しげぼうの言いたい放題

 


・マスコミがもたらした参議院選自民党勝利(2001年08月02日)

参議院選挙が7月29日に行われ、自民党が65議席獲得して勝利を収めた。 小泉人気が自民党を勝利に導いたと言われているがそれだけではない。今回の場合 マスコミの力が大きかったと私は分析する。

第一に、不思議なのは新聞の立候補者の一覧に所属派閥が明記されていなかった ことだ。かつては新聞で立候補者の一覧を載せるとき、自民党の候補者に対しては、かっこ 書きで所属派閥を明記していたのに、それが全くなかった。 今回のような選挙では、有権者は、自民党の候補者が改革支持者か守旧派であるのかを見分 ける必要があり、派閥というのはそれを判断する大きな目安となるのだ。私は朝日新聞を読 んでるのだが、少なくとも朝日に関しては、新聞を見ても全くそれが明記されていなかった。 勿論自民党に派閥がなくなった訳ではない。それどころか、小泉総裁が派閥を出ろと言った のに、殆どの立候補者が派閥を抜けなかったのである。 これは、少なくともマスコミが自民党を勝たせるために、意図的に肝心なことをぼかした としか思えない。選挙が済んでから、橋本派が一番増えたなどと報じられたが、有権者 としては何を今更という感じだ。

第二に、反対政党に対する圧力である。 社民党の「本当に恐いのは、人気者の顔をしてやってくる・・・」という例のCMである。 別に、小泉とか自民党とかキーワードは出ている訳ではない。それをどこのテレビ局も 放映しなかったというのだから狂っている。社民党支持者でなくても疑問を感じる方が 多いと思う。

その他、投票日目前には、テレビ朝日で各政党の討論が予定されていたのがドタキャン にしてしまった。 政策なども突っ込みがまるでなってない。構造改革の総論ばかりで具体性のない自民党を 突っ込まないし、山崎幹事長などは調整インフレ政策を行なう考えも示していたのに 小さく紙面の片隅に記事にしていた程度だった。 自民党に脅されていたのか、熱狂的な小泉支持の国民に迎合していたのかわからないが、 自民党の都合の悪いものは有権者に見せまいとするマスコミの姿勢がこれほどあからさまに なった選挙を他に知らない。

だが、有権者は今回の選挙を白けた目で見ていた。投票率56%と3年前と比べても、2〜 3%ダウンしているのがそれを物語っている。 マスコミは、今回の選挙結果を自民党と連立与党の大勝利などと報じているが、ふざけるな である。自民党が増えたのは4議席のみ、公明党は変わらず、保守党は2議席減少で全体で は、連立与党はプラス2議席である。定数減はあるも、そこそこの勝利くらいでしょう。 あれだけの小泉人気とマスコミの後押しがあれば自民党は単独で70を超えても不思議で なかった。 そうならなかったのは、自民党に自己矛盾するものがあり、有権者も薄々ではあるが気付いて いたからに他ならない。


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