風のささやき

Shimbo氏は蒸す。炎昼下に蒸れながらもね

ここのところ、蒸すことに目覚めたというShimbo氏。日夜、蒸す物を探して、台所の中をうろついているのだという。もともと蒸し料理には興味を持っていたShimbo氏だが、家にあったせいろを使って焼売を作ったところ、これが子供たちにも大好評。ということで、蒸し物にはまっているのだという。
 
 当然のことながら道具も新調した。家にあったせいろは18センチと小さかったため、24センチの物を買い、「丸いね、これは美しい丸さだね」と、毎日手に取ってはしげしげと眺めているのだという。そうして、蒸し物の本を何冊も購入。
「ほう、これも蒸せるの?」
「え~、こんなのむ蒸しちゃうの、おやおや、一本とられたよ、おじさんは」
などと独り言をいい楽しそうに笑い、Shimbo嫁には「ほら、これ美味しそうじゃない。どう思う?」などと言い、すっかりと嫌がられているのだという。
 
 夏の暑いさなかでも蒸し物をするので、家の中は、すっかりと蒸し風呂状態。クーラーもまったく意味をなさず、家族一同からは大ブーイングの状態であるが、そこは父親の威厳。
「お前ら、美味しい物が食べたかったら、暑さなんか我慢しろ。心頭を滅却すれば火もまた涼しだ!」と一喝。
 皆が外に出かけてしまう中で、せいろの前に仁王立ちで、蒸し加減に集中するShimbo氏であった。
 
「俺の蒸しにかける気持ちは生半可な物ではない!」と断言するShimbo氏。その証拠に事あるごとに近くの入浴施設のミストサウナに入り「蒸されている物の気持ち」になるそうだ。汗を垂らしながら、暑い上記に蒸されるShimbo氏。「蒸される側のことを考えずに、真実の蒸し料理は完成しない」というのが、その言い分だ。ミストサウナに入っていると、こういう風に蒸されるんだなというのが良くわかり、蒸し加減を極めることにも役立つということだ。
 
 当然のことながら、家族から胡散臭く思われているShimbo氏。ハーブたちも、蒸されたらたまらないと、ここのところ、話も聞かないそうだ。
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