心通わせるときに
たくさんの言葉を感じた 語りかけられてもいないのに 春風のような温もりに 少し恥じらう菫のような その表情は手に取るようにわかった うつむいたままなのに 青く澄んだ湖が すべてを映して見せてくれるように こんなにも分かりやすいもの この世にあることが 不思議な位で 黙っていても 心が通じる楽しさは どれだけ心を強く 奮い立たせるだろう 背中には太陽のような 温かな手のひらをいつでも感じる 喉元の言葉は 芽吹く新緑の勢いで たった一つの目配せがあれば良い 幾千もの説明も 幾万もの議論も 必要はなくて それぞれの 思いの森に深く歩み また出会う約束 木漏れ日に二人休む 分かち合う木の実に 喉を潤して 心通わせるときに 澄んだせせらぎは流れ 陽光の踊る眩しい心地よさ あなたの胸から流れる その水脈につながり 喉を潤し豊かさを増す 白い羽根に耳をくすぐられるように 新緑を映すその透明な瀬音 いつでも耳に携えている