イルクーツク2000 その3

イルクーツク、バイカル湖、ハバロフスクの旅----2000.8.11-8.18

8月13日(日)
 夜中にすごい雨音で目が覚めた。こんな雨が明日も降っていたらイヤだ
なと思いながらまた眠った。朝、外を見ると雨は上がっているようだった。
8時半に1階のレストランへ行く。今日の朝食は砂糖、バター入りの牛乳
で煮たカーシャ(おかゆ)、ハム、チーズ、パンに紅茶。今日はちゃんと
紅茶を持ってきてくれた。

 10時にスヴェータがホテルに来て、雨の中を市内観光に出かけた。先
ずスパースカヤ教会へ。ここは今は博物館で教会ではない。緑色の屋根の
高い鐘楼がある美しい建物である。入場料は外国人40ルーブル、ロシア
人15ルーブル(昨日の美術館と同じ)。屋上まで行くとプラス10ルー
ブルと言われ、せっかく来たのだから上まで行ってみることにする。鍵を
持った案内の女性に導かれ、2階の展示室から狭くて天井が低く、白いペ
ンキが壁にも天井にも塗られた急な階段を登っていく。途中、二つの部屋
を通って、屋上に出る。去年までは二つ目の部屋(大小たくさんの鐘が展
示されていたが、今回見たときには大分少なくなっていた)までしか行け
なかったが、屋上まで開放して10ルーブル取ることにしたのだろう。高
層ビルのないイルクーツクではこの教会の屋上どこよりも高いのではない
だろうか。屋上の鐘楼からイルクーツクの町が一望できるという訳ではな
いが、バガヤブレーニエ教会、カトリックのポリースキー教会、アンガラ
ホテル、州庁舎、永遠の火、アンガラ川、ちょっと遠くにズナメンスキー
修道院が見えた。写真を撮って下に降り、2階の展示室を見て回った。昔
からイルクーツクに住んでいたブリヤート人達の展示室から始まり、奥に
はロシア人がやって来てからの展示物があった。教会関係の展示物が多く、
イコンや法衣などがたくさんあった。また、革命後イルクーツク最大のカ
ザンスキー教会(現在のキーロフ広場の場所に建っていた)が壊されてい
るときの写真もあった。2階の展示室を出ると階段の反対側におとぎ話の
絵や道具が置いてあり、お姫様のベールをかぶって写真を撮ったらどうだ
というので、写真を撮っていたら撮影料25ルーブルを払ってくれとおば
さんが来たので払う。これで博物館の中をどこでも自由に写真を撮って良
いと言うので、展示室に戻って数枚写真を撮った。

 
   王様とおきさき            水汲みに行く女性

 スパースカヤ教会を出ると、まだ雨が降っていた。雨の中をバガヤブレ
ーニエ教会へ。外は修理中であるが、中では日曜のミサを行っていた。や
はり年輩の人が多いが、若い人もちらほらといる。
 次に行ったのは、ズナメンスキー修道院。ここへはバスがないのでタク
シーを捕まえて行く(片道30ルーブル)。向こうに着いたら、運転手が
「帰りはどうする。待っているから帰りもどうだ」と言うので、帰りは博
物館まで頼み、往復で70ルーブル(280円)ということで手を打った。
ズナメンスキー修道院は、7年前子どもたちと一緒に来た時に写真を撮っ
た場所がそのまま残っており、なつかしかった。修道院の中は天井にも宗
教画が描かれていて、とてもきれいだった。右側の部屋では子どもの洗礼
の儀式をやっていた。

 雨の中を待っていてくれたタクシーで博物館へ。アンガラ川の方へ行っ
てみるが、風が強くて寒い。お天気の時には飲み物を売っている店が繁盛
しているが、この日はお客さんは全然いなかった。博物館にはいるとすぐ
にお土産屋さんがある。毎年ここへ来るので、店の人は私のことを覚えて
いると言っていた。妻が白樺の木の皮で作った手鏡を買い、私は磁石付き
のマトリョーシカを買った。ロシアの政治家のマトリョーシカもあり、最
新のプーチン、エリツィン、ゴルバチョフ、ブレジネフ、フルシチョフが
セットになったものが売られていた。その後博物館を見学したがあまり面
白いものはなかった。

