風のささやき

Shimbo氏、最長不倒距離に届かず!戦略は老獪にね。

 Shimbo氏の属する職場の歓送迎会に参加したShimbo氏。会場は昨年、大きな姉様方にコテンパンに痛めつけられた時と同じあの場所。Shimbo氏の脳裏に苦々しい思いが湧いてくる。「ほんとにあれは、高い高い壁だったよ。いつか乗り越えなければいけないと思い、日々精進を重ねたけど、結局乗り越えられないままだったよ」
 Shimbo氏のチャレンジを揺るぎもしない山脈のように、何度も跳ね返してきた姉様方。「打倒姉様方」だけを心に刻み、一年を過ごしてきたShimbo氏にとって、山脈のように世の高い姉様方の異動のショックは大きい。
 昼間は白昼夢に現をぬかし、燃え尽き症候群気味のShimbo氏であるが、それでも新しい姉様方も加わり、「何か新しい打倒」を見つけられそうな予感もしているという。それが新しい姉さま方に向かうのか、他に向けられるのかは、今のところ定かではないのだが・・・・・

 さて、そんな職場の歓送迎会は、いつものごとく大人数で賑やかに始まった。新しい姉様課方の出方を伺うべく、なるべく離れた場所に腰を落ち着けたShimbo氏。姉様方には背中を向けながら、机の上に手鏡を置き、気づかれぬように観察を続けていたのだという。「ハハーン、あんな行動を?」「おやおや、どうしたことかね?」「あらまあ、超ビックリ!」 などなど、新しい姉様方を観察するShimbo氏の独り言は、まわりの皆の楽しい酒を不味いものに変えていたという。

 そうして、お酒を控えめに、時には飲んだ酒をハンカチに含ませては吐き出し、新しい姉様方との未知との遭遇に備えていたShimbo氏。宴も終わりに近づき、ついに行動に出た。その動きはまさに、風林火山の風のような素早い動きだったという。透明な米の酒を、真剣な眼差しで酌み交わすShimbo氏と姉様方。「ちょっとでも気を抜いたらやられる。」そんな真剣を喉に突き立てられているような緊張感の中で杯を握り締めていたと言う。
 やがて、時間も過ぎ、歓送迎会もお開きの時間。Shimbo氏の目は真っ赤に血走り、髪の毛は雷に打たれたように逆立っていたという。それでもまだ、Shimbo氏には強がりを言うぐらいの元気は残っていたらしく「まあ、今回は時間切れで許してやったけどね。最初にしては上出来なんじゃない?」などと、息絶え絶えにほざいていたという。

 その後、二次会に向かい、姉様方がグラスに入れた眠り薬にやられたShimbo氏。眠い目をこすりながら駅へ向かうShimbo氏に、誰もが乗り越しの最長不倒距離を期待したという。ところがそこはShimbo氏。過去の何度もの失敗がShimbo氏に老獪な智恵を与えたようだ。混雑した電車の座席に横になって、鼾高らかに眠り始めたShimbo氏。そうしてすっきりと目覚めたのは隣の駅。「けれど、まだ電車が残っていたから、すぐに戻れたよ。まあ、戦術の勝利っていうのかな?」そう、どこか知らない遠くへ行かないように隣の駅が終点の電車を選んで乗ったのだ。「まあ、俺ってほら、策士だから。」と一人ご満悦のShimbo氏。

 しかし、そんなものは戦術でも何でもないと断言するハーブたち。最初から寝過ごすことを前提に考えているShimbo氏の姿勢はおかしいと、批判を強めている様子だ。

今週のおまけ

人間の最長不倒なんてたかが知れているわね!