風のささやき

Shimbo氏組合大会で怒る。血圧は250超。

 8月の暑い盛り、某労働組合の大会に出席したShimbo氏。夏休みをとっての参列だ。Shimbo氏が乗る電車が人身事故ということで大幅に遅れ、「まあ、千両役者だから」と、時間ぎりぎりに会場に到着したところ、中では既に百人を越える闘志が、資本家の搾取をいかに打破するか真剣に議論を交わしていたという。資本家との戦いについては、百戦錬磨のShimbo氏であったが、人々の燃え上がる心に油を注いでは一揆になる可能性もあると、一言も語らず静かに席についたという。

 Shimbo氏のために用意されていた席は前から10列目程の席。そこからは、一本の通路が真っ直ぐに壇上まで伸び、まるで ※1モーゼが海を割ったようになっていたという。壇上の人とも真っ直ぐに目があう席で、これにはShimbo氏も少し面食らったと言う。夏ばてで皮と骨だけになってしまい、大会では少しまどろもうかと考えていた謀略が一瞬にして水の泡。「お前たちは資本家の手先か!」と大声で怒鳴りそうになったと憤りをあらわにするShimbo氏。百戦錬磨の戦闘家を敬う態度が少しでも欲しかったという。その後もShimbo氏は「まったく近頃のヤングはこれだからいけない」と小言を述べていたという。 

 さて、そんな怒りで茹蛸のように赤くなっていたShimbo氏であるが、議題が予定よりも随分順調に進み、時間よりも早く解散になりそうな雰囲気になると、とたんにご機嫌になって、得意のアメリカン・ジョークで周りを笑わせていたという。

 そんなShimbo氏を再度烈火のごとく怒らせたのが、議事を進行する委員の提案。なんと議題が順調に進んでいるので、明日の議題を前倒しでやるのだという。その提案に目の前の通路を一直線に走り出そうとするShimbo氏であったが、それを両側の男性がとめた。「離してくれ、ここで行かなければ男がすたる」そう叫ぶShimbo氏の声を、賛成の大きな拍手がかき消した。民主主義の原理の前にShimbo氏は歯を食いしばり、耐え忍ぶしか手がなかったという。

 その日、大会は予定通りの時間に終了。その時、Shimbo氏の血圧は250を超えていたと言う。隣に座っていた男性は「まるで、湯たんぽの側に座っているようで、汗が止まらなかった」と証言している。

 ただでさえ、暑い日中にほとほとまいっていたハーブたちは、湯たんぽのようなShimbo氏に「熱射病になるから、おまえなんか遠くにいけ」と罵声を浴びせ掛けていたという。百戦錬磨の士を敬うものはおらず、まさに憂国と言う言葉がふさわしい時代になったものだ。

今週のおまけ

打倒、ブルジョワ!