|
大瀬 陽之
|
第一日の講座内容は前号でお知らせしましたので,第二日,第三日の概要について以下にお知らせします。 第二日幹事荻原多聞さんが「防災と福祉と介護」と題して,ご自身の災害救援ボランティアやホームヘルパー等の経験に裏付けられた講話が展開されました。 防災と福祉のまちづくりには隣保の心が大切,隣保ネットワークの主役としてのセフティリーダー(災害救援ボランティア)の重要性,超高齢化社会の介護は快護であるというユニークな視点,防災と福祉の住まいづくりに防災福祉住環境のコーディネートの必要性等が語られました。 続いて防災ボランティアと地域の連携について事務局長大間知倫さんが話しました。災害時におけるボランティア活動の実態について,安政江戸地震,関東大震災,福井地震,新潟地震における奉仕活動の実態を紹介しました。関東大震災の時に新潟市の青年団が横須賀に応援に来たことは『新潟市史』に記載されているが,『横須賀市史』には記載されていない。姉妹都市として海外偏重でなく新潟市等も検討されてもよいのではないかと意見を延べました。地元ボランティアの重要性については地域の被害想定をすれば理解できるとして,日限山の例を引用判りやすい説明があり,神戸市の防災福祉コミュニティの図解説明もされ,社会構造の変革に対応したコミュニティの構築,防災教育の体系化が語られました。 最後は相模原市保健福祉部保健福祉総務課主査古井隆−さんより,相模原市の「災害弱者支援策」について同市の「地域防災計画」,「自主防災組織活動基本計画・活動支援マニュアル」,「災害弱者支援班の職員体制」,「災害弱者支援訓練への対応」など豊富な資料を駆使して講話がありました。相模原市では「自主防災組織のための災害弱者支援マニュアル」、「災害弱者支援対策指針」等が整備されている県内唯一の自治体です。今後の課題は自主防災組織にこれらの施策が理解され、如何に浸透していくかに係っています。 私たちはこれらの資料と解説を参考に,地域で高齢化社会への対応を早急に進めなければならないことを痛感しました。 第三日幹事野上純輿さんから「大火災(火災旋風)と放射能からの避難とまちの防災体制」と題してお話がありました。火災旋風については本所被服しょう跡の関東大震災,太平洋戦争末期の東京大空襲,横浜大空襲等の事例が発表されました。 また,放射能災害については最も心配な浜岡原子力発電所について詳しく解説がありました。またこれらは「神奈川新聞」の提言籍や「横浜緑港北新報」の週間放談7例等を紹介して展開されました。更にまちづくりには開発により災害に弱い環境が作り出されている矛盾を指摘されました。 最後に神奈川県福祉部福祉総務室主幹小宮山登使雄さんより「災害時の福祉行政」について現在作成中の「災害マニュアル」(平成13年3月完成予定)を基にして,福祉部の役割,市町村等の関係等を中心に解説があり,災害が発生すると福祉総務室は救助情報班として,障碍福祉課は施設対策に従事する予定であり、救助情報班が備蓄しているのは毛布6万枚だけでこれらは県立高校の空き教室に分散備蓄しているという説明がされました。 「阪神・淡路大東災」の教訓を生かし県の役割を明確化し,市町村の対応が促進される施策が推進されつつあることが発表されましたが,受講者からは心配の発言もありました。 |
|
矢島泰造 ヨコスカ防災研究所
|
★★★転倒判別式★★★ |
|
高嶋 三郎
|
|