風のささやき

台風一過。ハーブたちはてんてこまい。Shimbo氏チーズ図鑑でうたたね。

 先週、深い傷跡を日本列島に残して台風6号が通り過ぎた。一部、洪水により、多大な被害を被った地域もあるらしい。しかし被害と言えばShimbo家ベランダも例外ではなかったようだ。

 台風が過ぎ去った朝。雲一つない空を見上げながら、Shimbo氏はまぶしいばかりの夏の陽射しを身にまとい、大きく伸びをした。「なんていい朝なんだろう」。しかしその足元では、ハーブたちが息も絶え絶えに横たわっていた。

 鉢植えが倒れて横になっているセージ三兄弟(パイナップルセージ、メドーセージ、ラベンダーセージ)を始め、白い花をつけたレモンバームの鉢植えも倒れ、悲惨なことには、背の高いフェンネルは強い風になぎ倒されていた。

 Shimbo氏は語る。「彼らもきっと大変だったんだよ。想像するにこんな感じかな。」

ー以下、Shimbo氏のハーブたち阿鼻叫喚図 想像ー

 空は明かり一つ見えない闇に覆われて、肌を切り裂くような風が渦を巻いている。某市のベランダ10Fでは、か弱いハーブたちがおののき、うめき声を上げている。

「誰か、苦しい、息ができな助けてくれ。グフ、グフ。」(お腹に風穴があいて血を吐く様子)
「何てことなの、この激しい雨は。痛い、痛い。」(石打の刑にあっているような感じ)
「見てくれよ。俺の体を。体が曲がっちゃいけない方に曲がっちまってる。えへ、えへ」(よだれをたらしたままの泣き笑い)
「神は我々を見捨てた」(※1八甲田山死の彷徨のごとく)
「俺じゃないるれー」「ヒデブ」「アベシ」「わが生涯に一片の悔いなし!!」(北斗の拳のごとく)


 ハーブたちがそんな苦しみにもだえているころ、当のShimbo氏は、「チーズ図鑑」を見ながら赤ワインを傾けていたという。しかも台風の勢いには「いとおかし」とさえ言い放っていたという。そうして、終いには赤ワインを飲みすぎて、チーズ図鑑を枕にうたたねをしていたとのことだ。

 これを聞いたハーブたちは、先週に引き続き怒り心頭。しかも倒れた鉢植えをその日の夜までほったらかしていた怠け者ぶり。ハーブたちが怒るのも無理はないが、こんな栽培人との出会いを不幸と思うしかなさそうだ。

※1 新田次郎さんの作品のタイトルです。。明治35年、冬の八甲田山で行われた陸軍の訓練、中200名近くが亡くなられた事件を題材にしたものです。
※2 ご存知、ケンシロウの出てくる北斗の拳ではユニークコメントがたくさん見受けられます

今週のおまけ

台風なんて、素早く隠れちゃえばへちゃらさ!