イルクーツク旅行記  2001.8.17---8.27  その4

8月20日(月)
 今日はペシャンカへ1泊2日のクルーズに出かけ、明日の夕方帰ってきて、7時にナターシャの家に行き、11時にイーラの家に帰ってくるということに決めた。9時過ぎまで明るいので一緒に散歩もできる。イルクーツクに帰るのは水曜日の朝になった。朝5時に目が覚めたが、あまり早く起きても迷惑だと思ってしばらくベッドの中にいたが8時には起きて、部屋で旅行記をつけていた。やはり朝はちょっと寒い。朝食をとり、ビクトルの車にいろんなもの(食料や飲み物、着替えetc.)を載せて出発。船には3つの部屋があり、一番手前の部屋は小さなハッチを開けて階段を下りる。ベッドが4つあるだけで狭い。次の真ん中にある部屋は広くてテーブルもあり、2段ベッドが二つ向かい合わせにある。

  

     船室で横たわるジーマ                 船室で横たわるイーラ

 隣に台所もある。この部屋で寝ることにして、荷物をここに入れた。この船はかなり大きくて、トイレやシャワーもついている。後ろの船室はこの船の持ち主ミーシャの家族(妻と17歳くらいの男の子)の部屋である。船尾には大きなテーブルとそれを囲むようにベンチが置いてあった。10時出航。バイカル湖の岸に沿って北の方へ進んでいく。リストビャンカから目的地のペシャンカまでは約100キロ。5時間の船旅である。ビクトルは仕事で来れないということで、リーナ(イーラのお母さん)、イーラ、ジーマ(イーラの弟、15歳)と私の4人で行く。バイカル湖の沿岸は切り立った岸壁や松、白樺の木々のタイガが続きずっと見ていても飽きない風景である。

  

 天気は昨日の夕方から良くなり、今日は雲一つない青空で、波も穏やかで、快適な船旅である。しかし、風が冷たく、長く甲板に出ていると寒くなってくるので、下の船室に入って持ち込んだ食料でサラダを作ったりウォッカを飲んだり、そしてしばらくベッドで横になったり。時々上に出て、岸辺の美しいところをねらって写真を撮っていた。予定通り3時にペシャンカに着いた。入り江になっているので波も穏やかで、砂浜になっているので浜辺で日光浴をしている人たちがたくさんいる。といっても日本の海水浴場に比べるとずっと人は少なくまばらである。私たちも水着に着替え、船から下りて最初に小高い山の上に登り、そこからの眺めを楽しんだ。その後浜辺で日光浴。いきなり私はバイカル湖に飛び込んだ。水は泳げないほど冷たくはない。でも長く入ってはいられない。最初に日光浴をして、暖まってから入らなくてはとリーナに注意される。

  

 砂浜で何も考えずに横たわり、波の音と時々吹いてくる風と太陽の暖かさを感じているのは最高の幸せである。うつ伏せになったり、仰向けになったりしながら日光浴を続ける。隣の入り江にサウナがあるのでそこに行ってサウナに入り、そこで泊まることにして、6時頃にセンナヤという入り江に行く。すぐ隣だったにもかかわらず、波が高くなって船はかなり揺れた。その中で夕食を食べようとしていたが、気持ち悪くなりそうで食べられなかった。20分くらいでセンナヤに着いた。船を下りてサウナの持ち主のところへいって申し込む。

  
  
        サウナ小屋               バイカル湖からサウナへ駆け込むイーラ

 白樺の枝を切ってしばったものを作ってくれ、それを持って水着に着替えサウナに入る。扉を開けて中にはいると前室があり、更に扉を開けてサウナ部屋に入る。部屋の中の温度は80度くらいある。ここのサウナは薪を燃やして部屋を暑くしており、これが本当のサウナだといっていた。部屋の中は壁際に階段状になった棚があり、そこに座ってしばらくすると汗が噴き出してくる。部屋の隅に瓶に入った水が置いてあり、この水を熱源にかけると暑さが増してくる。十分汗をかき、暑くなったところで外へ出て、30メートルくらい走ってバイカル湖の冷たい水に入る。熱された身体が冷やされ気持ちがいい。冷えたところでまたサウナに戻る。すると今度は全然暑くない。そこで水を熱源にかけると湯気が出て、温度が一気に上がる。棚に横になり白樺の枝で身体を叩いてもらうと白樺の香りがしてすばらしい。サウナの中にこの香りが充満してくる。バイカル湖とサウナの間を何往復かしているうちに1時間は過ぎ、もう終わりだよと催促された。あわててシャンプーで頭を洗い、部屋の隅に置いてある瓶からひしゃくで水をすくって頭にかけて洗う。1時間あまりのサウナの後、船に戻り夕食を準備。ミーシャの家族も一緒に夕食を食べる。

  

  センナヤの風景(家は2軒しかない)     船の上で夕食(寒い!) 後ろは漆黒の闇

 サウナの持ち主のところで買ったビールとオームリ、ハリウス(共にバイカル湖に住む魚)の薫製も加えて7人で食べた。でも日が落ちると寒くて、長く座っていることはできず、食べ終わると早々に片づけて部屋に戻った。イーラが空を見上げると星がすごくきれいだというので、見ると空にこんなに星がたくさんあったのかと驚くほどの星があり、天の川もきれいに見えた。きっと昔の人はこんな星空を見て、いろんな話を考えついたんだろうなと思う。空は大小さまざまな宝石を空一杯に散りばめたようで、ただただ見とれるばかりである。寒くなければ、この星空の下で寝たいとさえ思える。船室に戻り電気を消すと本当に全てが闇の中に消えてしまう。

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