風のささやき

5月の終わり運動会にて(断片)

目立つ子のいる目立たぬ子もいて

体動かすこと楽しい時分

目が合って気づいたはにかんで笑った

入場門から入り退場門から出るわずかな間の踊り

心から応援している声張り上げている

自分の子が負けると競わせる必要があるのかと思ったり

気に入った踊りある肩車の子静まる

眠った子膝に置き伸びた爪気にする

夏の入口の陽ざしだ鼻の頭痛い

蟻に素足かまれている熱中して

皆で食べたおにぎりの味覚えてはいないだろうが

こうしてまた一つ年を重ねて行くのかな

風は思った以上に無口だ