第21号(2001年1月1日)

新年の挨拶(21世紀を迎えて)
都市防災研究会 代表 三浦 隆
     会員の皆様、明けましておめでとうございます。

     阪神・淡路大震災を契機として設立した本会も会員皆様のご尽力により,会員が増加し、おかげさまで神奈川県・横浜市等の防災関係機関、他の地域防災関係機関との関係も次第に広がってきました。

     本会の防災活動は極めて多彩で、各界から注目を集めています。特に“三宅島噴火・地震焦に先立って行なった”三宅島防災の旅(1999年)を機縁として、三宅島噴火・地震に被災された皆さんとは深い連携をとっています。

     今や三宅島の後は首都圏地震も間近いのではないかとの不安から本県だけでなく,国・
    東京都・その他首都圏各県で防災の準備が急ピッチですすめられています。<備えあれば憂いなし>の覚悟も新たに,2001年を“防災元年”と位置付けて万全を
    期して頑張りたいと思います。



都市防災研究会会員に強い危機感
     市民のためのまちづくり講座(10月29日実施)で実施した防災意識アンケートでは
    5年以内に神奈川県に被害をもたらす大地震があると考えている方は80%にも達しまし
    た.一般聴講者も3人に1人がそう考えておられます。これは10月中に神奈川県消防関
    係者に開いたゼロ、セフティリーダーの10%を大きく上回っています。



新春インタビュー 本間 勝さんに聞く

大間知事務局長 あけましておめでとうございます。今日は21世紀の初頭にあたり,会員の本間さんが横浜市の商工会議所で「阪神・淡路大震災」以後防災連絡会議で取組んでおられる内容を中心として,お話をお聞きしたいと思います。最初に本間さんの防災連絡会議における立場からお話ください。

本間 勝 会員 現在私は「神奈川県情報サービス産業協会横浜市渉外部会」のメンバーとして,年2回開催される「横浜商工会議所産業防災会議」に出席しています。当初は,横浜市直属の機関として発足したのですが,その後所管が商工会議所に移管されたものです。

事務局長 会議にはどのような立場の方が出席されていますか。

本間会員 直近の会合では,商工会議所(委員長)・有識者(吉井博明副委員長)・横浜市商店街総連合会代表・横浜市工業会連合会代表・日本チェーンストア協会代表・神奈川ビルヂング協会代表・神奈川県情報サービス協会代表2名・横浜回漕協会代表・横浜市・区役所(保土ヶ谷区)等が参加しています.この他事務局メンバー数名が出席しています。

事務局長 そこで話し合われる内容や何か決定したり,或いは横浜市の地域防災計画に反映されるようなことがありますか。

本間会員 そこでは主として中小企業が震災後いち早く活動できるように,復興資金の確保がスムーズになるようなことが話し合われています。「兵庫県南部地震」では神戸市・西宮市・淡路(津名)に中小企業相談所が開設され,中小企業の早期復興に力を揮したように,ワンストップセンターの開設などが検討されています。
 また最近は神奈川県防災局管理担当課長酒井俊夫氏から「神奈川県における防災対策への取組について」という講話もありました。

事務局長 いよいよ21世紀に入るわけですが,そこでは20世紀の防災について総括反省し,21世紀新世紀に目指すべき防災のテーマが論議されていますでしょうか。

本間会員 そのようなことは行なわれていませんが,私は前回の会議で次の三点について提案致しました。

  1. この会は市民団体等市民の立場からの発言も聞くべきではないか」例えば「都市防災研究会」等からも防災についての意見を聴取すべきである。
  2. 横浜市商工会議所は防災についてボランティア・リーダーの育成やマニュアル作り,活動しやすい環境提供等に努めると良い。
  3. 会議の昼食は防災用備蓄食料等の試食を行い研究すると良い。

事務局長 本日は海外出張等でご多忙にも関わらず負重なお話有難うございました。今後も会の活動を含めて行政・自治体などへの働き掛けを期待しております。最後に何かございますか。

本間会員 海外へ行って感じたことですが鳥がいないことに篤きました。ベトナムではアヒルを2羽見たほかは鳥を見ることがなく,台北でも雀・カラス・鳩も全然眼にすることがなく,日本に帰って家に雀が来てくれてほっとしました。21世紀は環境問題が更に深刻になることを心配しています。





「研究会は市民運動・学術的な研究両者の性格を持った方向とすべき」
が会員の圧倒的意向
アンケート結果まとまる
     昨年来役員会・一般会員参加の特別会議・総会の場,ニューズレター等で検討してきた研究会活動の方向性が,10月に実施したアンケート集計の結果がまとまりました。

     今回のアンケートは142通の対象者に発送しましたが,51名の方から回答が寄せられました。回収率は35.91%で総会等に比べれば,かなり多くの会員がご協力頂いたものと感謝しております。
     会員の性別は男41名 (80.4%),女10名 (19.6%)です。
    女性会員が24名であることを考えれば,女性の方が熱心に回答して頂いたようです。
     今後の研究会の性格について,
      学術的な研究を中心とすべきが4名(7.8%),
      市民運動的な活動を中心とすべきが10名(19.6%),
      両者の性格を持った会とすべき32名(62.7%〉,
      NPO法人とすべき8名(15.7%),
      不明1名(2.0%)
    という結果となりました。

     以下全項目について詳細にコメントしますと,紙数が足りませんので,各項目の1位のものだけご紹介致します.

     研究会入会の時期 1998年 22名 (43.1%)
     研究会入会の動機 人に勧められたから 25名(49・0%)
     研究会入会壌の活動 会の催しに出席 41名(80.4%)
     ニューズレターについて 毎回よく読む41名 (80.4%)
     ニューズレターの内容   役に立つ27名(52.9%)、分かりやすい25名
     研究会の設立目的  知っている 31名 〈60.8%)
     研究会活動  今のままでよい24名 (47.1%〉,ミーティング等19名
     今後の参加  積極的に参加したい26名(51.0%)
            ニューズレター等で情報を知りたい 23名 〈45.1%)
     都市防災関連資格  建築士12名 (23.5%)
     インターネット加入  27名(53.0%)
     会のH/Pを知っている 26名(51.0%)
     会のH/P見たことガある 11名 (42.3%)
     防災関連団体加入 当研究会だけ 26名(51.0%)




高校総合教育に 「地域防災」 検討の動き
     少子化に伴い神奈川県でも県立高校の整理統合が検討され,平成17年度には現在の20校が減少し,新しいタイプの高校が6校誕生するようです。2003年から新教育指導要鎖に基づく総合教育が実施されます。総合教育学習は卒業までに3〜6単位習得することが必要で,1単位は35時間ですので105〜210時間の学習をすることになります。
     県立高校推進計画によれば地域との連携を深めることが強調され、地域の有力な人材を総合学習に活用し,また地域に生涯学習の場を提供することもされます。

     先日県立舞岡高校の英語の教師が大間知宅を訪問され「どうする!!地域防災」を3冊分けて頂きたいと申出がありました。英語の先生が何故地域防災かとお尋ねしたところ,総合学習に地域防災を検討したいというお話でした。本は校長室の戸棚で発見したということで,地域防災が高校教育の現場で採用されれば本県でも初めてのことではないかと思います。今後の動きを見守りたいところです。尚総合学習は部分的には申請により,許可がおりた学校では既に一部取り上げているようです。



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