹介の英語のビデオはワレーラに預けるということだった。再び寝直したが、何回か目が覚め、熟睡できなかった。
 
 

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