風のささやき

Shimbo氏、チョコクロを愛す。混ざり合え異形の者たち

 ここのところ、K町のサンマルクカフェに足しげく通うShimbo氏。電車に乗っていてもK町の当たりに来るとソワソワと落ち着かなくなるのだという。それは、サンマルクカフェの焼きたてチョコクロがキムチ納豆よりも塩焼きソバよりも好きになったからだという。
 チョコクロはチョコレートが入ったクロワッサンの略。それも焼きたてが美味しい。サクリとしたクロワッサンが口の中に淡雪のように舞い散った瞬間、マグマのように熱くとけたチョコレートが甘く舌を焼くのだ。口の中で混ざり合う異形のものたち。その得もいえぬハーモニー、何と言う至福の経験。
「それはそうさ。あの絶妙なチョコを捜すために、サンマルクの奴はえらい苦労を強いられたのさ。あのベストマッチを捜すことがどれほど困難を極めたのか分かるかね」とShimbo氏。自分が開発に携わったような言い振りだ。

 もともとは、行きつけの店に二次会に行こうとしたところ、サンマルクカフェから何ともいえぬ良い匂いがして、思わず口にしたチョコクロがきっかけ。Shimbo氏と友人は始めて食べるチョコクロにしばし呆然。見つめ合う瞳と瞳。どちらからともなく「もう一個」という言葉が口をついたとのこと。それ以来、サンマルクカフェの前を通るたびに、いい匂いにつられて、パブロフの犬の条件反射のごとくチョコクロに貪りつくShimbo氏であった。
「サンマルクの奴は以前、ウナギ屋で働いてたんだよ。そうじゃなきゃ匂いで客をつるなんて思いつかないさ。東洋の英知がチョコクロの肩に手を置いて微笑んでいるのが俺には見えるよ」とShimbo氏。相当な思いの入れ様だ。

 Shimbo氏がチョコクロを食べるのはだいたいお酒を飲んだ後。二次会をサンマルクカフェでというのがShimbo氏のマイブーム。このマイブーム以来、お腹の贅肉がさらに厚くなったことは一目瞭然。しかしShimbo氏は、それも誇らしことだという。「サンマルク、奴の努力が、俺の血にとけあい、俺を一回りも二回りも大きくするのさ。俺は言わば、命をかけた男の誇りを食べているんだ」

 チョコクロに男の誇りを見るShimbo氏。自分の本職の仕事に誇りを見出して欲しいものだ。

今週のおまけ

ほら、Shimbo氏がチョコクロ食えとよ!