風のささやき

Shimbo氏芋まみれ。肉じゃがはお袋の味!

  それはとある土曜の午前のことだった。いつもの休日のように惰眠をむさぼっていたShimbo氏は、誰かが鳴らす呼び鈴の音に目を覚ました。「何のようだよ、まったく。」と少し怒りながShimbo氏が布団からノソノソと起き出して呼び鈴に応えると、案の定それは宅急便。眠い目をこすりながら荷物を受け取ると、さっさとそれを食卓の上に置き、Shimbo氏はまた布団にもぐりこんで、二度眠を楽しんだという。

  その日の夕方、箱の中を見ると中には大量の野菜。まだ土がついたままの人参、ゆず、ジャガイモ、サツマイモ、里芋。それを見た瞬間、この素材たちの持ち味を最大限に引き出してやらなければと、Shimbo氏の料理人魂に火がついた。しかし、もともと米国でフライドポテトをさんざん食べさせられたShimbo氏。芋には嫌悪感を持っており、芋のレシピもあまり多くはないのだという。
  そこで、本屋に料理の本を立ち読みに出かけたShimbo氏。とりあえずお袋の味、肉じゃがの作り方をチェックし、他に何かいい料理はないか調べたという。本屋に睨まれながらも図々しくすべての料理本を読み尽くしたShimbo氏。中にはShimbo氏が想像したこともない料理も載っており、その度にShimbo氏は「なるほど。」「うん、うん。」「ほんとに!」「ギャフン!」などなど、奇声を発していたという。
  その中でShimbo氏の目についたのは、サツマイモと鶏肉の煮物by塩味。醤油は使わずに酒と塩で鶏肉とサツマイモを煮るのだ。醤油を使わないので肉じゃがとは味も重ならないはず。さっそくレシピを頭にいれて家に戻り、料理にとりかかることにした。

  包丁を握るとShimbo氏は小太りサラリーマンからシェフのそれへと面構えを変えた。そうして目にもとまらず早業で素材を切り分け、最高級利尻昆布に水をはった鍋をセット。一気に料理を作り上げたのだという。
  フランスの三ツ星レストランのシェフさえ絶賛してやまないShimbo氏の料理の数々。その料理は、舌の上にのった瞬間に人々の官能を高め、桃源郷に導くのだという。できあがった芋の料理もまさにそれ。肉ジャガはもはやお袋の味を越え、超お袋の味だったという。
  そんなShimbo氏の料理の腕だけは、ハーブたちも認めるところ。「人には一つぐらいとりえがないとね」と話す。 

  大量の芋はまだまだなくならず、Shimbo氏はこの週末もレシピを求めて本屋を訪れる予定だ。

◎サツマイモと鶏肉の煮物 by塩味の作り方

  1.鶏肉を適当な大きさに切り、塩と酒で下味をつける。
  2.サツマイモを輪切りにする。できれば面取りをして、水の中でさらす。
  3.鶏肉とサツマイモを煮る。調味料は、塩、砂糖、酒、だし。調味料の量は勘で。結構酒や砂糖は一杯いれたような記憶がある。
  4.適当に味見。おいしかったらOK。
  5.出来上がりかけたらさやえんどうを投入。
  6.出来上がり! しょっぱいよ!

今週のおまけ

シェフ! 私もさばいて!