<<< BEST ALBUM - 2003 >>>


SECTION 1 - AFRICA / NEW RECORDING

[NO.1]
[NO.2]
[NO.3]
[NO.4]
[NO.5]
[NO.6]
[NO.7]
[NO.8]
[NO.9]
[NO.10]

NO.1 : LIVE AT UNION CHAPEL (DVD) / YOUSSOU N'DOUR
NO.2 : ZION ROOTS / ABYSSINIA INFINITE
NO.3 : BOWMBOI / ROKIA TRAORE
NO.4 : BOOMRANG / DAARA J
NO.5 : REBEL WITH A CAUSE / KABELO
NO.6 : PALMWINE A GOGO / ABDUL TEE JAY
NO.7 : HAAI BO / ARTHUR
NO.8 : EL CONGO : RUMBA CONGOLAISE
NO.9 : CONGO LIFE / KEKELE
NO.10 : FOLY! : LIVE AROUND THE WORLD / HABIB KOITE & BAMADA

the next numbers:
FRANCAFRIQUE / TIKEN JAH FAKOLY
KONGO SIGUI / SUPER RAIL BAND DE BAMAKO
FII AK FEE / VIVANE ET LE JOLOF BAND
ZAMBIA ROADSIDE - MUSIC FROM SOUTHERN PROVINCE
KRIE / SALEM TRADITION

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SECTION 2 - AFRICA / REISSUE

[NO.1]
[NO.2]
[NO.3]
[NO.4]
[NO.5]
[NO.6]
[NO.7]
[NO.8]
[NO.9]
[NO.10]

NO.1 : WHY BLACK MAN DEY SUFFER / FELA KUTI
NO.2 : OMO WUNINI, SYNCRO SYSTEM MOVEMENT, DR.SEHINDEMI,
------ORO T'ONLO
(4 titles) / KING SUNNY ADE
NO.3 : THE BEST OF THE CLASSIC YEARS / KING SUNNY ADE
NO.4 : SYNCHRO SERIES / KING SUNNY ADE
NO.5 : DAKAR SOUND VOLUME 9 : MEANWHILE IN THIES...
------ / ROYAL BAND, DIEUF DIEUL
NO.6 : FANTA DAMBA DU MALI VOL.1,2
NO.7 : YOUSSOU N'DOUR ET LE SUPER ETOILE DE DAKAR - VOL.2,3,4
NO.8 : T. P. ORCHESTRE POLY-RYTHMO DE COTONOU
NO.9 : ETHIOPIQUES 17 : TLAHOUN GESSESSE
NO.10 : THE BEST OF ADLIB YOUNG ANIM OF STARGAZERS FAME

the next numbers:
THE NGUNI SOUND : SOUTH AFRICA & SWZILAND 1955 '57 '58
TRIBUTE TO E.K.NYAME

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SECTION 3 - WORLD MUSIC (or TRANS-MEDITERRANEAN MUSIC)

[NO.1]
[NO.2]
[NO.3]
[NO.4]
[NO.5]
[NO.6]
[NO.7]
[NO.8]
[NO.9]
[NO.10]

NO.1 : CANCO DE DONA I HOME / L'HAM DE FOC
NO.2 : LIVE / ELEFTHERIA ARVANITAKI
NO.3 : THE CLASSIC EGYPTIAN SONGS FROM THE EARLY 20TH CENTURY / SAYED DARWISH
NO.4 : AFIEROMA STON MARKOS VAMVAKARIS - LIVE / GIORGOS DALARAS (CCCD)
NO.5 : RUHANI OYUN HAVALARI / BABA ZULA MAD PROFESSOR
NO.6 : ESSAOUIRA FESTIVAL GNAOUA
NO.7 : LE FESTIVAL AU DESERT
NO.8 : TO THE END OF YOUR HEAVEN / HARIS ALEXIOU
NO.9 : LIBERATION / KARSH KALE
NO.10 : O MAR... / MARIA TERESA

the next numbers:
SOUK SYSTEM / GNAWA DIFFUSION
DEB (HEART BROKEN) / SOUAD MASSI
THE SECRET OF THE ROCKS / KRISTI STASSINOPOULOU
HAYDAR HAYDAR : MASTERS OF TURKISH MUSIC
MAQAMS OF SYRIA : FIELD RECORDINGS BY DEBEN BHATTACHARYA
THE ALBUM / PANJABI MC
LOS TROVADORES DE ORIENTE / TRIO MATAMOROS
MAMBO SINUENDO / RY COODER & MANUEL GALBAN
RADIO BAKONGO / BATATA Y SU RUMBA PALENQUERA
A PROCURA DA BATIDA PERFEITA / D2

