Shimbo氏、流しになる。フォークソングならお任せね
ここのところ、週に2回は、友人が3月にオープンしたブルースバーに顔を出しているというShimbo氏。カウンターが4席、テーブルが2つ程の小さなお店だ。まだまだ、お客さんも少なく、たまに、お客さんが来ると、店長以上に愛想がいいというShimbo氏。「はい、お疲れ様、熱いおしぼりをどうぞ」と、クラブのママの状態だ。「今日は、何にしましょう」といってちょっとシナを作って、オーダーを取り、「マスター、ビールお願い、冷たいやつね」などと言って、お客さんのグラスについであげるのだという。酔ってくると、お客さんの膝に手をおいて「ネェ、何か面白いお話をして」と甘い声で、お客さんの耳元で囁くのだという。
「素晴らしいお手伝い。接待の鬼だね、俺は」と自負するShimbo氏であるが、そのうざい状態に、Shimbo氏が接待したお客様が、再度お店を訪れることはないのだという。「気持ちはありがたいが、止めてくれ、Shimbo氏」という友人の声には耳を傾けず、お店のためだから、今日も頑張らなくちゃと営業活動にはげむShimbo氏。客足が伸びないのは、Shimbo氏が、居座っているのが一つの原因と友人は分析しているのだという。
さて、そんなShimbo氏でもほんとうに少し役に立つ時が来た。とある夜、いつものようにShimbo氏が、友人の店で飲んでいると、数人のグループが入って来たのだという。Shimbo氏は、様子を見計らいながら、早速、接待を始めたが、そのうち、場が盛り上がって来て、お店に置いてあるギターやピアノで何かをやろうということになった。店長がギターを披露をして、拍手喝采を受けた後には、Shimbo氏に何かやれとの声がかかった。さて、困ったなと迷っていると、歌を歌うので、ギターを弾いてくれという話になった。それならできるとShimbo氏、ギターを抱えてコードを鳴らし出した。それに合わせて歌うお客さん。一曲終わると、これまた、拍手喝采を受けたのだという。すっかり調子づいたShimbo氏。「さあ、他にはないですか」と何曲もリクエストに応じて、コードをかき鳴らしたのだと言う。最後の方には、歌いつかれたお客さんを尻目に、酔いに任せて、調子っぱずれの歌を歌って嫌がられたというShimbo氏。感極まって涙声にさえなっていたのだという。
「俺って、流しになるために生まれてきたんだと確信したよ」というShimbo氏。店の看板には、汚い手書きで「流しのいる店」と書き込んできたのだという。その話を聞いて、調子に乗らなければいいのにという感想を述べたハーブたち。Shimbo氏の接待が、ますます熱を帯びて、客足を遠のけることにならなければ良いがというのがハーブたちの心配事だ。
今週のおまけ
Shimbo氏の歌、しみるな~