風のささやき

ハーブたちの歴史

 最初の入植者はミント氏。2年ほど前に某所のハーブ園からやってきた。その年の入植者はミント氏のみ。冬になるとミント氏は茶色のすっかりと無残な姿をさらし、死亡説も流れたが、春になると再び元気な姿を見せる。少しの養分を与えると、ミント氏はさらに立派な出で立ちになり、Shimbo氏を感動させる。それをきっかけにShimbo氏がベランダ開放政策を推し進め入植者が殺到した。

 もっとも当初の入植者はハーブたちだけではなく、苺系の実をつけるベリー諸氏であり、ベリーの村々の方が栄えていた。ハーブの血を引くワイルドベリー氏×2を始め、ブルーベリー氏、すぐり氏(異人)、ブラックベリー氏、クランベリー氏、ラズベリー氏等が次々と住人となる。これはShimbo氏がジャムを作ったりするという大きな野望のため、実のなるベリーたちを誘致、優遇措置を施したためであり、後にジャムが出来る程の収穫量が難しいと分かり、優遇措置は誤りであったと認められた。

 この後、ハーブの本を買い込んだShimbo氏が、その本に掲載されていた料理の数々に魅せられ、食べられるハーブたちの一斉入植を進めた。なお、このころ実際にミント氏をお茶に入れてみるなどの実験も密かに重ねられていたらしい。

 これを契機として、紫蘇氏、イタリアンパセリ氏、バジル氏(なおバジル氏は種からの入植)、スイートマジョラム氏、ヒソップ氏、チャイブ氏、オレガノ氏、レモンバーム氏、ローズマリー氏、ステビア氏、フレンチタラゴン氏、ゴールデングローブ氏が入植、どさくさにまぎれあまり食べるのには適さないハーブたちも住居を構えた。例えばサントリナ氏、セージ3兄弟(パイナップルセージ氏、メド―セージ氏、ラベンダーセージ氏)である。また、近隣には赤唐辛子氏、オリーブ氏×2種類、コーヒーの木氏がそれぞれ居を構えた。

 その後、生命力の強いミント氏を始めShimbo氏の手を借りずサバイバルに励んでいるところ。幾人かの住人たちはこの世を去り、新しい住人が新たに入植。メンバー構成もだいぶ変わり、今では誰が住んでいるのかShimbo氏も把握していない様子。何時の間にか人の領土に種を侵入させて芽吹いているアウトローも多数出没。仁義無き戦いが繰り広げられているとのことだ。