THE BEST VIDEO:
LA TAWA / ZEBDA

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■ SECTION 1 : AFRICAN NEW RECORDINGS ■

充実作が多かったものの昨年ほどではなく、その分だけやや物足りない1年だった。何より決定打のなかったことが、ユッスー・ンドゥールのDVD作品の1位に繋がった。ジジかロキアが1位でも良かったのだが、やはり今年はユッスー・ンドゥールの年だったと思う。インターナショナル向けには昨年リリースされた『NOTHING'S IN VAIN』が1月に日本でも発売になって絶賛され、8月の東京JAZZでは圧巻のパフォーマンスを披露。何より3月に「イラク攻撃」に反対して北米ツアーをキャンセルする声明を出したことは、たいへん衝撃的で、アフリカ音楽に関して2003年最大のニュースとなった。ただ、当サイトでは『NOTHING'S IN VAIN』は2002年作扱いなので、苦肉の策として、新作DVDの方を1位とした。ジジやロキアにしても、ユッスーのこのヴォーカルにうち勝つ作品までには至っていないと思う。

『SPECIALIST IN ALL STYLES / ORCHESTRA BAOBAB』や『HOMECOOKING / TONY ALLEN』なども今年の話題作・代表作ながら、『NOTHING'S IN VAIN』と同じく2002年作扱い。なので、他のメディアでのベスト10等とはタイムラグを生じているかも知れない。

2位のジジと3位のロキア・トラオレはほぼ互角の素晴らしさ。ジジのアルバムは作品を通してのグルーヴが最高で、さほど小難しいことをやっていない分、とても楽しめた。ピーク歪みが耳障りなことがほとんど唯一の難点。研ぎ澄まされたサウンドの中に彼女らしいメンタリティーが込められたロキアの作品の方は、いまだにストリングスが最大の不満。

4位のダーラ・ジィはラップ/ヒップホップ作品で、6月に観たライブも最高だった。ルックスも良く、アフリカン・ヒップホップの中では彼らがナンバー・ワンだろう。新作の方は、そこにスパニッシュ風味なども加味した充実作。CCCDながらランクイン。

個人的にベスト10作として納得しているのは実は4位まで。ここで止めてしまいたいと考えつつ、ここ1週間ほど5位以降をあれこれ入れ替えを繰り返したものの、どうにも結論が出ない。結局悩みながら選んだのは、カベーロの2002年リリース作。ちまたでは最新作の『AND THE BEAT GOES ON』の方が人気らしいが、個人的には前作前半のカラフルさに愛着がある。トンプソン・ツインズの例のカバー曲にもすっかり馴染んでしまった。

6位のパームワイン作は、作品のレベル云々を抜きにして気軽に楽しめる推薦盤ということでランクイン。体調悪くライブを見逃したことが残念。

石田昌隆さんが『ミュージック・マガジン』で南ア音楽事情をレポートし、荻原さん&原田さんが南ア現地盤を日本に大量に持ち込み、そして高橋さん&田中さんがインポートを開始したことで、本邦でも大ブレイクした、南アのクワイト/ヒップホップ。今から振り返ると、北中さんらの主催で年頭に渋谷で開催されたワールドミュージック・パーティーに、石田さんがアーサーのCD『HAAI BO』を持ってきたことがきっかけとなったのだった。7位に選んだこの作品のカッコ良さにはいまだに参っている。もちろん、アバ・シャンテやマキフィゾロ、ゾラらの新作も良かったが。