 ここを出て休憩しようと、市場の近くまでまたタクシーに乗る(20ル
ーブル=80円)。雨で通りはいたる所大きな水たまりがあり、その大き
さが道路の幅の3分の2くらいもあるので、水たまりを避けて歩くのは至
難の業である。ボリショイ通りから市場へ行く道の途中にあるスカースカ
(おとぎ話)と言う名前のカフェーに入る。私は蜂蜜付きのブリヌイ(日
本のクレープみたいなもの)とレモンティー、妻はブラックコーヒー、ス
ヴェータは松の実が入ったアイスクリームとコーヒーを頼む。コーヒーは
インスタントではなく、本物だった。トイレも利用したがきれいなトイレ
だった。全部で57ルーブル、チップも入れて60ルーブル払う。ここで
しばらく休憩した後市場へ。

 相変わらず雨は降り続け、大きな水たまりがあちこちにでき、サンダル
しか持ってこなかった妻はもう足がびちょびちょになっていた。市場の中
に入ると、いろんな食品の匂いでむっとする。実にいろいろなものが売っ
ている。魚、肉、野菜、果物、パン、チーズ、缶詰、お菓子、ケーキ、チ
ョコレート、水、たばこ等々。肉は豚の頭や、毛をむしっただけのかしわ、
大きな牛肉の固まりが売られていて、日本のように薄く切られた肉などは
ない。魚は塩漬けと、薫製がほとんどだが、1カ所だけ、水槽の中で泳い
でいる魚を売っている店があった。この市場でイクラ(100グラム入り
80ルーブル=320円)の缶詰を3個とキャビア(113グラム入り3
00ルーブル=1200円)を1個買う。そして隣のデパートで友人に頼
まれていたカセットテープを買う(16ルーブル=84円)。申し訳ない
ような安さである。

 外は相変わらず雨で雨足は強くなっている。タクシーでホテルに戻り
(20ルーブル)、ちょっと休憩する。スヴェータに帰りの飛行機のリコ
ンファームの電話をハバロフスクのダリアビア航空にかけてもらう。今回
は通じて無事リコンファームができた。

 3時過ぎにホテルを出て、スヴェータの家へ。雨で道が水浸しなのでタ
クシーで行く(30ルーブル)。雨はますます激しくなり、道路もあちこ
ちで冠水している。水たまりに突っ込んで、水しぶきを上げながら走って
いた。坂道の下のところで大きな水たまりができていて、車が2台動かな
くなって止まっていた。私たちの車は大丈夫だろうかと心配しながら見て
いたが、何とか抜け出せ、3時半頃にスヴェータの家に着いた。

 みんなスヴェータのお母さんの誕生日プレゼントや花束を持ってきてい
た。年輩の人もきれいに着飾っていて、みんな魅力的な人ばかりだった。
お客さんは弁護士の同僚(スヴェータのお母さんは最近仕事を辞めた)、
友人のお医者さん、近所のご夫婦、イーラ(昨日行った家の)、お母さん
の妹さん、スヴェータ、スヴェータのお兄さん夫婦、そして私たち夫婦。

 
スヴェータのお母さんと友人のお医者さん      長男ワレーラ夫妻

長男の妻マリーナとイーラ


             
現役の弁護士さんと妹さん

 最初にスヴェータのお兄さんのワレーラが今日来ていただいてありがと
うという挨拶をし、続いて弁護士の同僚(80歳でまだ現役で働いている
という方)がスヴェータのお母さんの仕事ぶり、人間的な暖かさなどをお
祝いの言葉の中で述べられた。順番にお祝いの言葉をを言わなければなら
ないのかと、思って一瞬緊張したが、お祝いの言葉は彼女だけだった。お
兄さんのワレーラが今日のホスト役でみんなにお酒を勧めて回っていた。
私も彼の隣に座っていて、ウォッカを勧められ、大きめのリュームカに注
いでくれるので飲んでいたら、飲み過ぎてしまった。9時にタクシーでホ
テルに戻る。風呂にも入らずすぐに寝た。妻は飲んでいないので、日本の
子どもたちに電話したそうだ。
 


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