8位の『EL CONGO』は特段新しいことをやっていない分ベテラン達の良さが出た一作でのこの1年愛聴した。海外を含めて一般的には9位ケケレの『CONGO LIFE』をトップに選ぶ人が多いだろうと思う。楽器編成なども含めて従来のコンゴ音楽にはなかった新感覚に溢れた作品で、そうした点はタイプは異なるけれどダーラ・ジィとも共通している。ただし何故か聴く気(機会)が全然ないままだったので、いったん選外としたものの、やはりそれでは不味いかと考え直し最終段階でランクイン。10位のアビブにしても待望のライブ作品ながら、同様に全然聴いていないので、ヴィヴィアンかクンバ・ガウロのデュオ作と入れ替えようかと考えたが、まあアビブの方が順当でしょう。

2003年最大の問題作は、何と言ってもユッスー・ンドゥールの『SANT』。年末届いたばかりであり、インターナショナル・リリースは年越しとなるようなので、この作品の評価は2004年にまわすこととします。

全体を眺めると、マンディング・ポップやスークースなどが全然入っておらず、従来通りのアフリカン・ポップにはすでに面白みは見いだせないことがよく分かる。アフリカという枠を取り払った新感覚な作品がやはり面白い。アフリカン・ポップというジャンルの溶解が、望ましい形で進行している。(2003/12/16, 18)



■ SECTION 2 : AFRICAN RE-ISSUES ■

リイシューの方は西アフリカ、そしてキング・サニー・アデの完勝。サニー・アデの60年代末〜80年代初頭の録音をリイシューさせた6枚のCDは、彼の凄さを改めて知らしめるに十分なものだった。特に60年代のシングル/EPが発掘されたことは衝撃的だった。なので、アフリカン・ソングスのCD4枚はまとめて2位扱い。個人的には最初に出た3位『THE BEST OF ...』でサニー・アデ熱が復活したこともあり、別ページにアップ中の個人ベストではこちらを選んだ。もちろん音楽内容のみで判断すれば、サニー・アデがベストの時期に録音した4位作が最高だが。実質的にはこれら6枚まとめて第1位としても構わないくらい。

これら一連のサニー・アデの作品群を抑えて1位に選んだのが、70年代の録音完結と相成ったフェラ・クティの71年作。繰り返しになるが、LP片面を費やす長尺スタイルがここで完成したことは見逃せない。音楽自体の水準はサニー・アデの作の方に軍配が上がるが、フェラのこの作は、激レアLPのリイシューが与えたインパクトも加点要素となった。

5位と8位はそれぞれのキラー・トラックを聴くだけでも十分に価値がある。6位のファンタ・ダンバは堅実な作りの名録音集。来年こそ日本配給に期待したい。ユッスーの3種はマスト・アイテムながら、録音状態の悪さが惜しい。エチオピーク・シリーズもどれも良かったが、年末に出た17集が一番強烈だった。ハイライフ・ファンを歓喜させたスターゲイザーズは、ずいぶん前のリリースだし、決定版と言えるほどの内容でもないが、年末に国内盤も出たということでランクイン。ヒュー・トレイシー・シリーズは全て充実した内容だったが、『KANYOK & LUBA』や『ORIGINS OF GUITAR MUSIC』といった傑作と比較すると見劣りしてしまい、残念ながらランク外。(2003/12/16, 18)



■ SECTION 3 : WORLD MUSIC ■

今回はワールド・ミュージックのベスト10も作ろうと考えたのだが、いざ始めて見るとアフリカものをどう入れたらよいのか判断がつかなくなってしまったので、取りあえず除外。無理に一緒にしてランク付けするとすれば、ジジとロキアがランクインかな? だけどそうするとユッスーを選外とするのは矛盾してしまう。しかしそれ以上に難題というか意外だったのは、環地中海音楽のCDばかりになってしまったこと。9位のカーシュ・カレをグナワ・ディフージョンかスアード・マッシに入れ替えると、そのまま環地中海音楽のベスト10になってしまう。キューバもブラジルも入らないというのは、あくまで個人的趣味が露呈したまでか、それとも、、、。

年末リリースされたゼブダの新作は、ライブである上、CD+DVDという特殊な作品であるため、ベスト10内での順位付けが困難なので、特別賞として「ベスト・ライブ賞」を。

それにしても環地中海音楽盤のジャケットの美しいこと。10枚こうして並べて眺めているだけでもワクワクしてしまう。このジャンルのとんでもない充実振りがそのまま反映されている。(2003/12/16, 18)


(2003/12/16, 18)

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